”日大アメフト問題を考える② ~指導者のコミュニケーション” | 学校を変えよう 〜幸せな生き方の見つけ方〜

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こんにちは。

昨晩、内田前監督と井上コーチが会見を開きましたね。

残念ながら。

うまくはいきませんでしたが。

 

 

 

日大としても、もう黙ってはいられないということで行ったのでしょう。

語られたことは、宮川選手の話と完全に食い違う内容でした。

おそらく、日大アメフト部のことを知らない一般の人からすれば、支離滅裂で、伝わらない内容だったでしょう。

 

ここで「伝わらない内容」というのが、大事なところです。

 

これが、今回の事件の発端なのです。

 

日本人は「空気を読む」という文化の中で育ちました。

相手の意図をくみ取る、阿吽の呼吸、暗黙の了解。

こういうのが好きですよね。日本人って。

 

奇しくも、「暗黙の了解」という言葉は、内田前監督の会見の中にもありましたが、

このアメフト部の中には、この「暗黙の了解」があるわけです。

 

その中に、「相手QBを1プレー目からつぶせ」→「最初から思いっきりいけ」

という意味だったという、傍の人間には全く伝わらない言葉を出てきました。

 

おそらく、このアメフト部の中では、本当にそういう意味でも使われてきたのでしょう。

 

ちょっと話は逸れますが、内田前監督と比較される篠竹元監督ですが、

彼も、熱血的な指導者ということで、いろいろ逸話が残っています。

彼は、ルールを守ることは当たり前だとし、反則をした選手には何度も練習をさせたという話が出ましたが、

これ、内実、反則を取られないように、もっと「うまくやりなさい」という意味だそうです。

そうできるようになるまで、何回も何回も練習をするのだそうです。

 

これも、アメフト部の中にある、「暗黙の了解」なわけです。

 

私は、篠竹さんという方をよく知りませんが、カリスマであることは間違いなく、

厳しさだけではない指導があったといいます。

50年もの間、日大フェニックスを率いて、27回も優勝へと導いてきたわけですから、

その実力は誰もが認めることでしょう。

 

しかし、その「暗黙の了解」は、言葉に表さずとも部内に脈々と受け継がれてきたのです。

 

日大アメフト部は、闘志を剥き出しにして、野獣のように相手にぶつかっていくという

チームスタイルです。また、そういう選手が好まれる風潮もあります。

「相手をつぶす」という言葉には、それらの思いが様々な入り交じり、相手チームの喉元に食ってかかり

勝ちをもぎ取るぞというような、鼓舞する意味が含まれていたと思います。

 

さらに、期待を寄せる選手であればあるほど、追い込んで、その中に眠る闘志を表に出させ、

チームの起爆剤にするというやり方もやってきたのだと思います。

 

このような、内情を見てくると、昨日の会見の中身が「全く伝わらない」 内容だったことに

合点がいくのです。

こんな、半世紀以上にわたって、作ってきた伝統を、昨日今日アメフトを知った人間が聞いたって、

その意味を理解することはできません。

 

言葉で伝えるという指導ではなく、その思いを、気持ちを、勢いを、もうなんだかわからないオーラを

伝えるみたいな感じでしょう。

 

たまに、こういう先生いますよね。何言ってんだかわからないけど、なんか怒ってるとか、

なんか伝えたいんだろうな~、というふうに顔を真っ赤にして叫んでいる人。

 

それを、常日頃、ずーーーーーーーとやってきたんでしょうね。この部活は。

 

ただ、今回の件に戻すと、これは「指導者によるコミュニケーション不足」では片付きません。

人が一人、大けがをし、ある有望な選手の人生を狂わせてしまったのですから。

 

ある頃から、就職活動で「コミュニケーション能力」が取り上げられて、学生がこぞって

コミュニケーションを磨くようになってきました。

 

コミュニケーションの大前提は、

 

 

「相手に伝わる」

 

 

ということです。

これは、どの場面でもそうですが、相手にどのように伝わったかが全てといっても過言ではありません。

 

今回のお二人の会見を見ていると、そのコミュニケーション能力は全然だめだと言わざるを得ません。

 

そして、それは、一般の私たちに伝わらないならまだしも、選手にする伝えられないのであれば、

指導者として失格です。

 

私は、教員時代、このことを身に染みて経験しました。

相手はまだ、10歳にも満たない子供たち。

どの言葉を言えば、どのトーンで言えば、話すスピードは、態度は、表情は・・・。

また、この子には、この方法、このケースはこの手法と、試行錯誤を繰り返し、いろいろなことを試してきました。

 

先ほどの、顔を真っ赤にして・・・ってのも、タイミングが合えば効果的に働きます。

間違えると、児童がさーっと引いていく感覚がわかります。

 

指導者は、「相手に伝える」という大前提を忘れてはいけません。

 

監督、コーチ陣は、伝統という得体のしれないものに乗っかって、このことを忘れてしまったのでしょう。

目先の勝利、栄光、そういったものしか見えなくなり、目の前にいる選手が見えていなかったのでしょうね。

 

 

 

長くなったので、いったん終了!!!