強面の不妊カウンセラー梅安こと西條信義です。
本日はPCO(多嚢胞性卵巣)、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の違いについてブログを書きます。
通常の月経周期
脳下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌されて左右の卵巣でいくつかの卵胞(卵子を包んでいる細胞)を育てます。
育ってきた卵胞からはエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されて、子宮内膜を厚くしたり頸管粘液を分泌して妊娠の準備を始めます。
左右どちらかの卵巣で大きくなった主席卵胞が20ミリ程度まで大きくなると、脳下垂体からLH(黄体化ホルモン)が一気に放出され排卵が起きます。
その後受精卵が子宮内膜に着床せず、子宮内膜が剥がれ落ちると月経が始まります。
一般的に個人差もありますがだいたい28日サイクルで繰り返されます。
PCOS多嚢胞性卵巣症候群
月経周期が長く、いつ排卵するかよくわからない。
昔から不順だった・・・
基礎体温表をつけてみて初めてPCOSの疑いに気が付くケースも多いです。
黄体化ホルモンLHが増える影響などで卵胞の皮膜や副腎からの男性ホルモンが成長を抑制してしまうので、卵胞が10ミリ以上にならないのです。
しかも画像診断では粒ぞろいの9~5ミリの卵胞が真珠のネックレスのように並んで見えます。
この状態を「ネックレスサイン」といいます。
成熟しきれないので、主席卵胞ができず排卵が起きにくです。
月経周期も長くなり不順になったり無月経になったり。
血液検査をすることで、ホルモンバランスの乱れが判明します。
通常は卵胞期初期ではFSHもLHも数値は一桁代でFSH>LHの関係です。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)もPCO(多嚢胞性卵巣)の方もは、LH>FSHの逆転現象が多くみられます。
他にも、高アンドロゲン血症やインスリン抵抗性がある場合など複雑な状態です。
PCOS多嚢胞性卵巣症候群の診断基準
日本産婦人科学会生殖・内分泌委員会は多嚢胞性卵巣症候群の診断基準を定め
1.月経異常の症状
2.卵巣に多数の小さな卵胞が確認される
3.血液中の男性ホルモンまたは黄体化ホルモンの値が高い
この3条件を満たす状態としました。
病院での治療
排卵の頻度にもよりますが、定期的に黄体ホルモンや経口避妊薬(ピル)を服用して人工的に子宮内膜を厚くして出血を起こし(生理とはいいません)子宮内膜を剥がすという「薬物療法」が行われます。
高インスリン血症にはメトフォルミン、漢方薬は芍薬甘草湯が処方されることもあります。
妊娠を希望する方には
まず、ファーストステップとしてクロミッド(クロミフェン)を使います。
ある一定期間、服用してもなかなか排卵が見られない場合は、レーザーや電気メスで内視鏡を使った手術を行う場合もあります。
卵巣を覆う白膜が厚く、排卵しづらい方に有効な治療法といわれております。
PCOS(polycystic ovary syndrome) 多嚢胞性卵巣症候群とsyndromeの「S」がつかないPCO多嚢胞性卵巣の違いは、厳密には多嚢胞性卵巣症候群は無月経、多毛、肥満、卵巣の腫大など複雑な病態が絡みPCO多嚢胞性卵巣より重症と考えられています。
卵胞の発育が抑制されるPCOSもPCOも原因は不明。
何らかの内分泌学的異常によって卵胞発育が抑制されます。
そのため、成熟しきれない多数の小卵胞(9~5ミリ)が存在します。
発育を停止した小卵胞は液体が入った嚢胞状態なので、多嚢胞性卵巣といいます。
超音波検査でも多数の嚢胞がみられます。
子宮は他の腹腔内臓器と同様に腹膜で覆われています。
卵巣は、構造的に腹膜とは異なりますが、腹膜に連続している上皮によっておおわれています。
さらにその下に「白膜」が存在します。
しかし、PCOS多嚢胞性卵巣の方の多くはコラーゲン線維の沈着によって白膜(卵巣の皮)が肥厚して硬化してしまいます。
厚くなって硬くなるので、尚更排卵しにくいということです。
腹腔鏡や内視鏡でみると牡蠣の殻のように「厚く」みられるようです。
参考文献:病気がみえる 婦人科・乳腺外科 MEDICMEDIA社
漢方の考えかた
多嚢胞性卵巣は、オ血(おけつ)と痰湿によるものと考えます。
硬さはオ血によるもの、膿疱は「湿・痰」と漢方ではシンプルな考え方です。
程度にもよりますが、基本はオ血に対して活血薬、痰湿に対して化痰薬と両方使います。
冠元顆粒、シベリア霊芝、温胆湯、爽月宝、桂枝茯苓丸、水快宝、疎経活血湯などなど。
ほとんど排卵していなく、長期化している方や30歳を超える方には体質に合わせて、補血薬、理気薬、補腎薬・・・と周期に合わせて漢方を飲み分けます。
多嚢胞性卵巣では約20~30%の人に基礎体温の変動が大きく、胸の張りを訴える高プロラクチン血症を伴うケースも多いので炒麦芽や逍遥丸を併用すると良い結果につながるようです
食養生で改善
PCOS や生理不順の改善などに役立つことで、ここ最近話題の成分が「グリスリン」です。
グリスリンのサプリを買って、せっせと飲むことも有効ですが身近な食材にもたっぷり含まれております。
グリスリンはキノコの舞茸(まいたけ)から抽出されますので、毎日食べればしっかり摂れます。
舞茸といえば、地元新潟で有名な「雪国まいたけ」
スーパーでもよくみかけます。
白い舞茸もラインナップ
私たちが口にする舞茸(まいたけ)は、人工栽培によるものがほとんどですが松茸と同じくらい野生のものは貴重です。昔は「幻のきのこ」と呼ばれていたようです。
悪玉コレステロールを抑制する成分や野菜より多く含まれるビタミンB2は血行促進、皮膚や髪の老化予防にとても良いです。
胃腸障害にも有効なナイアシン、女性にうれしい鉄も豊富に含まれます
舞茸(まいたけ)に含まれるグリスリンには血糖値や血圧、中性脂肪、体重管理などにもプラスの効果があることがわかり、幅広い分野での活用が期待されています。
サプリメントで成分だけ補うよりは、丸ごと食べて植物の生命をいただきましょう
可愛い赤ちゃんをアナタに!
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