ブログネタ:4コマニア
参加中
4コマ漫画の原作を書いて生計を立てている男がいた。
その名をチロリン・ベーダソン。
要するに、ネタを考えてネームを書き、作画担当に送るのが仕事というわけだ。
ある日、彼は編集長からこう告げられた。
「ベーダソン君、君はクビだ」
「どうしてですか編集長!?」
「君に代わる人材を手に入れたのだ。紹介しよう。『4コマニアDX』先生だ」
編集長が指し示した方向には、SF映画に登場するような人形があった。
ロボットのように見えたが、よく見ると、社内で使われていた旧式のパソコンにダンボール箱の切れ端を貼り付けてそれっぽく見せているだけだった。
漫画家をモチーフにしたつもりなのか、ベレー帽を被っている。
「機械じゃないですか!!」
「そうだ、機械だ。君は『4コマニア』というサービスを知っているかね?」
「いえ、知りませんが」
「あらかじめ決められた画像に、セリフを当てて4コマ漫画を作成するWebサイトだ。
だが、セリフを入力しなくとも、『シャッフル』ボタンを押すことで自動的に漫画が作成される」
「それで?」
「そのシステムをパク……参考にして我が社の漫画原作用に改良したのがこの『4コマニアDX』先生だ。
これさえあればもうセリフは自動生成できる。原作者は要らん。作画担当さえいればいいのだからな!」
「ふざけるな!機械にいいアイディアが生み出せるわけがない!!」
「ふん、そうかな?試しに『4コマニア』で自動生成した作品を見るがいい!」
「まったくもって意味がわかりませんよ!」
「心配するな、私もだ。だがこの意味不明さが、これまでの漫画にはない『味』を生み出すのだよ。我々は他誌との差別化を図らねばならん」
「やってられるか!!」
その夜、ベーダソンは社屋に忍び込んだ。
もちろん、4コマニアDXを完膚なきまでに破壊し、職を取り戻す……いや、漫画界の秩序を取り戻すためである。
「ふん、機械め。テメーの敗因はたった一つ……」
カッコいい台詞を言い終わらないうちに銃声が鳴り響き、ベーダソンの胸から赤い飛沫がほとばしった。
「え……?」
状況を理解できないベーダソンの耳に、テープに録音された編集長の声が届いた。
「ベーダソン君。君が先生を破壊しにやってくることは予想していた。まったく残念だよ。
今君を撃ったのは、『4コマニアDX』先生と同時に配備された、『セキュリティマニアDX』だ。
ちなみにただの警備員代わりなので"先生"はつけない」
薄れゆく意識の中、ベーダソンは「編集長マニアDX」が開発されて、とっとと編集長が職を奪われるよう祈ったのだった。
4コマニアのブログネタに申し込んだはいいけれども、まったく面白い作品ができなかったので、
これ自体を話の一部に組み込んで逃げました。
これこそが「物語の外部化」と呼ばれる高等テクニックです。
そんないいもんか、というツッコミはご容赦を。
