あるグループの中に新しい人が一人入っただけで、そのグループ内の雰囲気は変わる。
今日最後の空室にスウェーデンからの親子がやってきて、家の中は微妙な空気になった。新しい人が来ると、元いた人達のその人に対する態度が今までに見たことのない姿だったりして、この人ってそういう人だったっけ?と思うことがある。こうやって色々な国から人が集まってくるとそれぞれの国民性が出て、世界にこれだけ多くの国があって、色々な文化や習慣や考え方があったら、1つにまとまるのは難しいだろうなと実感する。
これから1ヶ月はこのメンバーで過ごすことになるので色々ありそうな気がするけれど、これまでの経験からしてあまり人のことに干渉せず、自分のことは全部自分でやるのが上手くいく秘訣だと思う。
またまたテイラーの話になってしまうのだが、先月新しく開発したテイラーは最悪だった。R先生がメジャーメントが良かったと言っていたので試しに行ってみたのだが、技術が最悪である。思えば採寸の時にニンニク臭いげっぷを顔に吹きかけられた時点で止めておくべきだったのだ。
ぼろぼろに縫われたドレスを縫い直してもらうためにもう一度行ったのだが、取りに来いと言われた日に行くと、お店の人には何のために私が縫い直しを頼んだのかが全然伝わっていなかった。人のドレスはくしゃくしゃに丸めて袋にいれるわ、縫ってある所をほどいて欲しいといった時には思いっきり生地をひっぱって引き裂くわ、びっくりした。(当たり前だけど、こういう時日本ではニッパーというものを使う。)ブカブカに出来てきたチューリダルを直して欲しいと言うと、この生地でチューリダルは無理なんだと平気で答える。だったらなぜ生地を渡したときにそれを言わないのか?いったいこのお店の常連客とはどんな人なのだろう。
テイラーなのに、生地を丁寧に扱わないというところがもう間違っていると思う。ここのテイラーはまっすぐに縫うだけのところも線がガタガタで、どう考えても初心者が縫っているとしか思えない。縫う前にちゃんとアイロンで折り目をつけていないのも一目で分かる。そういう細かいところまで気を使うかどうかで出来上がりは全然違ってくるのだ。この人達がどこでドレスの作り方を学んだのかは知らないが、知識がないのに知っているふりをして言い訳をするので、憐れにさえ思えてくるのだった。
私はお腹が空いていたこともあって、お店で怒りまくった。テクニックが良くないといくら言っても、この生地は厚いから仕方がないと反論して聞く耳を持たない。試しに薄いのを見せてもらっても真っ直ぐには縫えていなかったので指摘すると、これぐらい大した事ないと開き直る。技術のないお店にいくら直してもらっても、余計汚くなって戻ってくるのが関の山だ。こっちのテイラーは、他のお店で作ったものはなかなか直してくれなかったりするので、大切な物は日本に帰って自分で直す方が安全だ。自分で直す気もしない物はまとめて袋にしまっているのだが、もう袋がぱんぱんになってしまった。
これを機に、これからは今までで1番良かったテイラーにだけ頼むことにした。時間はかかるけれど、間違いがない。オーダーを取ってもらうまでに1時間も待ったこともある。
ここのお店は、出来たものを取りに行くと顔を見ただけでちゃんと私のものを出してきてくれる。他のお店はどこも、オーダー用紙にホッチキスで留めてある生地の切れ端を見ながら探すので、これはすごいことだと思う。こういうところがドレスの出来にも表れているんだろうな~。
(写真:たまに行く中華のチェーン店。味はインド式。お昼はブッフェスタイルなので、さっさと食べてさっさと帰ってこられるのがいい。)