2024年5月29日から6月9日まで、足かけ12日、千葉県茂原市に近い山中にあるダンマーディッチャにお世話になってきた。その顛末を記憶の限り、みなさんにお伝えしようと思います。筆記用具の使用も禁止されているので、残念ですが、それも、記録でなく記憶の奥底に残っていることでしょう。

 

プロローグ

人の病気は、純粋にけがや肉体が原因のものもありますが、漢方を柱として日常業務をしていると、多くの感情のゆがみが原因しているケースに出会います。21歳の時に、東京の西荻窪で太極拳に出会い、その後、星野稔さんや津村喬さんに気功を教えてもらいました。2008年には、タイのスカトー寺を7日間訪れ、ナラテボープラユキ師に、ヴィバッサナー瞑想の手動瞑想を指導していただき、個人セッションをいただきました。

今回、ひょんなことから、木暮院長から「指導システムもしっかりしているから、行きたければ行ってきても良い」と許可をいただき、12日間の休暇をいただき、2回目の申し込みで、「席を用意できました」と返事をいただき、行ってきました。

 

組織

2013年に亡くなった、インド人でミャンマー国籍の、ヴィバッサナー瞑想の在家の指導者 サテイア・ナラヤン・ゴエンカ師が提唱した、ヴィバッサナー瞑想センターが世界に250カ所あり、そのうちの二つが日本にある。もう一つは京都の山中にあるダンマバーヌです。

 

申し込み

日本ヴィバッサナー協会のホームページから、申し込むのだが、連休前のコースに、申し込んでいる最中に、満席になってしまった。夜10時に受け付けを開始するので、PCの場合、時間を回ったらすぐに読み込みをし直して、てきぱき申し込む必要がありそうだ。

私の場合、「酒を飲む」にチェックを入れたら、どのくらいの周期でどのくらいの量を飲むかという質問が来て、それに対して「一か月に一回ビールを250ccくらいと答えた。それに対して、10日の間飲まないのはつらいと思うが飲まない約束ができるか?入る前に二週間飲まない約束ができるか?と来たので、約束しますと答えました。

 

三つの大きな特徴

①  瞑想を教えてほしいと真剣に望むなら、施(ほどこ)してあげます、というスタンス

他の瞑想を提供する会社は、二泊三日コース5万円とかで、教えてもらう人が、自分で稼いだお金でサービスを買うスタンスです。

ここは、あなたが真剣に瞑想を教えて欲しくて、五つのシーラー(戒律)を守ることを宣誓すれば、「先生」「コースマネージャー」のサポートの元、古い生徒さんからの寄付によって、必要な食事(ビーガン食)、必要な泊まる場所を施(ほどこ)してあげます。

私が感動したのは、もともとケチな性格なだけで無く、「いのちの循環」を感じたからだと思います。(きっとこれは、実業家のゴエンカさんが守ろうとした伝統で、商業主義に乗っ取られない方法)

 

②  瞑想によって、あなた個人が悩み苦しみから解放されて、仕事の効率が高まって、よいめぐり逢いに出会えるようになる、という個人的な欲にとどまらない。自分が穏やかになることによって、隣人も穏やかになり、この社会全体に穏やかな波が広がっていくという、メッター・バーバナーにつなげている。

 

③改宗する必要がない。瞑想は、古代インドから伝わる修行方法です。キリスト教徒でもヒンズー教徒でもイスラム教徒でも、みんなができる。(これは日本人には、ほとんど関係ないが、諸外国では大切なこと)

 

忌野清志郎じゃないけど、21世紀になっても、人と人が奪い合い殺し合っている。奪われないために奪う。殺されないために殺す、では、ガンジーが言うように終わらない。

 

気功や太極拳、別の流派のヴィパッサナー瞑想の禁止。

 たとえば、漢方を服用している人が、耳鼻科疾患で、耳鼻科に行ったときに、「とりあえず漢方は休んでおいてくださいね」と言われるのと同じかなと思いました。

 

自分の口から言葉を発しないだけでなく、聞くこともなく、スマホや印刷物で文字を読み取ることもなくして、瞑想中もマントラや画像(偉人や偶像)をイメージすることも無く、言語を通じて考えることをどんどん減らしていくと、脳の側頭連合野や前頭連合野の興奮が低下して、pcに例えるとセーフティーモードになっているんじゃないでしょうか?瞑想の6~7日で「心の奥にある血膿をためた病巣を手術する」ことができるような気がします。

 

私は、3日目で帰りたいと思いました。左そけい部が堅くて胡坐を続けられないからです。そのときには、「このシステムでは、車椅子の人や視覚聴覚(聴力)障害、閉所恐怖症・トゥレット症候群の人は来れないだろう。」とか、「こんなことは、気功の方がずっと細やかに経絡で説明している・・、」「野生の象や牛は、畑を荒らして悪さをするが、しっかり調教をすれば、人の役に立つ・・・。?」人間もそのように調教するつもりか?など、頭の中で文句を言っていました(笑)結局、椅子を出してもらいました。

 

ダンマーディッチャで心配なこと。

①     浄化槽が壊れている。

②     60人の参加者のうち、15人しか終了後の掃除奉仕に参加しなかった。

③     スタッフたちが疲れている。

④     ウバキンさんやゴエンカさんを超える指導者の出現が待たれる。

⑤     寒いから防寒防風の衣類は必携。

 

エピローグ

出所してから、かつ丼(肉・卵)を食べてビールをあおる、戒律破りをしています(笑)が、行ってから、この1分1秒の濃さが確実に深まった気がします。チャンスがあれば、また、3日コースでも行きたいと思います。

そうそう、寄付するとちゃんと領収書が発行されますから、ふるさと納税とおなじ節税になります。(寄付できるのは、10日コースを終了した個人のみです)

 

なにか、勘違いがあったらごめんなさい。