【倉琉ヨシーデの独り言】


595  倉琉ヨシーデ不安定日記


    10月13日


   小説

  ◉ 「不倫の果てに」13


開口一番

まず お喋りな唯が忠志に質問した。


「あの〜すいません 

 なんて呼べばいいんですか。」


いいか悪いか分からないが

車に乗ってから 

すぐに唯は話しかけた。


「そうだねぇ。

 皆んなが呼んでるから

 課長で いいかなぁ。

 みんな そんな感じだよ。」


「じゃあ 皆さんと同じように

 課長って呼びますね。」


さっそく唯は上司を課長と呼んだ。


「課長 私は・・・」


と言って話はじめた。


勝手に自分の事や

いろんな事を話して

自己紹介を始めたのだった。


はじめから話をする人は 珍しい。


事実

あかりでさえ入った時 は

あまり喋らなかった。


車から降りて歩いていても

オドオドする感じはない。


ほんとに元気だった。


二軒目になったが

歩く速度が遅くなることはなかった。


ますます元気になっていく感じが

忠志には頼もしかった。


「小松さんは

 いつも元気いいねぇ。」


忠志は明るい唯を見ていたら

つい本音が出てしまった。


「そうですか。ありがとうございます。」


「でも落ち込むことも

   けっこう あります。」


〜つづく〜