Making Magic! Vol.1
どうも皆さんこんにちは。タウンハンター、ineedadrinkです。
今日から『Making Magic vol.1』のレビューをお送りします。
実演・解説はマーチン・ルイス。
この人の顔、どうもウチの元上司に似ているので緊張してしまいます。
自身のサイト、「Magikraft」で、ご本人考案のマジックを見ることができますが、得意なのはサロン系のマジック。中にはクロースアップでできるものもいくつかあります。
ミスターマジシャンのショップで
「このビデオには、私は大変ショックを受けました。当店で販売していてまだ在庫を抱えている商品の作り方を詳しく解説しているからです。しかし、今は諦め、皆さんの為になるならとこれを薦める事にしました。大変いいビデオだからです」
と評されていますが、まさにそのとおり!噂に違わぬ完成度です。
今回、解説されているのは以下のマジック。
・ビッグ・スウィッチ
・カンバック・カード
・テクニカラー・プレディクション
・スナックス・アライブ
・リップ・スティックス
・カーディオ・グラフィック
ミスター・マジシャンでは、「カーオーディオ・グラフィック」となっていますな。
すべてサロンマジック。観客との距離が2~3メートルは欲しいところです。
名前に「メイキング・マジック」とあるとおり、すべてのマジックにギミックを使用し、かつその作成方法が解説されています。「何が何でもギミックは使わんで」という方は購入を見送ったほうがいいでしょう。もともとはVHSだったものに修正と追加をして発表したものです。
ルイス氏の自宅キッチンでの収録だそうです。マジックを見せる前に、「カッターとかは危ないから、ちゃんと使わなきゃ駄目だよ」などの注意書きが出ます。
全体的な難易度は、相当簡単な部類に入ります。どのマジックも、道具さえ揃えばあとはそんなに難しくありません。
道具を揃えるのが至難の業です。ドラゴンボールを集めるほうがまだ簡単かもしれません。
完成度を気にしなければ、道具を揃えるのは比較的楽です。見栄えが悪くなってしまいますが。
ちなみに、ここに収録されているマジック、完成品を購入すると、トータルで5万円くらいかかります。DVDを買うと31ドル。プラス材料費。
材料費も、一番かかるもので3千円くらいですから、ぜひともDVDを買うことをお勧めします。
マジック自体はとても楽しんで見れました。現象もハッキリしたものが揃っていますが、それ以上にマーチン・ルイスのキャラクターが素晴らしい!どのマジックもほんのりコメディーで、俺の大好きなタイプです。
顔は上司ですが。
発音が滑らか過ぎるのか、俺には聞き取れない場面も何箇所かありました。そんな方のために、解説では字幕が出てきます!これは嬉しい。変な位置に出てくるのが困りものですが。
ただし、実演の際には出てきません。どんな感じなのか、ちゃんと知りたかった…。
「クロースアップが主だけど、ちょっとしたところで大人数に見せたい」
という方はマストバイのDVDです。
鬼子って。
「鬼子って、シティーハンターの香に似てない?性格とかさ」
「香って誰?」
「シティーハンター見てた?ほら、よく冴羽をハンマーで…」
「見てたけど知らねえな。そんなんいたっけ?」
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
「いたっしょ?ショートカットで、気が強い…」
「あー、そういえばいたなあ」
「うんうん」
「最初からそうやって言えば、もっと早くわかったんだけどな」
「そっか、ごめん」
「ちゃんと順番で言ってくれなきゃわかんないよ」
「順番?」
「うん、順番」
「…順番?」
「何その首の傾げ方、むかつくんですけど。年齢の順番だよ、話の通じないやつだな」
「年齢の順番…???」
「(ため息)髪の長い人とかの方が上だろ」
「(冴子のことか?)うんうん、確かに上だね」
「そんで、三番目が香だろ。ショートカットの」
(゚д゚)
「あのう、それキャッツアイじゃ…」
「アッー!」
「やっぱりそうかε-(´∀`*)違う違う。それじゃなくて、『ゲッワイエンター~』の歌のほうだよ。冴羽遼は知ってる?神谷さんが声やってる」
「知ってるよ。髪の毛が微妙に天パの人だよね」
「うんうん」
「上半身ムキムキの人だよね」
「そうそう」
「いっつも白のタンクトップ着てる」
「ちょっと待て!白のタンクトップ?着てないよ!!そんな変態みたいなの嫌だよ!ヽ(`Д´)ノ」
「んで、下はピッチピチのパンツだったよね」
「ピッチピチ!?もはやゲイじゃん!!Σ(゚д゚lll)」
「新宿に住んでるだけあって、そっちもプロだよね」
「何微妙にうまいこと言ってんの!新宿に住んでるとか変なとこ詳しいし…まあいいや、んで、香は思い出した?」
「いや、全然」
「うおーい!」
「でも、全部思い出せないわけじゃないよ。なんか、みんなでわいわいやるシーンとかなかった?そんな映像が記憶にある」
「あー、あったかもね。喫茶店とかでよく世間話してるシーンがあったはず」
「そうそう。喫茶店だったね!」
「ようやく思い出してくれたか。いっつもハンマーもって」
「遼が帰ってくると、計画書隠しちゃうんだよね」
「トシオ―――ッ!!」
こんな日常。
どうもみなさんこんにちは。週末はいつもウキウキ。ineedadrinkです。
今日は『メイキング・マジック』のレビューをしようと思ったんですが、前フリだけでスペースが埋まってしまったので明日にでも。
ではでは、あでゅー☆
Puncture
どうもみなさんこんにちは。こないだ10年ぶりくらいに宅配ピザを頼んだところ、
あまりのパワーアップぶりにビックリしたineedadrinkです。
具はたっぷり入ってるし、おいしくなかったハズの耳の部分にはソーセージが入って(゚д゚)ウマーだし、注文受けてから焼いてるのに、電話切ってから30分以内にお届け?
マジ有り得ないんですけど(渋谷のコギャル風)
10年前にはなかったサービスがいろいろ。いやー、今なら浦島太郎の気持ちがわかります。
鬼子と二人で美味しくいただきました。今度の日曜はワールドカップの日本戦を見ながら食べる予定。
いいでしょ鬼子?←子犬のような目で
そうそう、全然関係ない話ですが、なんでピザと炭酸って合うんでしょうね。
そんなこんなで、今日は「進化」という言葉にふさわしいマジックを。
アレックス・リニアン考案『パンクチャー』です。
現象:
マジシャンは観客から100円を借ります。
ポケットからペンを取り出し、観客から100円を受け取って、手のひらにおきます。
100円の表面を軽くボールペンでたたきます。
すると
ペンが100円玉を突き刺しています!
ペンも100円玉も、完全に検めることができます。最近のトリックの中では一番のお気に入り。
昔からある「ペン・スルー・コイン」をさらに発展させたものですが、最初見たときは完全に引っかかりました。解説を見た後でもまだ引っかかります。まいった。
ポール・ハリス・プレゼンツということで、まずビジュアルさが桁違いです。
桁違いというか、もうどこからどうみても完全に刺さってますからね!疑う余地がありません。
おまけに100円玉の裏側には突き破られた跡が…。
夢に出てきそうな光景。世の物理常識を疑いたくなります。
刺さる瞬間には、何のカバーもありません。観客注視のなか、ペンがぶっすりと突き刺さります。
まさか突き破るなんてことはないだろうと思っていた観客も腰を抜かしてしまうほどのインパクト。
付属のペンは、100円ショップで売ってそうな形と色です。素材はプラスティック。東急ハンズでも200円くらいで買えそうです。もしこのペンが気に入らないという人がいれば、自分で探してもいいかもしれません。
見た瞬間に気に入ってしまいました。今まで見たどのペン・スルー~よりも綺麗に、スピーディーに刺さります。
なにより、このタイプのマジックで、使う道具を検めることができるというのがすごいです。俺は解説を見て思わずうなってしまいました。ううむ、その手があったか。
まさかこんなところに抜け道が!
今までにもあったアイディアのはずです。しかし、この手のマジックに応用したのは彼一人。尊敬の念を抱かずにはいられません。
難易度は簡単。解説書だけを読むと、なんとなく難しそうに感じますが、鏡の前で10分くらい練習すればできるようになります。見せ方も2種類あり、バリエーションに富んでいます。難易度は変わりません。
このマジックは当初、新進のマジックショップが販売を始めました。その後、いろいろなショップが後発で発売を始め、その中でも大手のある店舗が、ギミックを100円玉で作ることを考案。他店の倍近い値段で売り出しますが、爆発的なヒットを飛ばします。
これに目をつけたのがさらに後発で販売を始めた大手ショップ。なんとヒットを飛ばした店舗と同じ値段で、100円玉のギミックをつけ、さらに10円玉のギミックもつけて発売。こちらも負けず劣らずヒットになり、入荷した3日後には売り切れるほどの人気を博します。
「自分の買ったマジック評価スレ」では、「もう少し待てばよかった」「待ってて良かった」の書き込みもチラホラ。
さらにその中には、真偽は定かではありませんが、「あの二つの店は、片方がもう片方から独立して以来、仲が悪くなった」の書き込みも。
リ ア ル 昼 ド ラ 。
後ろ二つの大手ショップはどちらも大好きなお店なので、どっちで買うか相当迷いました。
で、結局俺は10円玉のギミックがついてくるところで購入。日本語解説書が付属していたのが決め手です。このマジックには解説DVDがついてくるのですが、あまり丁寧な説明ではないので、文章と映像の両方から覚えるのが良いと思ってます。他がどうだかはわかりませんが、クォーターがDVDの紙ケースの中に無造作に入れてあったのに対し、日本円がきちんとケースに入れてあったのも好感高し。
コインは日本円がやはりベストだと思います。クォーターではどうしても「なんとなく海外」の雰囲気があり、観客に親近感を抱いてもらうことができません。マニアックになるとつい忘れがちですが、「身近なものでありえないことを起こす」というのは驚きの中でもかなり重要なファクターのはずです。
今のところ、10円と100円、それにクォーターしかギミックがないので、500円とかでギミックを作って欲しい気もしますが、さすがにどこもやらないかな…。1円から500円までをずらりとケースに入れた『パンクチャー・コイン・セット』とかあったら、きっと買っちゃいますね。
難易度…★☆☆
効果 …★★★
DOUBLE X
どうも皆さんこんにちは。いよいよワールドカップが始まりましたね。
興奮で、特にネタもないのに更新してしまったineedadrinkです。
さて今日は、『ダブルX』についてレビューさせていただきます。
現象:
マジシャンは100円玉と10円玉を取り出し、観客にどちらを使いたいか、たずねます。
観客は100円を選びます。
マジシャンは頷くと、100円を手の中に握りこみ、10円をそのこぶしの上に置きます。
内ポケットからペンを取り出し、こぶしの上の10円をたたくと
なんと一瞬にして、
10円が100円に変わってしまいます!!
さらにこぶしの中からは、10円が出てくるのです!!
ちょっとしたマニアであれば誰でも知っているこのトリック。
海外ではスベンガリデック並みに広く知られているようです。
もちろんクラシック扱いですので、たとえばwarehouseではなんと3ドル50セント!安い!
日本では、1500円前後で販売されています。
ただし日本ではとある制限があって、表のルート(笑)で販売されるということはまずありません。
表でも売っていることは売っているんですが、お金の代わりにポーカーチップを使ったりします。
俺はとあるショップの裏ルートから入手しました。
裏ルートという割には、価格は普通で、1800円。
…おっと!どこのショップかは言わないですよ。消されてしまうかもしれないですからね!
そこで買うと、100円と10円でこのトリックを行うことができます。
ごく短時間で終わる現象ですが、破壊力は抜群。
変化の瞬間、何のカバーもしません。
見ている前で、一瞬にして変わってしまいます。疑う余地のない、まさに「奇跡」です。
ほとんど即興で準備できるのもうれしいところです。
さらに難易度ですが、簡単です。
鏡の前で20分も練習すればできるようになります。
さ、そんな良いとこだらけのこのトリックですが、俺の買ったものには欠点もあります。
まずは、付属のボールペンが怪しい!!
これは怪しすぎます。もう「疑ってくれ」と言わんばかりの形状。怖くてつかえません。
まあ使ってますけどね!意外と気づかれないものですが、やってる本人はひやひやしっぱなしです。
画像のようなペンではないので要注意!普通の油性ボールペンです。
市役所で使われてそうなペン、というとイメージわきやすいですかね?
『パーカー・ウルティペン』がこのトリックに使えるようなので、手に入れたらそっちを使ってみたいところです。
また、例のアレが弱いのも気になるところ。
失敗が許されないだけに、もう少し強いものに変えてほしいです。
自分でやるかあ。
そんな欠点はありますが、個人的にはコイントリックの中でも3本の指に入るんじゃないかと思ってます。
まさに原点にして頂点。常に持ち歩きたいトリックです。
難易度…★☆☆
効果 …★★★
TORN
「鬼子、今日ブログ更新したんだけど、見てくれた?」
「見たよ。ちょっとだけ」
「ちょっとだけ?全部は見なかったの?」
「しつこいな。そう言ってるだろ。前フリのところだけは見てやったよ」
「あ、ありがとうございます…」
「今日は80点だな」
「おっ、結構好評?」
「ちなみに1000点満点だ」
「最初から100点満点で8点て言ってよ!というかなんで前フリしか見ないのさ!ちゃんと全部見てよ!」
「あたいの知らないマジックだったら嫌だからだ」
「?」
「あたいはな、知らないマジックは、一番最初にお前から見せてもらいたいんだ」
「鬼子―――ッ!!」。゚(゚´Д`゚)゚。
はい、ということで皆さんこんにちは。どんなに鬼子と喧嘩しても、必ず元の鞘に収まる男、ineedadrinkです。
マスター・オブ・TARC(Torn And Restored Couple)と呼んでください。
まあ、タネは鬼子なんですがね!
さ、本日は『TORN』のレビューをお届けします。
ダニエル・ガルシア氏の作品です。以前に『SH4DE 』というマジックをレビューしましたが、それと同時期にリリースされたトリックで、同じように「1つのDVDにつき、1つのトリック」が収録されている形になっています。
個人的な意見ですが、この人は改案型の天才です。それも、「今よりももっと簡単に」という方向性ではなく、「今よりももっとフェアに、ビジュアルに」というタイプです。
このトリックも、イェビス・ドゥマーギュ氏の『Ripped & Restored』を土台にしています。
現象:
マジシャンは、観客に一枚のカードを選んでもらい、表にサインしてもらいます。
それを四つ折にし、4つに破いてしまいます。
確実に4つに破れているのを見せた後、破片と破片を近づけると
なんと破片同士がくっついています!
この調子で、すべての破片をくっつけ、
最後には元通り、1枚のカードに戻ってしまいます!!
もう、ミスターマジシャンのカタログで見たときから一目ぼれ。
デモ動画を見ると、まさに魔法としか思えません。
最初見たときはCGかと思いました。くっつける瞬間、なんらカバーをしません。
間違いなく目の前でくっついていきます。そしてマジックの前後に改めが可能。直したカードはお土産に差し上げることができます。
観客から見た効果は、シンプル、クリーン、ダイレクト。
最強のカードトリックの1つです。
価格ですが、Magicwarehouseで31ドル。国内では5,500円~。
1つのトリックだけしか収録されてない割には、普通のDVDと同じ値段設定。ずいぶん高価です。
CDで言えば、シングルなのに3000円取られるようなもの。やはり悩みます。
難易度ですが、ミスターマジシャンでは「難しくなく、どなたにもマスターできる」と書いてあるのに、フレンチでは★三つ。
購入される方は、相当迷うんじゃないかと思います。
で、俺の感想なんですが、難易度は簡単です。
難しいテクニックは一切使わないといってもいいぐらい。
それでいてこの現象。本当に頭が下がります。
ただし、人の前で見せるには、2~3日、みっちりと練習する必要があります。
たぶんフレンチの★3つはここに起因しているんじゃないかと。
また、マジックの内容とはまったく関係ありませんが、DVDのメニュー画面がスタイリッシュでかっこいいです。反面、スタイリッシュすぎて見づらいかもしれません。
解説ですが、とても丁寧です。マジシャン側からの視点もばっちりご用意。かゆいところに手が届き、「わからせてやるぜ」的な匂いのぷんぷんする素晴らしいレクチャーです。
ほとんど即席で準備ができるのもうれしいところ。デックからカードを選ばせるほうがクリーンですが、別に一枚だけポケットからカードを取り出して行っても問題ありません。
想像してください。「なんかマジックやって」と頼まれ、何の準備もしてないような顔でこのマジックをやるところを…!
思わずゾクゾクしちゃいませんか?
難易度…★★☆
効果 …★★★
THE DEFECTIVE DECK
どうも皆さんこんにちは。マジック界にも、ついに価格競争の波が押し寄せてきましたね。
呑まれて沈むショップが出てこないか心配なineedadrinkです。
さて今日は、『見せられなかった…カードマジック』の話をしたいと思います。
なにやらフジあたりが二時間の枠でやる、お涙頂戴のドラマっぽいタイトルですな。
俺はこういう「いかにも」な感じが苦手で、天邪鬼にも絶対泣かないようにしちゃうんですよね。
今日お話させていただくマジックは、「ディフェクティブ・デック」というものです。
先日レビューした「ニュー・ディミニッシング・カード」のボーナストリックとして付いてきました。
商品の説明文を読むと、
「個人的にパケット物やトリックデックが好きではなかった私ですが、このふたつは好んで演じています。受ければ勝ちと言うマジックとしては最高のカードマジックなのです!」
と書かれており、「ニュー~」が相当面白かったのでこちらもワクワクしながら見たのです。
もしかしたら、「鬼シリーズその4になりうる逸材かもしれない…!」(その2は『ジャックはペンキ屋さん』)
俺の期待度は過去最高水準です。
現象:
マジシャンはギャランティージョーカー(文字がいろいろ書いてあるジョーカーです)を取り出し、
「これはカード会社が、保証書がわりにつけているものです。印刷ミスがあった場合は、このカードと一緒に、製造元の会社に送れば、新品と交換してくれるんです」
と話します。
「今日持ってきたデックの中に、いくつか不良品のカードが混じっていました。本来ならカード会社に送るところですが、私はマジシャンですので、自分で直してしまいます」
そして、印刷ミスのあるカードを、次々直していきます。
現象が命のマジックですので、どんなカードがどうなるかは書きません。
印刷ミスのカードが次々と直っていくさまは、見ていて痛快。特に後半部分がビジュアルかつクリーンです。
また、「ニュー・ディミニッシング~」のボーナストリックなので、これにもやはり小川さんの解説がついているのがうれしいところ。日本語解説が手元にないのでわかりませんが、文章だけではわかりづらい箇所があるような気が。
そうそう、小川さんの解説では、一部誤って説明している箇所がありますが、下に字幕で訂正が入ります。
ビデオではカードが一枚使われていなかったので、「実は使います」と訂正を入れているのですが、「ではどのようにして、どんな風に使うか」については解説ナシ。
カードも大事ですが、こっちもしっかり直していただきたいものです。
マジックには、通常のデックが一組必要です。しかし、赤裏青裏を問いません。どちらでもお好きなほうでどうぞ。
現象を見た観客からは笑いが起きていました。カードを覚えさせられた挙句、何分もおしゃべりをされた後、「あなたのカードは何でしたか?」と聞かれる…。考えただけでどっと疲れてしまいます。
その点、これは何も覚える必要がありませんので、肩がこらずに楽しめるマジックです。
ふぅーう、さーて褒めるのはこれぐらいでいいですか?
良くないところというか、致命傷なんですが、まず前半部分がひどすぎます。
のっけから怪しい動きのエレクトリカルパレード。
いまどき西武園遊園地のお化け屋敷だって、こんな胡散臭くありません。
それも、俺がマジシャンだから怪しく感じる、というレベルの話ではありません。何も知らない人が見ても明らかに何かやっている動きです。
見本を見せてくれる人からしてこの動き。俺がマスターしたとしても言わずもがなの結末が待っております。
シット!違う意味での逸材だったぜ!!
そんなに言うなら、前半は捨てて、後半部分だけやればいいじゃない、とお思いでしょうが、どっこい後半だけではインパクト不足です。
ビジュアルできれいなマジックなんですけどねえ。
また、このトリック、ほかのマジックにつなぐのも一苦労。
一応解説では「レギュラーデックに戻す方法」も解説されていますが、これがまたBIMYOUなデキ。
「うぅん…」と思春期の女の子みたいな声を出して悶えてしまいます。
そして通常、「ニュー・ディミニッシング・リターンズ」につなぐことはできません。
難易度は相当高いです。テクニックも、当然ながら自然に見せるには難しいものばかり。
見てるか、サイキック・スピナー。
お前を超える逸材がここにいるのだ…!
俺の中では、届いた後、一度練習してみて蔵へと直行しました。
付属のギミックカードが結構面白いだけに、余計にがっかりです。
見せられなかったカードマジック。
涙が止まりません。
難易度…★★★
効果 …★☆☆
ニュー・ディミニッシング・リターンズ
どうも皆さんこんばんは。さっきまで書いていたレビューが消えてしまい、茫然自失のineedadrinkです。
いやあ、バックアップって…大事だね(遠い目
さあ、今日はマイク・パワー氏の『New Diminishing Returns』です。
現象:
「今日はあなたに、『本当に好きなカード』を選んでもらいます」
マジシャンはそう言いながら、表向きのまま観客にカードを選んでもらいます。
「これから色々な方法であなたのカードを当てますが、その前に」
観客を見渡しながら話します。
「マジシャンというのは、特殊なカードを使います。皆さんには何の仕掛けもないように見えても、私だけにはわかるようになっているのです」
残りのカードをテーブルにスプレッドすると
なんと観客のカード以外、すべてが小さくなっています!
「さ、あなたのカードをこの中に戻してください」
観客からカードを受け取り、スプレッドした中に戻し、まとめます。観客のカードだけが大きく、はみ出してしまっている状態です。
「さ、これであなたのカードがどこに行ったのかわからなくなりました」
観客からはブーイングが。
「え?「私にもわかる」ですって?おかしいなあ…」
マジシャンはブツブツ言いながら、カードをもう一度広げます。
すると
今度は観客のカードのみが小さくなり、他のカードはすべて普通のサイズに戻ります。
「これで大丈夫。さあ、今度こそあなたのカードがどこに行ったかわかりませんね」
観客からは失笑が。そして「わかるよ!」といわれると
「わかりました。あなた方相手にズルをしようという私が愚かでしたね。今元に戻します」
小さくなったカードを引き抜くと
観客の目の前で、選ばれたカードは元の大きさに戻ります。
非常にビジュアルなマジックです。鬼子に見せたい!と思って購入。
俺の中では「鬼子シリーズその3」と銘打たれています(1はジョーカーズファミリー)。
なにしろ、目の前のカードが大きくなったり小さくなったり。インパクト抜群です。綺麗に決まれば、これ以上のマジックを探すのはなかなか難しいでしょう。つかみには最高です。
それでですね、何が何でも言っておきたいのは、このマジック、なんと
フ リ ー チ ョ イ ス
です。何をコールされてもOK。
解説で目ウロコ間違いなしです。
難易度は普通より少し難しいくらい。
特に厄介なテクニックは使わないのですが、別の意味で難易度の高いマジックです。
さて、このマジックですが、国内ショップでもいくつかの店が取り扱っています。
値段は大体2800円~。
で、たいていのところには日本語解説書が付くんですが、ことこのマジックに関しては、丁寧な日本語解説書を書いてくれるところで注文したほうがいいと思います。
カードの捌き方で、わかりづらいところがいくつかあるからです。ですから、あまり英語が得意ではないのに、安いからといって海外で注文したりすると、そのまま机の奥深くに眠ることにもなりかねません。
マッドマジックだけは、日本語解説書を付けずに、演技・解説のビデオをつけて販売しています。
ほうほう。ビデオ。わかりやすくていいじゃないですか。
と思ったら、価格がなんと6000円。
TAKEEEEEEE!!
で、俺はマッドマジックのものを持っているんですが、正直日本語解説書さえちゃんとしていれば、ビデオはいらないんじゃないかって気がします。
特にボーナスルーティンがあるわけでもないし。
それとですね、ミスターマジシャンのカタログには
「裏はホイルのままですが、表がバイシクルになりました」
と書いてあるんですが、俺のところにあるのは裏も表もバイシクルのやつです。
初版からずいぶん時間が経ってますから、もしかしたらU.S.playing社が許可を出したのかもしれません。
もしそうなら、マイク・パワーさん、嬉しかっただろうなあ。
なお、ギミックは赤裏のみだそうです。自作はちょっと無理があるので、青裏使いの人は要注意。
さあさあ、こんだけビジュアルなマジックですから、もちろんリアクションもすごいですよ!
たとえば
もわもわもわわ~ん
夜景の綺麗な(ry
美女に『ニュー・ディミニッシング・リターンズ』を見せている俺。
美女「すごーい!!素敵!ineedadrink!!」
俺「どうだった?」
美女「もうメロメロよ~」
俺「今のマジックは、カードが大きくなったり小さくなったりするじゃない?」
美女「ええ」
俺「じゃあ君と恋に落ちると、大きくなったり小さくなったりするもの、な~んだ?」
美女「え?もう、ineedadrinkったら(ポッ」
俺「今夜…その答えを知りたくないかい?(チラリと見せるホテルのルームキー)」
ビリビリとマスクをはがす美女。
鬼子「よう。その答えな。あたい知ってるんだわ」
俺「うっ!お、鬼子…」
鬼子「答えは『お前』だ」
俺「ガクガク」
鬼子「まず、大きくなるのは被害だ」
俺「ガクガクブルブル」
鬼子「そして、小さくなるのは心音だ。覚悟はいいな」
ギャー
難易度…★★☆
効果 …★★☆
対決!黒い悪魔!
それは昨日のこと。
いつものように、鬼子が作ってくれた夕食を食べながら、たわいもない話をしていると―――。
突然手の甲に「ぽとり」と音が。
感じる、乾いた感触。
時間が、ゆっくりと流れ始める。
視界に入る、黒いツヤ。
長い触角。
およそ感情というものが感じられない、無機質な瞳。
ヤツだ。
黒い悪魔が天より降り立つ。
き
や
あ
あ
鬼子が力の限り悲鳴を上げる。
瞬間、わけもわからず振り払う。
飛ばされる悪魔。
いつもなら目をそらしてしまい、見失うところなのだが、なぜか目は行方を追っていた。
―――あそこにいる。
パニックを起こしそう。身体中から脂汗が噴きだし、心臓は壊れてしまうんじゃないかと思うぐらい早鐘を打っている。
なのに、頭は妙に冷静で、何をすべきかが見えている。
もう昔の俺じゃない。
悪魔を怖がって、トイレに隠れていた、幼稚園児のままじゃない。
まあ今度は「そのトイレに悪魔がいるぞ」「お尻につくんじゃねーの?」といわれ、トラウマでそのトイレ使えなくなったんだけど。
いやいや、そんなことは今はどうでもいい。
ヤツから目をそらさないようにしながら、悪魔封印のためのウェポンを準備しなければ。
そう。俺は3年前、まだ鬼子と出会う前、雑誌という兵器でやつの仲間を殺している。
アイツの敵討ちってわけか。味な真似をしてくれるぜ。
あの時はこちらも準備不足で、俺の武器も貧弱だった。
殺っちまった後の、あの嫌な感覚。もうこんな思いはしたくない。
そして、試行錯誤の末行き着いたのが、この最強の武器。
まさに封印!初めて目にしたときは感動で震えたのを覚えている。
それから3年、1度も使わずにここまで来た。
はたしてまだ使えるのか。そんな疑問がちらりと頭をよぎる。
弱気になるな!今使わずにいつ使うのだ。(ナウシカのあの人)
「鬼子!こんなときのための『ゴキパオ』があっただろう!渡してくれ!」
海の男みたいなポーズをとりながら、手だけを後ろに出してヤツとにらみ合う俺。
「阿呆が!あたいの両手はふさがっておるわ!自分でとれい!!」
驚いて見ると、鬼子は二人分の食器を持って避難中。
俺とゴキパオの距離は1メートル。
お前のほうが近いんだから自分でとりゃいいじゃんという目でこちらを見ている。
仕方がないのでさっと準備し、カシャカシャ振って充填完了。
狙いを定めて、発射!!
しかし敵もさるもの、寸前で避け大脱出を図る!!
また、薬剤と一緒に出るガスの勢いがものすごいため、その風によってなかなか狙いが定まらない!
後ろから、鬼子が今まで聞いたこともないくらいのアツイ応援をくれている。
「ineedadrink~!!がんばってー!!!もう少し!!」
その声に力を得て、ゴキパオ泡が一瞬、ヤツの体に触れる。
途端、ひっくり返り、力を失うゴキ。
今がチャンス!!
全力噴射。見る見るうちに雪だるまの下半身のようになっていくゴキ。
泡の中に閉じ込められ、もはや動かなくなったゴキを見下ろし、ほう、と息をつく。
体のどこにこんなにあったのかと思うほど、とめどなく流れ出る汗。
そして鬼子と見つめあい、映画さながらの熱い抱擁…
…はなかったんですが、とにかく後は捨てるだけ。
ただ、そこでまた問題が。
泡が乾いてゴキの姿がうっすらと。
シット。黒いシルエットが「ここにいるよ!」と猛烈アピールしてるぜ。
しかも上から吹きかけて固まらせるってことは、ぺリッとはがしたら裏側からコンニチハってな感じに…
うっ、素手で持つのはかなり怖いかも…。
「お前はよくやった。あとはあたいに任せな」
お、鬼子!?
いつの間にか食器をキッチンに置き、臨戦態勢で俺の後ろから現れる鬼子。
俺を休ませ、雪だるまの下半身と向き合う。
素手はダメだ!!
そう叫んだつもりだったが、言葉は声にならず、むなしく散りゆく。
しかしその声が一筋でも届いたのか、鬼子はこちらを見て微笑む。
その笑顔が、なんだかとても優し過ぎて―――
俺は声にならない声で必死に叫ぶ。
ダメだ!何のために俺が戦ったんだ!!お前が触っちまったら何にもならないんだぞ!!
けれど彼女は俺に背を向け、そしてゆっくりと
割 り 箸 を 取 り 出 し た 。
…割り箸?
優しくはがしてつまんでポイ。実にクリーン。
………!!!
うおおすげー!!!!!この発想はなかったわ!!!!!!
さすが鬼子!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!
思わずスタンディングオベーション。観客は総立ち。俺しかいないけど。
こうして、第3次ゴキ大戦は終結を見た。
失ったものはあまりにも大きい(飲みかけのお茶とか)。
けれど、我々は戦い続けなければならない。
そう!人類の未来のために―――!!
はい、ということで皆さんこんにちは。
終わった後は夕立に遭ったサラリーマンのようになっていたineedadrinkです。
Tシャツ絞れるくらいあぶら汗かいてましたからね。窓を網戸にしているのにちっとも風を感じません。
尽きることなくあふれ出る汗。
今なら無尽蔵スポンジ(絞っても絞っても水がでるスポンジ。Gとかで販売中)が完全検め可、タネ一切なしで出来ます。
それにしてもまさか上から来るとは。ご飯の中に入らなくて本当に良かった。
あとありがとう鬼子。
皆さんも本当にお気をつけて!
さ、ということで、いつもならここからレビューをするところなんですが、予想外に前フリが長くなってしまったので明日にします。
ではでは、また明日!
Double your pleasure:3『Ultra Natural』
レクチャーノートを見る前に言っておくッ!
おれは今やつのテクニックをほんのちょっぴりだが体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『やつはおれの前でカードを一枚めくったと
思ったら二枚めくっていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
両面テープだとかラフアンドスムースだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
どうもみなさんこんにちは。
勝負パンツをはいていますが、結果はいつも不戦勝の男、ineedadrinkです。
不戦勝ですよ、不戦勝!
戦わずして勝つ。兵法の理想です。
しかも、苦労したわけじゃありません。知らず知らずのうちに対戦相手が逃げていきますからね!
まさに天賦の才。ナチュラル・ボーン・不戦勝です。
まあなぜか敗北感がぬぐえないんですが、あまり考えないことにします。
そうそう、今日東京では「梅雨から夏に変わる寸前」の空気でしたよ。
もう五月も終わりですな。
さあ、それでは「Double your pleasure」もいよいよラスト。『Ultra Natural』です。
最後にふさわしい、すばらしいテクニック。
まずは動画をご覧ください。百聞は一見にしかず。
http://www.rpaulwilson.com/images/UN%20Double.rm
す ご い で し ょ ?
人差し指一本。1つの究極がここにあります。
これでダブルリフトを疑えというほうが無理な話で、知らなければマジシャンでも引っかかります。
俺は完全に引っかかりました。
見たあとは口から勝手に「なぬう」って音が漏れ出してましたからね!!
難易度ですが、難しいです。最初は何度やってもできなくてイライラさせられます。
3日ぐらいあれこれやっていると、なんとなく形になって来ます。
難しいことは難しいのですが、うまくこなすコツがレクチャーされているので、後は感覚を掴むだけかと。
間違いなく習得する価値があるテクニックだと思います。
まあマスターしても「できたよ!」とは誰にもいえないのが辛いところですが。
難易度…★★★
効果 …テクニックのため記載せず
Double your pleasure:2『Pop-up double』
どうもみなさんこんにちは。
鬼子が好きなジャンルのマジックばかり選んで購入していたら、いつの間にか俺もそのジャンルを好きになっていました、ineedadrinkです。
今日は二つ目。『Pop-up double』です。
ポール氏本人は「フラリッシュ的な要素を持っている」と、本書の中で書いておりますが、
フラリッシュ(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァと読み進めると多少がっくりしてしまうかもしれません。
基本的には、昔テンヨーのマジックトランプで見た記憶のある、あのダブルリフトの変形です。ずいぶん洗練されたイメージになってますが。
他のダブルリフトと違うのはたった一箇所。
カ ー ド を 弾 き 飛 ば す こ と が で き る
という点です。
マニアであれば垂涎モノのこのテクニック。
覚えておいて損はありません。
また、習得もそこまで難しくはありません。とあることで、より簡単にできるように工夫されています。
まあその分、普通ならクリーンさを捨てることになるわけですが、さすがはポール・ウィルソン。
どうしても見落とすポイントにダーティーな部分をはめ込んでおります。
思わず「おお~っ」って声出しちゃいましたからね。
難易度…★★☆
効果 …テクニックのため記載せず