食べログへの批判がちょっとした騒動になった後、個人投資家でブロガーの山本一郎氏が調べたところでは、一ヵ月あたり1~10万円で食べログと契約した“有料掲載店舗”が無料掲載店舗より“上位表示”されることがわかったそうだ。
また、今月から始まる新プランでは、食べログを通してウェブ予約を契約した場合もやはり“上位表示”されることが内部文書に記載されていたという(ディナーをウェブ予約したの場合、食べログ側には約200円が納められるらしい)。
食べログは、『口コミ・ランキングに対する取り組み』と題して、“本音を言える環境・中立公正・質の追求”の三つをあげている。
二番目の“中立公正”の項では・・・
「特定のお店の口コミを削除したりすることはありません」
「特定のお店の点数を変更することはありません」
「たとえ有料広告サービスを利用しているお店であってもこの立場を崩すことはありません」
ならば、ウルトラチョップのように、ネット予約の要請を断った店の評価が、何故いきなり3.0点にリセットされたのか?
何故、食べログの内部資料には“有料掲載店舗のほうを無料掲載店舗より上位に表示する”とあるのか?
食べログを運営するカカクコムは、先月七日付で「『食べログ』レストラン向け広告商品改訂のお知らせ」をHPに掲載した。
高岳氏のツイートがネット上を駆けめぐり、ちょっとした騒動になった翌日の掲載だから、カカクコムの動きは早い。
「自然検索で表示される店数並びランキングにおきましては、オンライン予約機能の利用是非に一切関係なく、これまでと同様ユーザーの評価を基礎に算出、表示をしております」
何だか虚しい言い訳のように聞こえるの私の耳だけか。
試しに、住まいに近い横浜市中区のレストランを食べログで調べてみた。
すると、掲載された4032軒のうち、評価点が3.0というお店がかなりの割合であって、高岳氏は“ネットで即予約”を断ったら3.0にリセットされたと言っていたが、おそらくはものすごい偶然なのだろうけど、中区でぴったり3.0に評価されているお店の紹介にはほとんど“ネットで即予約”の条項が見られなかった。
対して、評価点が3.41とか3.56というように、端数まで記載されているお店に限って“ネットで即予約”の文言が見られたが、これもおそらくはものすごい偶然なのだろう。
だが、上位に表示されているお店が人気店だからではなく、月額1万~10万円を払っているからという“からくり”がわかってしまうと、ちょっとシラけてしまう。
口コミと書き込みだけでランキングを決めようとしても、そこには必ず何らかの作為が生じるだろうことは誰の目にも明らかだ。
ずっと以前、あるウェブメディアで連載したときのことだが、そこでは読者がコメントを投稿できると同時に、参考になった・ならないを投票できるシステムがあった。
編集者がボヤいていた。
ある著者さんは、自分で自分の記事に“参考になった”を何度も何度もクリックするから困ると。
やめるよう諭してもやめないのだそうだ。
ある大学教授に至っては、研究室の学生を動員して“参考になった”を連打させているのだとか。
名前は言えませんけど。
こんなふうに、自分の記事をランキングの上位に押しやるために躍起になる著者さんがいるくらいだから、自分の店が上位に名を連ねるよう店主やオーナー自らがユーザーを装って投稿することもあるだろう。
逆に、他店の評判を落とすために無益なことに力を注ぐ人もいるかもしれない。
お店の関係者はもちろん、サイト運営者が情報を都合のいいように操作したら、それだけで口コミ情報の信憑性は失われる。
情報を操作した食べログが悪質かどうかは個々人の判断に任せるとして、簡便だからと言って安易に情報を検索し、あるいは、その情報を鵜呑みにすると、時として誤った方向に導かれかなねいことを知っておいたほうがいい。
悪意をもってすれば、意図的なミスリードは容易だ。(降旗 学/ダイヤモンド、週刊新潮9月29日号)