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先日神奈川県小田原市にある「江之浦測候所」に行ってきました。
江之浦測候所とは相模湾に面した山の斜面に現代美術家、杉本博司氏の美意識から創り出されたランドスケープです。
JRで小田原駅から二つ目の根府川駅で下車。可愛らしい駅舎の無人駅。
根府川駅は海と山に囲まれた絶景駅。
駅から送迎バスに乗って江之浦測候所へ。駐車場から見た風景。
この場所は元々ミカンなど柑橘類を栽培していたが後継者不足で耕作放棄されていた土地だそうです。
測候所参道入口。
江の浦測候所の正門である「明月門」が見えてきた。
「明月門」は鎌倉にあるお寺「明月院」の正門として室町時代に建てられたが、関東大震災で半壊。その後門は現サッポロ、アサヒビールの前身、「大日本麦酒」の創業者の邸宅正門として再建されました。
しかし第二次世界大戦の米軍の爆撃によって邸宅が被災するもこの門だけ焼け残り後に根津美術館の正門として使用され美術館建て替え時に寄贈され江の浦測候所正門として再建されました。
「夏至光遥拝100メートルギャラリー」。海抜100m地点に100mのギャラリーを建築した100mにこだわり建てたギャラリー。
ここは夏至の日の出の方向に向かって造られた建物で、この中には杉本氏の作品「海景」の数々が展示されていて、端には実際に海が眺める事ができる展望スペースがあります。
「冬至光遥拝隧道」。海へと突き出すように建てられた冬至の日の出の方向を向くトンネルのような無機質な建物。
この石はオブジェではなくこれより先には立ち入らないでという印。
「光学硝子舞台」と「古代ローマ円形劇場写し観客席」。
支えているのは京都清水寺の舞台と同じ檜の懸造りで釘を1本も使わずに組まれています。
「円形石舞台」。放射線状に擦り合わせてある石は廃線した路面電車「京都市電」の軌道に敷かれていた石を使用。
鉄の宝塔。
石造の鳥居と茶室。
現存する日本最古の春日造りの社殿で国宝に指定されている「円成寺 春日堂」を忠実に再現した「柑橘山 春日社」。実際に奈良の春日大社より御霊を迎えた正式な神社です。
実際に今もミカンが栽培されています。
昭和30年代に建てられた蜜柑農家の道具小屋を改修した造られた「化石窟」。農作業道具のほか、杉本氏がコレクションしたアンモナイトや三葉虫など化石の数々を展示しています。
建物の横の斜面には巨大なクスノキの大木。圧倒的な存在感。
「被爆宝塔塔身」。広島原爆投下時に爆心地近くにあった石造宝塔の塔身部分。屋根の部分は熱線と放射線によって瞬時に破砕されたと思われます。原爆の破壊力と戦争の恐ろしさが静かに響く。
「出湯仏」。新潟県の五十公野山を横断する峠道の造成工事中に出土した鎌倉時代の石仏群の一部。