第3話~台北
スッチーと夢の中であんなことやこんなことをしてるうちに俺たちは台北に着いた。
空港に着いたはいいが辺りを見回しても漢字ばっかりで「外国感」がない!
ちなみにその漢字は全然読めたもんじゃない!
二人してグデングデンになりながらデリー行きの飛行機を待った。
喫茶店らしきところでジュースを買おうとした安藤。
「ねぇ清水君、ここって円使えるのかなぁ?」
「しらねぇよ!使えんじゃねぇの!?」
「ちょっと聞いてみてよ!」
「あ・・・え、うん・・・」
先生は意地悪だ。
「てかどうやって聞けばいいんだよ!!」
「キャナイユーズイェン?で通じるんじゃない?」
(じゃない?ってなんだよ!この野郎)
「分かりました先生!自分頑張ります!」
店員がびくびくしてる俺に気付いた。
俺「へいへいおねーちゃん!!キャンアイ・・ゆ、ユー
店員「OK!OK!」
まだなんも言ってねぇだろーが!!
「イェンイェン!!使えんのか!?」
「YES!」
ほら!
俺だってやればできるのさ。
高校時代に英語の授業サボって屋上で寝てた甲斐があったわ。
やがて飛行機が到着、俺たちは台北を出てデリーへ向かった。
やはりビジネスクラス最高!!
スッチー!!
スッチー!!
アイムスッチー!!
飛行機の中でテンションが上がり始めた俺。
一定の緊張を超えるとテンションが上がるもんだ。
その一定が俺の場合やたらと低い。
ここぞとばかりに英語の勉強を始めた。
日本で買った「ひとこと英会話BOOK」を開く。
ふむふむ・・・
ホントにこんな言い方で通じるんだろうか・・・
「安藤??・・・ねぇ?安藤!?」
「・・・ん?ちょ・・・ちょっとしんどいわ俺・・・」
(いきなり具合悪くなる安藤先生)
はぁ!!??
なんだそれ!!??
先生いなくなったら俺どうないしたらええねん!!
スッチーに口説かれたらどないしたらええねん!!
チャンスを逃したら責任とってくれるんかい!!
おい安藤!!
頼むしっかりしてくれ安藤!!
「いや・・・マジ・寝かせて・・・」
けっ!!
分かったよ。
俺にだってアメリカ育ちのプライドがある!
思いっきり日本だろって思ったあなた。
俺は正真正銘のアメリカ育ちニダ!
ちくしょう!!
こーなったら一人で生き抜いてやるわい!!
「へいへいスッチー!!オレンジジュース!!」
「ハイ。オレンジジュースデスネ。」
ほらみろ。
俺だって英語くらい喋れるんだって!!
一生そこで寝てればいいさ!!
・・・あれ。
スッチーが食事のメニューらしきもの持って来たけどなぁ・・・
なんか言ってるけど・・・
安藤先生!!
起きてくださいよ!!(泣)
・・・・・。
もういいや。
俺も寝る!!
腹減ったんだけどなぁ・・・
空港に着いたはいいが辺りを見回しても漢字ばっかりで「外国感」がない!
ちなみにその漢字は全然読めたもんじゃない!
二人してグデングデンになりながらデリー行きの飛行機を待った。
喫茶店らしきところでジュースを買おうとした安藤。
「ねぇ清水君、ここって円使えるのかなぁ?」
「しらねぇよ!使えんじゃねぇの!?」
「ちょっと聞いてみてよ!」
「あ・・・え、うん・・・」
先生は意地悪だ。
「てかどうやって聞けばいいんだよ!!」
「キャナイユーズイェン?で通じるんじゃない?」
(じゃない?ってなんだよ!この野郎)
「分かりました先生!自分頑張ります!」
店員がびくびくしてる俺に気付いた。
俺「へいへいおねーちゃん!!キャンアイ・・ゆ、ユー
店員「OK!OK!」
まだなんも言ってねぇだろーが!!
「イェンイェン!!使えんのか!?」
「YES!」
ほら!
俺だってやればできるのさ。
高校時代に英語の授業サボって屋上で寝てた甲斐があったわ。
やがて飛行機が到着、俺たちは台北を出てデリーへ向かった。
やはりビジネスクラス最高!!
スッチー!!
スッチー!!
アイムスッチー!!
飛行機の中でテンションが上がり始めた俺。
一定の緊張を超えるとテンションが上がるもんだ。
その一定が俺の場合やたらと低い。
ここぞとばかりに英語の勉強を始めた。
日本で買った「ひとこと英会話BOOK」を開く。
ふむふむ・・・
ホントにこんな言い方で通じるんだろうか・・・
「安藤??・・・ねぇ?安藤!?」
「・・・ん?ちょ・・・ちょっとしんどいわ俺・・・」
(いきなり具合悪くなる安藤先生)
はぁ!!??
なんだそれ!!??
先生いなくなったら俺どうないしたらええねん!!
スッチーに口説かれたらどないしたらええねん!!
チャンスを逃したら責任とってくれるんかい!!
おい安藤!!
頼むしっかりしてくれ安藤!!
「いや・・・マジ・寝かせて・・・」
けっ!!
分かったよ。
俺にだってアメリカ育ちのプライドがある!
思いっきり日本だろって思ったあなた。
俺は正真正銘のアメリカ育ちニダ!
ちくしょう!!
こーなったら一人で生き抜いてやるわい!!
「へいへいスッチー!!オレンジジュース!!」
「ハイ。オレンジジュースデスネ。」
ほらみろ。
俺だって英語くらい喋れるんだって!!
一生そこで寝てればいいさ!!
・・・あれ。
スッチーが食事のメニューらしきもの持って来たけどなぁ・・・
なんか言ってるけど・・・
安藤先生!!
起きてくださいよ!!(泣)
・・・・・。
もういいや。
俺も寝る!!
腹減ったんだけどなぁ・・・
第2話~成田から台北
「遠足の前日気分」ってこのことだな。
寝れない!!
興奮して寝れない!!
安藤んちじゃオナニーできないから寝れない!!
朝飯食って安藤の婆ちゃんの家の仏壇に線香をあげに行った。
ところが、ろうそくに火を付けようとしても全然付かない!!
「俺次で付かなかったらインド行くのやめるわ・・・」
と、安藤。
なんとか線香をあげていざ出発!
安藤のママが「新都心駅」まで送ってくれて、そこからバスに乗っていざ成田へ。
俺は一人興奮していたが、隣の安藤先生は普段どうり・・・。
さすが先生だけある。
俺も平静を装っていたが、きっと鼻の穴がいつもより30%くらいでかくなっていたに違いない。
バスは成田に着き、俺たちは15kgのバックパックを背負った。
普通に重い・・・。
とりあえず出発までの時間最後の(本当に最後になるかもしれない)「日本料理」を
食べることにした。
そして俺は母と約束した「保険」とやらに入ることにしたが、どこも高いからやめようかと思った。
結局「死亡」だけの保険に入って自分で勝手に納得した。
そう。
俺たちは「ビジネスクラス」なのだ!
普段ライブとかで地方に行くときはもちろん「エコノミー」だし。
人生で初の「ビジネスクラス」だ。
まぁちょっとばかし「リッチ」な気分にしてくれんだろうな!!
なんて思いながら搭乗手続きを済ませた。
変なチケットもらって「ラウンジ」(待合室)を案内された。
ぬわぁんじゃこりゃ!!
超VIP!!
ビールにワインにジュース、おつまみにおにぎりサンドイッチ、セクシーなパツ金美女・・・
飲み放題食べ放題やり放題!!
いや・・・パツ金美女はいなかったかもしんねぇ。
そして周りを見渡せば「ジェントルマン」(たぶん)ばかり。
シャメとか撮りまくる俺(ただのアホ)
やっぱりそこでも先生は違った・・・。
落ち着き払ってた・・・。
「おお。すごいね。」
俺は今すぐにでもロンダードからバック転してひねりも入れたい気分だったね。
まぁ出来ないからやらなかったんだけど。
この時はさすがに唄えもしない「RAP」が唄いたくなったね。
飛行機が登場!!
俺たちは搭乗!!
覚めやらぬ緊張!!
そこに愛情!!
セイホ~♪
・・・んなこたない。
シートでかっ!!
つーかスチュワーデスのおっぱいでかっ!!
しかもスリットとか入っててたまらんわい!!
いやぁおなか一杯ですわ!!
さっきおにぎり食ったし。
まじ「エアチャイナライン」お勧め。
スリットフェチにはたまらないですよ。
まぁ俺は別にスリットフェチでもなんでもないからどうでもよかったんだけど。
俺たちはまず「台北」に向かった。
台北で乗り換えてそこからインドの首都「デリー」に行くのだ。
台北まで約4時間、TVにゲーム映画にAV・・・
いや、AVはなかった気がする・・・。
多分俺が見ていたスチュワーデスのいる風景がAVのワンシーンに見えただけだろう。
飯はなかなかうまいような・・・よく分からん味だった。
多分俺みたいな人間には理解できない味なんだと思う。
「エコノミー症候群」になっちゃうサッカー選手の「高原」とかにしか理解できない味なんだろうな。
てか俺も安藤もこの時点ですでに具合が悪い!!
実は10日のワンマンライブ当日、俺は38度の熱があってそれからよくなってなかった。
安藤も俺のが移って風邪気味だった。
とにかくAVも見ずに寝ることにしたのだ。
寝れない!!
興奮して寝れない!!
安藤んちじゃオナニーできないから寝れない!!
朝飯食って安藤の婆ちゃんの家の仏壇に線香をあげに行った。
ところが、ろうそくに火を付けようとしても全然付かない!!
「俺次で付かなかったらインド行くのやめるわ・・・」
と、安藤。
なんとか線香をあげていざ出発!
安藤のママが「新都心駅」まで送ってくれて、そこからバスに乗っていざ成田へ。
俺は一人興奮していたが、隣の安藤先生は普段どうり・・・。
さすが先生だけある。
俺も平静を装っていたが、きっと鼻の穴がいつもより30%くらいでかくなっていたに違いない。
バスは成田に着き、俺たちは15kgのバックパックを背負った。
普通に重い・・・。
とりあえず出発までの時間最後の(本当に最後になるかもしれない)「日本料理」を
食べることにした。
そして俺は母と約束した「保険」とやらに入ることにしたが、どこも高いからやめようかと思った。
結局「死亡」だけの保険に入って自分で勝手に納得した。
そう。
俺たちは「ビジネスクラス」なのだ!
普段ライブとかで地方に行くときはもちろん「エコノミー」だし。
人生で初の「ビジネスクラス」だ。
まぁちょっとばかし「リッチ」な気分にしてくれんだろうな!!
なんて思いながら搭乗手続きを済ませた。
変なチケットもらって「ラウンジ」(待合室)を案内された。
ぬわぁんじゃこりゃ!!
超VIP!!
ビールにワインにジュース、おつまみにおにぎりサンドイッチ、セクシーなパツ金美女・・・
飲み放題食べ放題やり放題!!
いや・・・パツ金美女はいなかったかもしんねぇ。
そして周りを見渡せば「ジェントルマン」(たぶん)ばかり。
シャメとか撮りまくる俺(ただのアホ)
やっぱりそこでも先生は違った・・・。
落ち着き払ってた・・・。
「おお。すごいね。」
俺は今すぐにでもロンダードからバック転してひねりも入れたい気分だったね。
まぁ出来ないからやらなかったんだけど。
この時はさすがに唄えもしない「RAP」が唄いたくなったね。
飛行機が登場!!
俺たちは搭乗!!
覚めやらぬ緊張!!
そこに愛情!!
セイホ~♪
・・・んなこたない。
シートでかっ!!
つーかスチュワーデスのおっぱいでかっ!!
しかもスリットとか入っててたまらんわい!!
いやぁおなか一杯ですわ!!
さっきおにぎり食ったし。
まじ「エアチャイナライン」お勧め。
スリットフェチにはたまらないですよ。
まぁ俺は別にスリットフェチでもなんでもないからどうでもよかったんだけど。
俺たちはまず「台北」に向かった。
台北で乗り換えてそこからインドの首都「デリー」に行くのだ。
台北まで約4時間、TVにゲーム映画にAV・・・
いや、AVはなかった気がする・・・。
多分俺が見ていたスチュワーデスのいる風景がAVのワンシーンに見えただけだろう。
飯はなかなかうまいような・・・よく分からん味だった。
多分俺みたいな人間には理解できない味なんだと思う。
「エコノミー症候群」になっちゃうサッカー選手の「高原」とかにしか理解できない味なんだろうな。
てか俺も安藤もこの時点ですでに具合が悪い!!
実は10日のワンマンライブ当日、俺は38度の熱があってそれからよくなってなかった。
安藤も俺のが移って風邪気味だった。
とにかくAVも見ずに寝ることにしたのだ。
第1話~安藤!行くぞ!!
12月10日高田馬場で初のワンマンライブを終えた。
この日みんなに突然インドに行く!と発表したんだけど。
特に反応はなかった!!
まぁ俺が「インド行く!」とか、想定範囲内ですもんね!!
けっ!!
航空券は12月14日初の1月25日着(一番安い5万円のチケットで45日fix)
あの日インドへ行くことを決めた時、そのことを何人かの友達が知っていた。
その中の一人「安藤」が「俺も行くよ~」と軽いノリで一緒に行くことになっていた。
「安藤」とは俺のひとつ下の高校時代からの友達でとてもとても仲が良い。
簡単に言えば「ホモだち」である。
ごめん、簡単に言い過ぎた!
ホモではないがいろんな青春を共にしてきた仲である。
彼は自称「OP」(訳:親パワー)だが、ただ単にニートではなく外で遊ぶのが好きなニートだ。
高校時代遊びすぎて留年した安藤、大学に進んで海外へよく行くようになった。
一年前にはオーストラリアへ一年間の留学、もちろん英語はペラペラで、普段も片言の日本語を話す彼。
今思えば海外に行く前から日本語がおかしかった気がする・・・
安藤と初めて接点を持ったのは中学の時のこと・・・
校庭で遊んでた安藤、部活を始めようとしてた俺。
「おい!部活始めるから帰れよ!」
「うるせー!!」
・・・ありえない。
先輩に向かってそんな口を利く奴は俺だけだと思ってたぜ!
「・・・お前ちょっと来い。」
男子便所に連れて行き説教を始める俺。
そして右手の拳を握り締めたその時。
「何やってんだよ清水~」
と、苦笑いをしながら当時の担任が便所に入ってくる。
「いやぁなんでもないっす!!ただぶっとば・・・いやなんでもないっす!」
それが俺と安藤の初対面だった(らしい・・・)
それから何年か経って、スケボーが流行った時期があった。
「安藤って奴がスケボーやってるらしいよ!」って友達に聞かされ誘ってみたのが安藤だった(当たり前だ)
それからサーフィンを始めたりバイクを始めたり気付けばいつも安藤が一緒にいた(確か・・・)
とにかく存在感の薄い男だった。
ある日友達何人かでバイクで走ってたとき(何台か原付ニケツ)おまわりさんに追いかけられた。
追いかけられたというか待ち伏せされてた。
道路に止まるパトカーの横に長い棒を持って構えるおまわりさん。
俺が先頭だった。
「止まれ~!!」
と棒を振りかざすおまわりさん。
「はいはい!止まりますよ!止まればいいんでしょ!」
と言いながらスピードを緩めた瞬間スピードを上げ逃走。
後ろからみんなも逃走(一人棒でひっぱたかれながらも逃走)
そして普通の原付に乗ってた安藤におまわりさんが一言
「君!前の人たち危ないから気をつけなさい!」
友達だよ!!
他人じゃねぇよ!!
まぁそんくらい存在感の薄い男だった安藤。
だがしかし、一緒に遊んでるうちに「浦和の狂犬」と呼ばれるほど無意味にキレる男に変貌したのだ。
インドに行って狂犬病の野良犬に立ち向かえるのはこの男しかいないだろう。
喋れる英語と言えば「ファックユー」くらいの俺が決めたインドの旅に一緒に来てくれるという安藤。
いや!
安藤先生!!
ありがとうございます!!
一言だけ言わせてください!!
俺より目立つなよ。
そんなわけで俺はパスポートを取り(安藤に聞きながら)
ビザを取り(安藤に聞きながら)
航空券を取った(安藤先生に聞きながら)
航空券はEチケットというネット販売のチケットで、全てメールで済むという画期的な航空券だ(今じゃ普通なのかも知れないが)
チケットがメールで届いた。
「先日安藤様のお母様から連絡がありビジネスクラスに変更させていただきました」
・・・!??
・・・!!!?????
意味分からん!!
意味分からんぞ~!!
とりあえず分からないことがあったら安藤先生に電話だ。
聞くと安藤先生の母ちゃんがプレゼントしてくれたらしいではないか!!
ぶっちゃけインド行きにかなり緊張していて、かなり気張ってた俺には嬉しくないプレゼントだった。
俺は安藤の母ちゃんと飯食いに行ったりする仲良しだからいろいろ話したが、安藤の母ちゃんも悪気があってプレゼントしてくれたわけじゃないし、もちろんありがたくいただいた。
そして前日安藤の家に泊まると安藤の母ちゃんは俺に封筒を差し出した。
「これ餞別だから何かあったら使ってね」
中を見ると現金が大量に・・・
「いやもらえねぇ!!これはもらえねぇ!!」
「ダメ!何かあったとき使えばいいから!」
「いやもらえねぇ!」
「ダメ!!・・・・・
(繰り返し)
居酒屋の会計でもめるサラリーマンのような会話をして結局「お守り」として持って帰ってくるということでありがたく預かった。
俺の親方も餞別と言って金くれたし・・・
友達も現金やらタバコやらコンドームやら・・・
ほんと人に恵まれてるな俺・・・
インド行くのやめちゃおっかな!!
あ、そうだ。
唯一何もくれなかった人がいる。
「みはる」 (俺の母ちゃん)
あ、そんなことはねぇ!
この体をくれたのは母親だ。
ありがたいじゃないか!
インドでは何があるかわからないけど、こんなに丈夫な体をいただいて本当に感謝だぜ!
そんな母親から暖かいメールが届いた。
「保険入ってよね!!」
・・・。
はいはい。
インドに行く5日前から水のような下痢をしていた俺。
どうやら胃腸だけ先にインドに行ってしまったようだ。
胃腸を追いかけるかの様に俺たちはインドへ向かうのだった・・・
![$ガンジス川で潜水](https://stat.ameba.jp/user_images/20091021/22/india-diary/af/cd/j/t02200180_0352028810282994643.jpg?caw=800)
この日みんなに突然インドに行く!と発表したんだけど。
特に反応はなかった!!
まぁ俺が「インド行く!」とか、想定範囲内ですもんね!!
けっ!!
航空券は12月14日初の1月25日着(一番安い5万円のチケットで45日fix)
あの日インドへ行くことを決めた時、そのことを何人かの友達が知っていた。
その中の一人「安藤」が「俺も行くよ~」と軽いノリで一緒に行くことになっていた。
「安藤」とは俺のひとつ下の高校時代からの友達でとてもとても仲が良い。
簡単に言えば「ホモだち」である。
ごめん、簡単に言い過ぎた!
ホモではないがいろんな青春を共にしてきた仲である。
彼は自称「OP」(訳:親パワー)だが、ただ単にニートではなく外で遊ぶのが好きなニートだ。
高校時代遊びすぎて留年した安藤、大学に進んで海外へよく行くようになった。
一年前にはオーストラリアへ一年間の留学、もちろん英語はペラペラで、普段も片言の日本語を話す彼。
今思えば海外に行く前から日本語がおかしかった気がする・・・
安藤と初めて接点を持ったのは中学の時のこと・・・
校庭で遊んでた安藤、部活を始めようとしてた俺。
「おい!部活始めるから帰れよ!」
「うるせー!!」
・・・ありえない。
先輩に向かってそんな口を利く奴は俺だけだと思ってたぜ!
「・・・お前ちょっと来い。」
男子便所に連れて行き説教を始める俺。
そして右手の拳を握り締めたその時。
「何やってんだよ清水~」
と、苦笑いをしながら当時の担任が便所に入ってくる。
「いやぁなんでもないっす!!ただぶっとば・・・いやなんでもないっす!」
それが俺と安藤の初対面だった(らしい・・・)
それから何年か経って、スケボーが流行った時期があった。
「安藤って奴がスケボーやってるらしいよ!」って友達に聞かされ誘ってみたのが安藤だった(当たり前だ)
それからサーフィンを始めたりバイクを始めたり気付けばいつも安藤が一緒にいた(確か・・・)
とにかく存在感の薄い男だった。
ある日友達何人かでバイクで走ってたとき(何台か原付ニケツ)おまわりさんに追いかけられた。
追いかけられたというか待ち伏せされてた。
道路に止まるパトカーの横に長い棒を持って構えるおまわりさん。
俺が先頭だった。
「止まれ~!!」
と棒を振りかざすおまわりさん。
「はいはい!止まりますよ!止まればいいんでしょ!」
と言いながらスピードを緩めた瞬間スピードを上げ逃走。
後ろからみんなも逃走(一人棒でひっぱたかれながらも逃走)
そして普通の原付に乗ってた安藤におまわりさんが一言
「君!前の人たち危ないから気をつけなさい!」
友達だよ!!
他人じゃねぇよ!!
まぁそんくらい存在感の薄い男だった安藤。
だがしかし、一緒に遊んでるうちに「浦和の狂犬」と呼ばれるほど無意味にキレる男に変貌したのだ。
インドに行って狂犬病の野良犬に立ち向かえるのはこの男しかいないだろう。
喋れる英語と言えば「ファックユー」くらいの俺が決めたインドの旅に一緒に来てくれるという安藤。
いや!
安藤先生!!
ありがとうございます!!
一言だけ言わせてください!!
俺より目立つなよ。
そんなわけで俺はパスポートを取り(安藤に聞きながら)
ビザを取り(安藤に聞きながら)
航空券を取った(安藤先生に聞きながら)
航空券はEチケットというネット販売のチケットで、全てメールで済むという画期的な航空券だ(今じゃ普通なのかも知れないが)
チケットがメールで届いた。
「先日安藤様のお母様から連絡がありビジネスクラスに変更させていただきました」
・・・!??
・・・!!!?????
意味分からん!!
意味分からんぞ~!!
とりあえず分からないことがあったら安藤先生に電話だ。
聞くと安藤先生の母ちゃんがプレゼントしてくれたらしいではないか!!
ぶっちゃけインド行きにかなり緊張していて、かなり気張ってた俺には嬉しくないプレゼントだった。
俺は安藤の母ちゃんと飯食いに行ったりする仲良しだからいろいろ話したが、安藤の母ちゃんも悪気があってプレゼントしてくれたわけじゃないし、もちろんありがたくいただいた。
そして前日安藤の家に泊まると安藤の母ちゃんは俺に封筒を差し出した。
「これ餞別だから何かあったら使ってね」
中を見ると現金が大量に・・・
「いやもらえねぇ!!これはもらえねぇ!!」
「ダメ!何かあったとき使えばいいから!」
「いやもらえねぇ!」
「ダメ!!・・・・・
(繰り返し)
居酒屋の会計でもめるサラリーマンのような会話をして結局「お守り」として持って帰ってくるということでありがたく預かった。
俺の親方も餞別と言って金くれたし・・・
友達も現金やらタバコやらコンドームやら・・・
ほんと人に恵まれてるな俺・・・
インド行くのやめちゃおっかな!!
あ、そうだ。
唯一何もくれなかった人がいる。
「みはる」 (俺の母ちゃん)
あ、そんなことはねぇ!
この体をくれたのは母親だ。
ありがたいじゃないか!
インドでは何があるかわからないけど、こんなに丈夫な体をいただいて本当に感謝だぜ!
そんな母親から暖かいメールが届いた。
「保険入ってよね!!」
・・・。
はいはい。
インドに行く5日前から水のような下痢をしていた俺。
どうやら胃腸だけ先にインドに行ってしまったようだ。
胃腸を追いかけるかの様に俺たちはインドへ向かうのだった・・・
![$ガンジス川で潜水](https://stat.ameba.jp/user_images/20091021/22/india-diary/af/cd/j/t02200180_0352028810282994643.jpg?caw=800)