日大アメフト問題を考える①  ~なぜ、この問題は起こったのか? | 学校を変えよう 〜幸せな生き方の見つけ方〜

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こんにちは。

お久しぶりです。

 

しばらく、長崎に旅行に行っていました。

その話を今度書こうと思っています。

 

が、今回は「日大アメフト悪質タックル問題」についてコメントします。

 

 

私がこの内容を知ったのは、先々週の木曜日くらい。(11日)

YouTubeに、この悪質タックルの動画が載っているのを主人が見つけて見せてくれました。

主人のお父さんは、元アメフト選手で、主人もやってはいないものの、アメフトに詳しいです。

(ちなみに、私はラグビーとアメフトの違いを瞬時に判断できないレベルです。)

 

そんな主人がこの動画を見て、

「まずいよ~、やばいよ~、これ~。。。」

と言っていました。

 

あまりアメフトを知らない私がこんなこと言うのは何ですが、

主人の話だと、「タックル」というルール上問題のない行動を使って、「相手をつぶす」ことが

よくあるスポーツなのだそうです。

そして、「違反すれすれ」をして、相手にけがを負わせることが「作戦」としてしばしば行われるスポーツなのだそうです。

 

ただ、今回の動画によくでる1回目の違反プレーは、すれすれというよりはあきらかに笛のあとで、

しかも相手QBが、背を向けているその背中に向かってのタックルで、通常はあり得ないそうです。

ここでいう、「あり得ない」というのは、「もっとうまくやれ」という意味だそうです。

 

野球に例えるなら、フォアボールで1塁に行く選手に、キャッチャーが後ろから背中に向けてボールを投げるようなもの。

 

今はどうか知りませんが、昭和のアメフトでは、このようなことは日常だし、各大学がこうしてプレーをしていたそうです。

特に、日大VS関学大は、伝統の一戦で、六大学野球でいえば早慶戦、プロ野球なら巨人対阪神みたいな関係。

日大が関学との試合に闘志を燃やすのは、いわば当たり前なのでしょう。

 

という前置きを踏まえて、

この問題が起こった当初は、日大アメフト部の問題だったのです。

もっといえば、「この選手のタックル」という問題で話は終わるはずだったのです。

おそらく、内田前監督もその程度にしか考えていなかったと思います。

だって、今までも「普通にやってきたこと」だったから。

 

ところが、読み誤ったのは、今の時代の2つの要素。

ネットによる動画拡散と現代の「ハラスメント」への風当たり。

 

会見の中で、内田前監督が、試合後選手たちに

「俺が指示した。」という旨の発言をしているが、おそらく、これは、全国民向けの発言ではなかったのでしょう。

せいぜい、相手チーム、もしくはアメフトにちょっと詳しい人へのコメントで、

これが、全国に波及するなどとは、夢にも思っていなかったでしょうね。

 

そして、もう一つ。

この問題を大きくしたのは、内田前監督以下、コーチ陣が

この宮川選手の聡明さを見誤っていたということでしょう。

 

先ほど、違反タックルについて「もっとうまくやれ」という話をしましたが、

きっと、もっと「うまくできる人」もいるでしょう。

実際にそのようなことは今まで何年も行われてきたのでしょうから。

で、なければ、彼が退場したときに、労いのタッチは行われません。

あれは、傍から見ても「よくやった」という意味のタッチにしか見えません。

 

彼の会見から感じるのは、彼が、とてもまじめで、純粋で、聡い青年だということです。

そんな青年に、この「作戦」をさせた指導者の責任は大きい。

もちろん、ほかの選手ならいいのかということではありませんが、

伝統的に、このようなことをすることが常習がしていた環境の中、

彼の「闘志」を引き出す呼び水として、今回一連の「追い込み」があったことは明白です。

 

宮川選手は、きっと本当にアメフトが大好きだったのでしょう。

日本代表に選ばれるくらいいですし、彼のタックルそのものはとても素晴らしいです。

体格にも恵まれています。

高校で始めたアメフトにのめりこみ、本当に夢中になってやってきたのだと思います。

 

そんなアメフトに、高校の時の監督に、そして、大学に彼は裏切られたのです。

その心中如何ばかりかと計り知れません。

 

伝統というのは時に、人の心を鼓舞しますが、苦しめることもあります。

おそらく、日大アメフト部という伝統ある部活に所属する人々は、それぞれの立場でその重圧と

戦ってきたのでしょう。

でも、誰かが勇気をもって、その重圧と戦う方法を考えていたら、

時代に合わせて、「作戦」に変えることを進言していたら、

このようなことは起こらなかったのではないかと思います。

 

そう考えると、20歳の青年にその役を押し付けた、日大アメフト部は、そのツケを払わなければいけません。

 

現在、中学・高校での部活問題が取り沙汰されていますが、指導者はこのことから学ぶべきことが

たくさんあると思います。

部活動の在り方にも波紋を呼ぶでしょう。

 

 

次回は、事が大きくなってからの「日本大学」の対応についてコメントします。

この内田前監督が大きく関わっていますが、これは、教育界を揺るがす大きな問題になります。

これ、全然有名でない大学であれば、確実につぶれるパターンです。

 

日大、やばいよ。