物語は、ショパンのお葬式に人々が押し寄せる場面から始まる。
そこから時間は遡り、
ショパンとドラクロワの親交や、
サンド夫人とその子どもたちの話がメインに描かれている。
ショパンの人生なんて全然知らなかったけど、サンド夫人という愛人がいたのねぇ
っていう、ゴシップ的な面白さもありました。
っていう、ゴシップ的な面白さもありました。馴染みのないカタカナの人名や地名がたくさん出てくるので、読みやすくはないんですけど、
細かいことは気にしないで読んでしまえば、割とサクサク読めると思います。
(筆者的には不本意な読み方かもしれませんが…)
ドラクロワやショパンの苦悩を通して、同じ芸術を生み出すものとしての筆者の苦悩が透けて見えた。
そうなると、登場人物の口を借りた一人芝居を見ているように感じられて、
これはこの平野啓一郎を読むときに共通して感じることだなぁと、思いました。
作者個人の思考回路からは全く逸脱している人物を主観的に描くというのは、読者が想像する以上に難しいことなのかもしれない。
