蛇の夢とシンボルマーク(アスクレピオスの杖とカドゥケウス) | インド・アラビア雑貨と民族衣装店ジジ!(へナ&ジャグアARTスクール主催)

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東京の神楽坂にて、インド・アラビア民族衣装と雑貨レンタル専門店+メヘンディ(ヘナ)アート/ジャグアタトゥのスクールを営む店主のブログ。衣装や雑貨は、CM、TV、映画、PV、雑誌などで実績多数。

おはようございます。

皆さんは、目覚めた時に、夢とか覚えていますか?

私は、かなり変わった夢を見るほうで、おきてから首をひねる事もしばしば。

例えば空からアナログに2本の紐が伸びてるブランコに座っていて、地上150メーター位?

から下界を見下ろしてるんですが、命綱もなんにもついてない、それはもう旧式のブランコで、

ほぼサーカスの空中ブランコ状態なので、風でゆれるたびに怖いのなんのって、「ひー」とか。笑

紐は、雲から伸びてて、先(出所)は見えない状態。^^; 

ここ最近では、2週間位前?に見た夢で、忘れられないのが、大蛇が大量に出てきた夢。

建物から外に出ようとしたら、目の前に巨大な大蛇がとぐろを巻いてこっちを見ていて「うおっ」と。

どうやってこの大蛇に絡まれずに外出できるか思案してる時に、ふと横を見たら、何とそこにも、

更に大量の、それこそ“てんこ盛りの大蛇”がうじゃうじゃいて、目を疑う光景が展開。
その大蛇たちは、皮というか、体がスケルトン(透明)だから、最初気がつかなかったんです。

よく見ると、なんかボディが、黄色か黄緑色の電飾?みたいな感じで光ってるのです。

「何このスケルトンの大蛇たち?内臓が光って見えてるんですけど?」^^;

ーっていう、全く意味不明の夢でした。

その蛇の大きさたるや、ニシキヘビより太くて大きくて、びっくりを通り過ぎました。

まーなんか、このころにゃん騒動で、自分も相当ストレス溜まってるんだろーなーと思いました。

大丈夫か私、、、、と。

でもまあ、蛇のシルエットって、デザイン的には美しいので、エジプトでは神様だったり、

(王家の守り神はコブラなんですよ?)日本でも、白蛇は縁起が良いとされていますよね。

ヨーロッパでは、知恵のシンボルとして、書店のマークに使われていたりしますが、

有名なのは、医療アラートのマークで、今話題の、WHO世界保健機構のマークもこれです。

「蛇と杖」のセットには意味があり、ルーツはギリシャ神話までさかのぼりますが、

神話に登場する医者アスクレピオスが、この“蛇が撒きついた杖”を持っていた、という話に由来し、

ヨーロッパでは非常に古くから、医療マークとして馴染みがあったので、現代でも医療アラートとして

広く使われているのだそうです。

この場合、蛇は「生と死」を司る意味を持っており、医者の持つ杖に撒きつくのに相応しいです。

(実際にはこの背景に六芒星を敷くと、また追加の意味が発生するのですがそれは又別の機会に。)

 

ちなみに二匹の蛇が絡みつくバージョンもあり、「カドゥケウス」と言います。

こっちは、杖に羽がくっついてくるのですが、これは実は、この杖を持っている人物ヘルメスが、

背中に羽が生えており、シンボルマークにする際に人物を省略して、杖と蛇と羽、にしたわけです。

で、このヘルメスの役割は、ギリシャ神話では、神々の使者、死の伝達者、伝令・伝達、だったので、

交通・旅行・商業のシンボルマーク、と解釈されて、現在に至るようです。

アメリカの軍関係機関では、現場の医療に、救急・緊急・搬送が求められることなどから、

このカドゥケウスのマークを、商業マークではなく、“医療マーク”として広く使っています。

(誤用だと指摘する声も一部ありますが)

「アスクレピオスの杖をもって、カドゥケウスを成せ」という言葉が、救急救命士の方の文章にありました。

日本では、あの聖路加(セント・ルカ)病院も、『カドゥケウス』を採用しているわけですね。
そして実は、『商業』いう意味で使っているのが、一ツ橋大学で、ロゴは「マーキュリー」と呼ばれています。

マーキュリーは英語で、ギリシャ神話のヘルメスの意味です。

このロゴは、明治時代に、一般の商業学校とは一線をかくす、“高等”商業学校に昇格した際に、

このロゴマークが考案されたそうです。これには、ベルギー出身(つまりヨーロッパね)の教師が関わっており、

ギリシャ神話のヘルメス=マーキュリー=商業と学術の神様、に由来したマークを作ったという事です。

つまり、日本人だけだったら、このロゴ・マークは誕生していませんでしたね。


このように、現代も使われているマークが、ギリシャ神話までさかのぼことも珍しくないわけですが、

由来を調べるのは本当にとても面白いです。

徽章学とか紋章学っていうのは、日本ではあまり注目されていませんが、現代でも、

特にヨーロッパでは盛んで、現代に受け継がれているので面白いから、それもうなずけます。

ただ、これらのシンボルマークが、神話由来なのには相当なオチがあるにはあって、

つまるところ、欧米は、文字の普及が非常に遅かった、というのが遠因です。

文盲の庶民へ、神話(=宗教)なりを普及させたかったから、絵柄(モチーフ)に意味づけをして、

いうなれば紙芝居的な普及のさせ方をしていたわけですね。

教会に絵が多いのは、庶民に文字が普及しておらず、絵で伝える必要があったからだと言われています。

日本でも戦国時代には、戦場で敵・味方の見分けをするのに、武士以外は文字が読めないわけで、

旗印(=紋章)があればわかりやすかったため、陣旗を作りまくって戦争したわけですからね。

ー百聞は一見にしかず!笑

蛇の夢の話が、現代にも生きる神話や紋章学の話に脱線してしまいましたが、

歴史オタクで美術が大好きなの私にとって、この手の話は大好物なのでした。^^

シンボルマークの誕生は、時代背景と切り離せず、歴史や宗教とも、こうして密接な関係をもち、

ひとつわかると、芋ヅル式につながっていくので、面白くてたまりません。

これをまた、アート施術に生かせたりするので、趣味と実益とは、このことです。爆!