196 倉琉ヨシーデの独り言


  〜タイムスリーパー不安定日記〜


   9月09日


  ◉ 山中湖(近くて見えぬは睫)


人生で一度だけ

馬に乗った事がある


《人生はじめての乗馬だ》


高校生の時に父親の車で

一緒に山中湖まで行った


《ドライブに誘われて行ったよ》


駐車場のちょうど前に

馬の乗り場があった


《けっこう目を引いた》


馬の名前はハナコという名前で

けっこう歳をとっていた


《ちょっと歳だから気が引けた》


馬に乗ろうかどうしようか

迷っていると父親が


「せっかくだから乗せてもらえ」


と乗る事を進めてくれた.


ハナコは夏には農耕馬として

畑で働かなければならなかった


《夏も冬も働いて偉いよ》


山中湖に年中来ている父親は

その辺も細かく説明してくれた.


おそるおそる

ハナコに乗らせてもらったヨシーデは

山林のコースを出発したが


ハナコは慣れているのか

ヨシーデが乗ったら

誰も手綱を引かないのに

すぐにGo!の合図で出発した


《覚えてて偉いなあ》


ちなみに

「慣れる」「馴れる」は 

どちらも


「たびたび経験して

 特別なもの(こと)と思わなくなる」


事のようだが

 

慣れる は 

状況や状態が道具に対して

違和感がなくなる事で


馴れる は 

人や動物に対して 警戒心を失くす

親しみを持つ事のようだ.


話をもとに戻そう.


山林コースは

とても気持ち良かったが


ハナコは高齢のようで

途中 コケそうになったが

無事 山林コースを1周した


《いつまでも働いてて偉いよ》


始めて馬に乗ったが

ヨシーデは自分では

馬にウマく乗れたと思っていた.


しかし馬に乗っている

写真を見せてもらったら

腰が引けて背中が丸まっていた


《カッコ悪い乗り方だったよ》


近くて見えぬは睫

(ちかくてみえぬはまつげ)


で 人は他人のことに

ついてはわかっても

自分自身のことについては

よくわからないものだというから

そうなんだなぁと思った.


そしてヨシーデは思った.


要するに

それ以来 馬には乗ってないが

いい経験をさせてもらった.


1回しかない乗馬を大切に している

楽しい想い出 でした.


〜つづく〜