25年間が10年に短縮されるわけですが、この10年という期間は何もすべて保険料を完璧に納める期間ではありません。
保険料納付済期間+保険料免除期間+カラ期間≧10年であれば足ります。
でも、10年になったからって、「じゃあ10年間、年金保険料を納めたりした期間があるから、それ以上は保険料を納める必要はない」ということなんでしょうか?
年金受給資格を得るのは10年でOKにはなりますが、20歳から60歳までは誰もが国民年金に強制加入して年金保険料を納めなければならない事は今までと変わりありません。
まあ、国民年金は保険料を支払うのが困難な場合は保険料免除にする事も出来ますが、厚生年金に加入している人は強制的に厚生年金保険料が給与から徴収されます。
そして、20歳から60歳までの厚生年金に加入してる人や共済組合に加入してた期間というのは、実は国民年金にも加入しています。
イメージとしては、一階部分に国民年金があり、その上の二階部分に厚生年金が乗っかっているイメージです。
この場合、厚生年金保険料と国民年金保険料を二重に支払っているわけではなく、厚生年金保険料の中に国民年金分も含まれています。
だから、厚生年金に加入してた人は将来、国民年金から老齢基礎年金が支給されますし、厚生年金から老齢厚生年金が支給されるんですね。
ところで、今まで25年必要だったのが10年になった場合の年金額を見てみましょう。
今は例えば原則25年以上の期間がある人は65歳からは老齢基礎年金が貰えます。
20歳から60歳までの40年間は国民年金に強制加入だから、仮に40年間(480ヶ月)完璧に国民年金保険料を納めている人であれば、国民年金から老齢基礎年金が年額780,100円(月額65,008円)支給されます。
じゃあ25年間(300ヶ月)納めた人はいくらになるのか。
満額の老齢基礎年金が780,100円なので、780,100円÷480ヶ月×300ヶ月=487,562円(月額40,630円)。
そして10年だけの人だとどうなるか。
780,100円÷480ヶ月×120ヶ月=195,025円(月額16,252円)となり、とても低額な年金になります。
とてもじゃないですが、生活できる年金額じゃありません。
満額の老齢基礎年金月額65,008円でも生活は厳しいはずです。
だから10年に短縮されたからって安心してはいけません。
仮にこの10年が国民年金保険料免除期間(全額免除の場合)なら更に少なくなります。
全額免除期間であっても老齢基礎年金の半分は税金から支払われているので、780,100円÷480ヶ月×120ヶ月÷2=97,512円(月額8,126円)の年金となります。
また、今の老齢厚生年金は1ヶ月でも厚生年金を納めていれば65歳から老齢厚生年金が支給されます。
ただし、これも原則の25年間の年金受給資格期間がある事が前提で、なおかつ、厚生年金期間が1ヶ月以上ある人でないと老齢基礎年金と合わせて老齢厚生年金は貰えないですが、全体で10年以上あればこの1ヶ月分の老齢厚生年金も貰える事になります。
ちなみに昭和36年4月1日以前生まれの男性、昭和41年4月1日以前生まれの女性は、生年月日により65歳前から老齢厚生年金を貰う事が出来ますが、65歳前から老齢厚生年金を貰う場合は最低1年以上の厚生年金期間(厚生年金期間と共済組合期間合わせて1年以上でも良い)と全体で25年以上の年金受給資格期間が必要でしたが、全体で10年に短縮される事により65歳前からの老齢厚生年金を貰う事も可能になります。
なお、過去に未納にした期間(今なら過去最大5年まで遡って納められる)がある場合、とりあえず60歳から最高70歳までは国民年金に任意に加入して保険料を納める事が出来ます(厚生年金加入中は不可)。
ただし、65歳から70歳までは原則の25年以上(来年の改正で10年以上)足りない人のみ国民年金保険料を納める事が出来ます。
また、過去に国民年金保険料を免除にしている部分は、25年以上や改正後の10年以上の期間には含まれますが、過去最大10年以内の免除期間の保険料を支払って年金額を増やす事が出来ます。
先日の敬老の日にあった総務省統計局の発表によれば、65歳以上の高齢者は3,461万人で全人口の27.3%になったそうです。
高齢者の割合はまた上がりました、高いですね。
でもこれ、2050年には38.8%になり、2060年からは40%ちょっとでずっと推移していく見通しですから、まだまだ高齢化率は上がります。
もうだいぶ昔からシミュレーションされてた事なんですけどね。
それを踏まえ、年金は様々な改正に追われてきました。
2060年の高齢者40%になる頃、全人口約8,500万人のうち3,400万人が65歳以上人口になり、2100年には全人口が約5,000万人に対し2,000万人ちょっとが65歳以上人口となると推計されています。
25年から10年に短縮する事は重要だと言われてはいますが、それよりも少子高齢化や雇用の問題が遥かに重要ではないでしょうか。
特に少子高齢化は年金問題に直結します。
年金保険料は年金受給者の年金として支払われていますが、その年金受給者を支える生産年齢人口が減っていき、高齢者が今後もますます増える中で、10年に短縮する事がそこまで重要な事だとはあまり思いません。
従来なら25年以上に足りなくて年金が貰えなかった人が、10年に短縮されることで年金が貰えるようになり、その650億円という財源を消費税に頼らないで支給されるわけですが、この支給開始までまだ約1年間あるので、今後の動きに注目しましょう。