24  倉琉ヨシーデの独り言

  〜タイムスリーパー不安定日記〜


   3月21日


 ◎      急行列車(切る手遅かれ)


実家に帰る為に急行列車に

ひとりで乗った


いくつか駅を過ぎて

 ある駅で三人が乗って来た


  《人が乗って来ると

   なんか緊張するなぁ》


おばあちゃんと母親と

子供だった気がする


ちなみに

急行列車(きゅうこうれっしゃ)とは 

普通列車に対し  一部の駅を通過して

主要駅にのみ停車し  

速達輸送を行なう列車のことをいう


もとに話を戻します

 

おばあちゃんは

ヨシーデの隣に乗って

残りの二人は後ろに乗った


椅子は二人乗りの回転式だった


おばあちゃんは

なにも言わずに 急に

ヨシーデが横に乗っているにも

関わらず回転させた


  《アレ なんで回転させるの》


必然的にヨシーデは後ろを向いて

後ろにいる二人と

向い合わせになった


ヨシーデは愛想笑いしか

できなかった


  《お見合いみたいに

      なってしまった》


せめて


「回してもいいですか」


ぐらい 聞いてもらっても

よかったのにと

思いながら ヨシーデは

何も言えなかった

 

  《小心者が分かってしまう》


切る手遅かれ

(きるておそかれ)


で 軽率に事を決行したり

決断を下したりせず

その前に十分に熟慮して欲しかった


向い合ったまま

終点まで乗っていった


  《どうにも出来なかった》


そしてヨシーデは思った


でも家族とふれあったから

 いいと言う事にしようか!


〜つづく〜