オリッサに来て以来、体調が最悪だった。

昨日、夕食に連れて行ってもらったのだけど、そこで食べたのはビーフステーキ。私は以前ネパールでビーフを食べてひどい目にあったことがあったので、ビーフを食べようと言われたときにすぐに返事はできなかった。だけど、わざわざインドではめったに食べられないものを食べさせてくれようとして遠くのホテルへ連れて行っていただいたので、食べてみることにした。そして結果はネパールのときとまた同じ目にあうことになったのだった。

食事のあと家に帰って寝ようとしたのだけど、胃がパンパンに張ってなかなか寝付けなかった。体を横に向けられないほど苦しい。少し眠ったと思ってもすぐに胃の不快感で目が覚めてしまう。最初は食べ過ぎだと思ったのだが、朝までそうやって寝たり起きたりを繰り返し、何かおかしいと感じ始め胃薬を飲んだ。



 今日は最初映画の撮影の予定だったのだが、昨晩急遽予定が変更になってルーシーの撮影の日に変わっていた。私は一緒に行ってちょっと荷物持ちのようなことをしながら写真を撮って2~3時間で帰ろうと思っていた(そして上手くいけば夕方からMTのレッスンを受けようと思っていた)のだけど、車が向かっていたのはカタックというブバネシュワールから少し離れた町で、一人だけ先に帰ってくるのは無理そうだった。車の中でも、まるで胃の中に鉛を詰められたような感じがして吐きそうになる。ルーシーも風邪で体調が悪そうだった。私は今日が自分の撮影じゃなくて良かったと思ったけれど、ルーシーには大変だったと思う。


カタックに到着し、ルーシーがメイクをしている間にトイレで吐いた。胃が少し楽になったけど、横になっていたい気分だった。だけど、今日はルーシーのお手伝いをしようと思ってきたのに、そんなことは言っていられない。でも、撮影場所の家に移動してからまたトイレで吐いてしまい、結局はルーシーに心配をかけることになってしまった。

なんとか撮影が終わり、帰りの車の中でルーシーに膝枕をしてもらって少し眠った。カタック名物のお菓子を買おうと行くときに話していたのだけど、もうそれどころではなかった。目が覚めるとすぐ家の近くまで来ていて、家についてからはまた気絶するように眠った。


やはりヒンドゥーの国では牛は食べるものではないと、今度こそ心に決めた。インドに来てからほとんど肉類は食べていなかったので、久々の肉に胃が拒絶反応を起こしたのかもしれない。(ここでは鶏肉とヤギ肉しかないのだが、どちらも好んで食べようとは思わない)

せっかく胃の調子が良くなってきていたのに、いつになったらこの苦行は終わるのだろう。




(写真:左がこの映画のもう一人のヒーロー。ダルビッシュに似ていて、実物の方がもっとかっこよかった。真ん中がルーシーで、右が夫役。)