悪女について

★★★☆☆

ある女性起業家が遂げた不審な死を取材するという形式で、

その女性1人について27人が語る話が羅列されている。

一見バラバラの話のような話が少しずつ絡み合い

最終的にぼんやりと、死の真相や、その女性像が見えてくる。

「悪女」について様々な人が語るのだけど、

悪女その人が一人称となって語る箇所が一つもないのですよ。

だから、読んだ人の数だけ「悪女」の数があり

輪郭はぼやけるとしか言いようがない。

読んだとき、一番最初に浮かんだのは

宮部みゆきの「理由」。あれに近いと思う。

手法としては確かに面白いし、話のプロットもうまいですが

やっぱり2冊目だとおなかいっぱいかな(笑)。