オーディオ・ホームシアター展2015(音展) | オーディオの楽しみ

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オーディオ・ホームシアター展(音展)に行ってきた。
インターナショナルオーディオショウが海外のオーディオ・ブランドが中心であるのに対し、こちらは国内のオーディオ・メーカーが中心だ。モノづくりの現場を見せてもらうようなところがあり、売るためであるのと同時に、モノづくりへのフィードバックの役割も持っているように思う。
インシュレーター、ヘッドフォンから高価なステレオ・システムまで色とりどり、メーカーの規模も大・中・小と幅広いが、どのブースからもいい音を目指してのモノづくりへの情熱のようなものを感じた。
内容的な特徴としては、比較的にネットワーク系が充実していることが挙げられるだろうか。
もう一つの特徴として、映像系(液晶テレビなど)が入っていることも挙げられる。

ソニー、Technicsといった大手は、ネットを志向して新たな提案を行っているが、PCレスの方向に向かっていることがはっきりと窺えた。Technicsのネット対応システム・コンポは、はっきりと女性がターゲットであることが実感される音作りで、ゆったりとした時間を過ごすために、食堂兼居間あたりに合いそうだ。
アンプ、スピーカーの聴き比べも面白かった。ヤマハやパイオニアのアンプを、デノンのCD/SACDプレーヤー、フォステクスのスピーカー、ヤマハの調音パネルで聴いた音は、品が良くて開放的、どれも思わず聴き入った。20万円クラスの製品でも、音はずいぶん明るくて良くなっていると思う。
超高級システムでは、ダイヤソウルのスピーカー。ウーハー用のパワーアンプが内蔵で、ペアで1000万円。ライブ音源を聴いたが、ピュアでクリーンな音、ライブ会場が彷彿とされるような見通しのいいリアルな音場感が忘れられない。

映像関係では、何と言っても実用化間近いHDR(High Dynamic Range)に熱気を感じた。画質に与えるインパクトは、補間が効く高精細化より大きいという人もいる。HDRはデジタル映像の最大の弱点であった、輝度ダイナミック・レンジの不足(要は、白飛びと暗部つぶれ)にメスが入ったものだ。これにより画像には、一層の陰影感、奥行感が加わっていた。
ネット・オーディオと映像とを並べるのもいい機会だと思った。テレビは大きくなっているのと同時に、小さくなっている。若い人の映像関係の関心は、圧倒的にスマホ/タブレットが中心だ。4Kとこれらの相性は抜群だから、次の技術革新は、このあたりの新しくて楽しい使い方から生まれてくるかもしれない。

テレビの地上波などがネットや光ファイバーなどを通じて4K規格で見られるようになり、劣位規格であるインターレスがなくなって、スマホから大画面テレビまでスケーラブルな高品位動画環境が実現し、一方では、イヤホンからスピーカーに至るまでTIDALなどで豊富な非圧縮音源が横断的に提供されるようになれば、私たちのAV環境、さらには生活空間はずいぶん上質でリッチなものになるだろう。