猿神ハヌマーン(インド神話)と孫悟空(西遊記/中国)と。 | インド・アラビア雑貨と民族衣装店ジジ!(へナ&ジャグアARTスクール主催)

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東京の神楽坂にて、インド・アラビア民族衣装と雑貨レンタル専門店+メヘンディ(ヘナ)アート/ジャグアタトゥのスクールを営む店主のブログ。衣装や雑貨は、CM、TV、映画、PV、雑誌などで実績多数。

ヘナ(メヘンディ)の講座をやっていると、その勉強を深めるにつけ、生息地と文化背景の話から、世界地図と世界史が手離せないのですが、宗教も深く関わってきます。

私は宗教は嫌いですが、宗教が世界の文化と切り離せず、世界は地理的に物理的につながっており、宗教や文化がどう広がっていったか?という点については、地政学的にとても興味があります。ぶっちゃけ面白いです。
宗教は、ある日どっかの誰かから発生(スタート)して、世界中に広がっていくわけですが、同時期に発生しているわけではないし、スタート地点もまちまちなので、その広がり方によって、文化的な影響を受ける土地が、出たり出なかったり、伝言ゲーム的に変化して、新しい物語になっていったりしています。

今、インド神話と日本の仏教の神様を照らし合わせた本を読んでいるのですが、今更ながらに面白い。

宗教としての仏教には全然興味ありませんけど、アプローチが違うと俄然面白くなってきます。^^
インドの猿神ハヌマーンは、中国で微妙に変化して、孫悟空のモデルになったと言われてますが、それを裏付ける証拠のひとつに、孫悟空が空を飛べる理由があります。ハヌマーンの父神は、風神なので、ハヌマーンも空をとべます。孫悟空も空を飛びますが、モデルがハヌマーンなら当然のこと。
-で、日本には、『風神雷神絵図』(俵屋宗達作)という有名な絵がありますが、あの、“風神”が、インド神話のハヌマーン=中国の孫悟空?のお父さん神です。


-因みにハヌマーンの描かれ方も、伝播の途中で様々に変化。特にタイが秀逸!
独創的で華やかなのです、タイのハヌマーンって。
で、日本は明治時代に描かれた孫悟空の絵が、凄くシンプルで、ほぼ、お猿さん。笑

宗教は嫌いなんだけど、インドの神話はまたちょっと別で、インドの神様というのは、便宜上人格化されただけで、元は、自然の力を崇拝するアーリヤ人の自然崇拝からきています。

すなわち、天・地・火・風・雷・川・雨・などを神として崇拝する多神教です。
のぼる朝日や滝に向かってお祈りしてたってやつですね。

このアーリヤ人の自然崇拝の伝承を集約し、聖典にしたものを、『ヴェーダ』といい、ヴェーダとは、誰かが創ったものでは無い、はじめも終わりも無い世界=宇宙の真理、ともいうそうです。
宇宙は誰がつくり、人類は誰が作ったか、宇宙には限りがあるのか?ブラックホールって何だ?という、科学者が好きそうなネタが、哲学的にばっさりと表すと(ヴェーダによると)宇宙には創めも終わりも無く、それは又人間についても同じことがいえると。

宇宙をあらわすブラフマンと、人格をあらわすアートマンは、究極的には一緒、という考えです。

ここから宗教っぽくなりますが、つまり肉体は滅びても魂(アートマン)は不滅というところに理論がたどりつきますかね。

古代インドでは、神とは、自然であり、それらの自然現象が擬人化され神話として記述されていった書物(ヴェーダ)を最高とする宗教が、バラモン教とのことです。

インドの神様が日本に渡り、お名前を変えて日本の神様となっている現状を考えると、インドと日本の非常に深い関わりを感じますね。
<その例>

ラクシュミー→吉祥天女

サラスバティー→弁財天女

ブラフマー→梵天

インドラ→雷神

アグニ→風神(これがハヌマーンの父)

スーリヤ→太陽神=天照大神(あまてらすおおみかみ=天皇家の先祖?)

チャンドラ→月神=月読尊(つくよみのみこと)

 

ということですね。インドから日本に渡り、すごい帰化してる。神様が。笑

 

というわけで、自然崇拝が宗教だと言うなら、私もこの宗教が好きです。

なので、私って、まさかのバラモン教徒(=神道?)なのか??一人で自動的に??

 

えええええええええええええええええええええええ

 

まーでも、災害の多い国で、人間は自然にかなわない、だから謙虚にならなくては、という考え方が好きですよ。

インドで自然を神格化したのは、擬人化した方がわかりやすいからなんだって、どっかで読みました。

つまり、あくまでも、その姿は“例え”ということ。人間は神にはならないの。

人間は、人間であり、以上でも以下でも無い。だから、教祖とか、神の子とか、預言者とか、それってつまり、人間が神にすりかわろうとしてる、悪質な商法だと思うのですわ。

神の代理とか言っちゃだめよ。自然と人間は、全然違うじゃん。

というわけで、折りしも、昨日のニュースに、銀河系に更なるブラックホール発見とか、ベルーに地上絵が100個以上発見とか、面白いニュースがとびかっていましたが!
この答えは永遠に出ないか、ヴェーダを信じて、宇宙とは始まりも終わりも無い永遠の存在、と納得するか、ってところですかねー。

“物事には、始まりと終わりがある”、と長年たたきこまれてきた頭には、今更そうは思えない、きつい一発ですが。
ちゃんちゃん