185 倉琉ヨシーデの独り言


  〜タイムスリーパー不安定日記〜


   8月29日


  ◉ パン屋

      (箸に当たり棒に当たり)


駅の近くの

大きなパン屋で

アルバイトをやった事がある.


最初は

バイトの人数が少なくて

辞めないでと言われていたが


だんだんバイトが

入って来て楽になってきた.


そのうちに

厨房をやるようになったが


厨房は厨房で

いそがしくて大変だった


《素人だから大変だったよ》


ある日 

厨房で仕事をしていると

店の中が騒がしくなった 


《厨房は少し離れていて

 関係ないと思っていた》


どうやら店で喧嘩が

始まったようだが

厨房にいてわからなかった


《なるべく関わらないようにしてた》


喧嘩がなぜ始まったか

聞いてみたら


「なに 見てんだ」


から始まったようだ


《ケンカはくだらないことから始まる》


すぐに警察に電話したが

警察が来るまで時間が かかる為


警察の電話は


「誰か仲裁する 男の人いないの?」


と言ってきた


《仲裁して 

 またケンカになるのやだけどなあ》


働いてる みんなの顔が

一斉に こっちを向いたのが わかった


《男なら 

 行けよという感じだったなあ》


ヨシーデは

巻き込まれたく

なかったので知らない顔をした.



何でヨシーデなんだ

と知らない顔をしたが


箸に当たり棒に当たり

(はしにあたりぼうにあたり)


のように

腹立ちまぎれに

無関係の人や物に

当たり散らした感じだった.


駅が近かったからなのか

喧嘩が絶えずあった


《そのたびに

 みんながこっちを見た》


喧嘩をした人が 

すぐ そのあとに

また来た事もあったが


なんか ふざけた感じで

すごくイヤだった.


やがてパン屋は楽しかったが

喧嘩が多くて やめた


《ケンカに嫌気がしてたよ》


ちなみに

傷害罪は


以前は親告罪で 

被害者の告訴がないと

事件にならなかったが


2017年の刑法改正で

親告罪ではなくなっている.


告訴されていなくても 

犯罪として処罰することが

可能になっているのだ.


話をもとに戻そう.


そしてヨシーデは思った.


要するに

ヨシーデは

拳法などで けっこう強かったものの

平和主義だった為

争い事は とてもイヤだった.


何処にいても

暮らしやすくなればいいのだが


《ケンカは嫌だよ》


〜つづく〜