192 倉琉ヨシーデの独り言


  〜タイムスリーパー不安定日記〜


   9月05日


   ◉ アルコール好き

        (痛む上に塩を塗る)


ヨシーデの父親は

酒を飲むのがすごく好きだった


《ヨシーデは

 あまり酒が得意ではなかったなあ》


家で飲む酒よりも

何処かの店で飲む酒の方が

とても好きだった


《店の雰囲気が好きだったんだなあ》


だから父親の酒での失敗は

数知れなかった.


一度は 誰かに送ってやると言われて

車に乗せられたが樹海で下ろされて

自分が何処に いるか分からずに

命からがら帰って来た事がある.


また 一度は酒を飲んでいる店で

喧嘩を はじめてしまい

相手が仲間を呼んで

車で家まで来た事がある.


とにかく父親が帰って来るまで

不安で しょうがなかった.


そんな酒好きの父親だから

歳でもないのに

倒れてしまい動けなく

なってしまった


《51歳の春だったよ》


でも一生懸命

リハビリをやったおかげで

少しは歩けるようになったが

それでもスナックに行きたくて 

ひとりで歩いて行った事もある


《倒れても酒を飲みたかったんだなあ》


痛む上に塩を塗る

(いたむうえにしおをぬる)


という

ことわざがあるが


酒をやめられなかったから

病気もよくならなかったと思う.


そしてヨシーデは思った.


要するに

ヨシーデは

倒れた事は親と一緒だと思ったが

アルコール好きは父親と一緒じゃなくて

よかったと思っている.


〜つづく〜