まだまだ知らない"世界"について | Infinite Connection

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私たちINCONNEは“教育の充実から国の充実へ”をモットーにしている関西最大規模の学生ボランティア団体です。ラオス南部のノンテノイ村に幼稚園と小学校を建設、現在はそれらの教育プログラムの充実と中学校建設、医療支援や道路整備を並行して活動中です。





今から5秒間、時計を見てください。


はい、5秒経ったね。
今、世界のどこかで子どもが一人飢えに苦しみ、死にました。


そんな衝撃な話をされたのは確か小学4年生のとき。
担任の先生が静かに教卓で語った言葉。
気づけば、その先生は泣いていた。
世界で餓えに苦しむ子どもの死者は年間6000万人。
1日あたり1万7000人が死亡しており、5秒に1人の割合で餓死しているという。


私は、その先生が当時はとても嫌いだったので、
先生が泣いていることも、5秒に一人、子どもが死んでいることも、知ったこっちゃないと思った。






カレーを残した。


小さな頃は好き嫌いが激しかった。

特に大きくブロックに刻まれたにんじんが何よりも大嫌いだった。
にんじんの入っているルーだけ残した。

ルーも最後まで食べろと父親にしかられ、
仕方なくご飯だけをおかわりし、なんとかルーも飲み込もうとした。

でも、やっぱり嫌いなものは嫌いだった。

結局ルーだけ残した私は、また父親に怒鳴られ、
ある新聞の記事を突きつけられた。
それは日本のある俳優がアフリカに訪れたときの話だった。

一人の男の子が彼を見つめていた。
何かちょうだいというように。
彼は持っていたカレーパンをその少年に渡した。
するとその様子を見ていた大勢の子どもたちがその少年に飛びついた。
たった一つのカレーパンを手に入れるために血の出る喧嘩となり、カレーパンは粉々になってしまった。
そんな内容だったと思う。

拗ねていた私は、その記事を読みたいとも思わなかったが、後ろから父親がすごい視線で私を見つめていたので仕方なく読んだ。

でも、カレーに対しても、父親に対しても、そのときは嫌悪感しかなかったので、日本から遠く離れた国で起こっていることなど知ったこっちゃないと思った。






こんなことを何回繰り返してきたんだろう。






私が友だちと騒いで笑っている5秒の間に子どもがお腹を空かせて死んだ。



私が残したご飯は、誰かが血を流してでも手に入れたかったもの。



私が何気なく過ごした〝今日〟は、誰かがなんとしてでも生きたいと願った〝明日〟。







2015年の世界の人口は約74億人。
2050年には約97億人、そして2100年には約112億人にまでのぼると言われています。



今、22億人が1日2ドル未満の生活をしています。

9人に1人が栄養不良に陥っています。

毎年600万人を超える子どもが、5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。

8億2800万人の人々がスラムで生活しています。

そして毎年、13億トンの食糧が無駄に捨てられています。



すべて、この世界で起こっている出来事。

ここに述べた以外の問題もまだまだあります。
難民、森林伐採、内戦、子ども兵…。



あのとき先生が涙ながらに語った言葉も、あの新聞の記事も
知ったこっちゃないと、知らないふりをした私。
自分のこととは関係ないと割り切った私。


今振り返ってみれば反省することばかりです…。





日本から遠く離れた、どこかの国で起きている戦争や、苦しむ人たちのことを知らずに生きて、人生を終えることも、それはそれでいいと思います。
単にこれらの事実を知ったところで、その問題を解決できるわけでもありません。
私だって、そのことを知ったからといって全てを理解できるわけではありません。

むしろ分からないことばかりです。
なんでこんなことが起きてしまうのか。
なぜ、こんなにも飢えで苦しんでいるままなのか。
この国の歴史は?これからは?
知れば知るほど謎は深まるばかり。




人間、生まれたところは変えられません。



でも、
生きていく中の選択肢によって、いくらでもその人生は変えることができます。

テレビの奥で泣いているあの子にも、
目の前で笑っているあに子にも、
なにかしらの夢があって、その夢をいつか叶えてみたいと願っている。



未来を変えることは確かにできるのです。
ただ、その環境がわたしたちと少し違うだけ。


だから私は、私にできることを。
インコネでできることを。






支援先のノンテノイ村から一枚の写真が送られてきました。
レンガがたくさん積み上げられた、まだ未完成の建物。
ノンテノイ村に新しくできる予定の中学校です。






この中学校は、これまでたくさんの方々が協力してくれたからこそ、完成へと近づいています。
この知らせを受けたとき私はすぐさま携帯をひらき、今まで募金をしてくれたりイベントに来てくれた友だちに、メールを送りました。



全てじゃなくてもいい。
世界で起きていることすべてを理解するのは難しい。

でも
一つのことでも知り、行動すれば、誰か一人の未来は変えれるかもしれません。





〝小学校の先生になりたいんだ〟




照れながらこっそりと私に教えてくれた彼女の夢は、また実現へと近づいたのです。

あと少ししたらこの中学校に通う生徒がいる。

またみんなの選択肢と可能性が広がる。




ノンテノイ村やカブー村の子どもたちの未来はまだまだ続きます。

世界の子どもたちの未来も、私たちの未来も続きます。


もしこのブログを読んで、世界の問題に少しでも興味をもっていただければ、嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


関西学院大学 3回生
広報部
廣利千早