筆者は、1974年に、東京の田無にある、薬科大学に入学した。

 

すぐに、漢方研究会に入らせていただき、傷寒論の素読を始めた。

 

(同時に、社会問題研究会に入って、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」や「家族、私有財産及び国家の起源」などを、読み合わせた。・・・、が、活動が深夜に及ぶことに辟易して、早朝からラジオの中国語講座を聴くようになった。)

 

自分の学習意欲も低いし、学生がやることは底が浅く、また、日本の漢方界の子弟制度の窮屈さに嫌気がさしてしまった。

 

なんとか、留年を免れて卒業すると、台東区にある漢方で当時有名だった薬剤師についた。

 

でも、そのころの、筆者は、中島敦の山月記の一節のように「尊大なる羞恥心と臆病な自尊心」で、日本漢方にも中国漢方にもくみできなかった。

 

その後、体調を崩して、今の「はり灸みのわ治療院」の院長にお世話になったり、西荻窪の「ほびっと村学校」に世話になったりして、結局、群馬で、鍼灸師の町田敏明さんの世話になって、陝西省の中医たちと交流することになった。

 

で、本題。

 

漢方薬の保険適応は、エキス剤(約150種)と漢方用生薬(薬草)(約200種)からなっている。

 

ネットで「頻尿 漢方」を検索すると、スポンサーによる情報が次々に出てくる。

 

一般の患者さんは、簡単にそれを鵜呑みにする。

 

例えば、猪苓湯と五淋散と五苓散や八味丸と六味丸を、名前が違うからまったく違うものだと考えてしまう。

 

でも、中身の薬草の組み合わせを調べると、少しずつベクトルが違うだけのものだということがわかる。

 

そもそも、中国の病院では、先ずは患者さんの体質に合わせてせんじ薬を組み立てて治療して、落ち着いたら出来合いのエキス剤を出す。

 

そこの匙加減こそが、経験値がモノを言うところ。

 

私の師である張学文(ちょうがくぶん)国医大師(漢方の人間国宝)は、そうすることで、薬も節約できて、時間も節約できて、患者さんの負担も節約できて、治療者の負担も節約できる。と言っていた。

 

まだまだ、匙加減ができずに、患者さんの回復に無駄な時間をかけてしまっているし、薬草の無駄遣いが目に余る。これを減らしていかなければならない。

 

そこのところを理解してもらいたくて、ブログを始めました。