ダークヒストリー 図説イギリス王室史

¥4,725
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「ダークヒストリー 図説イギリス王室史」
ブレンダ・ラルフ・ルイス・著/高尾菜つこ・樺山紘一・訳
原書房・出版
『だって生身の人間なんだもん』
いとやんごとなき際の王室の人々。
きれいに着飾り、民衆に理想を説きますが、その裏では、、、
という主旨の一冊。
ノルマン・コンクェストあたりから
歴史上イギリス王室の裏側に潜む事件を描いた本です。
大体、犯罪も統計上、半分ぐらいが親族が犯人だというし、
身分が高い方々は、その生まれの順や、血の濃さでもらえるもの、
権力までも違ってきます。嫉妬ねたみ、恨み辛みがあって当然です。
(風の谷のナウシカで、クシャナ殿下も、待たないんで?問うクロトワに
所詮血塗られた道だと、言っていましたが、まさにそのとおり)
歴史の授業や年表で語られているのが、表側だとすれば、まさに、裏の歴史です。
歴史の語られない面というか、トリビアみたいな感じで、
読めば面白いかなぁと思って読んだのですが、
これが、読み物として面白い。
まぁ、週刊誌のゴシップ欄だと思えば、解ってもらえるでしょうか、、。
いつもきれいに取り澄ましている、王室の人々が、裏では、
こんなことをやっていたなんてという面白さです。
まぁ、中世、近世あたりまでは、この王室の裏側イコール表側の権力闘争だったわけで、
まさに、殺し合いの歴史です。
王室と政治権力が離れてやっと、誰が好き誰が嫌いあたりのまぁ穏やかなゴシップネタに
なります。
すべて、事実かというと、ちょっと怪しいところもあるし
(しかし、本書内では、その多くをきっぱり断言している)
当事者からの反論は一切なしです。
印象的だったのは、シェイクスピア劇にもなっている
リチャード3世。
(この方も、実は、確認はされていないが、お芝居でおもしろおかしくされている)
ヘンリー8世が暴君だったのは、知っていたけど、なにもこんなに
離婚を重ねるのは、ともかく、こんなに元奥さんを殺さなくてもいいでしょう。
それに、この近い時代でブーリン家の姉妹これは、映画の原作があり
二作目まで出たんだけど、かなり読みたくなりました。
穏やかになった時代からは、愛する女性と結婚する王位継承権を
手放したエドワード8世、あたりでしょうか。
まぁ、当事者からの反論はあると思いますが、
噂話っておもしろいよね、、てことで読み物としては、成立しています。
ちなみに、本書、どんな構想で出版されているのか、皆目わかりませんが、
著者は、それぞれ別で、ダークヒストリーシリーズとして、
二巻目が、欧州の王室全般。三巻目が、ローマ皇帝。
四巻目が、ローマ教皇となっています。
ウメップ

¥2,100
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「ウメップ」
梅佳代・撮影
リトルモア・出版
『日常のおもしろいものを集めるの上手』
出ました、街の庶民派カメラマン、梅佳代。
(結構本人は、天然系)
「じいちゃんさま」に続く、最新写真集です。
テーマというか、主旨は、デビュー作「うめめ」に使い感じ、
いや、ほぼ同じ、コンセプト。
街を歩く、梅佳代が出会った、おもしろいものを
パッチリ写真に収めております。
よく、インタビューでも、おもしろいことが、あなたの周りでは
起こるんですね、と言われるそうですが、
本人曰く、普通に歩いているだけだとか、
やっぱり、撮影者の切り取り方なんですかね、、。
「じいちゃんさま」の記事へ
「うめめ」の記事へ
楚漢名臣列伝

¥1,700
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「楚漢名臣列伝」
宮城谷昌光・著
文藝春秋・出版
『短期間の乱世に名臣をみつける難しさを知る』
中国初の全土統一国家、秦王朝の後、
漢帝国の礎となった、楚漢戦争。
この辺は、司馬さんの「項羽と劉邦」を読み
かなり知識があるので、
興味を持ち読んでみました。
序文にある、この時代、楚漢の二国に集約されるべきでない
という宮城谷さんの歴史観に最初しびれました。
こうだと思っていた、歴史的世界に新たに広がりが生まれるとき、
歴史好きさんは、萌えます。
が、、楚漢以外でとりあがられているのは、斉の田横の一族のみ、、。
ちょっと興ざめでした。
逆に、まっすぐに生きた人(一族)として印象には残りましたが。
というか、常に歴史的英雄に至高の人物像を求める宮城谷さん。
この乱世の時代を書くのは、多少無理があったか、、。
度量の広さ、器としての大きさとして(ある意味三国志の劉備の原型)
知られる劉邦と、戦の天才、"我多々ますます便ず"や、国士無双の韓信に対して
ボロクソなんですよ、、。敵方についたり、裏切ったりということが、
今一つすんなり受け入れられない宮城谷さんなのです。
歴史的建築物を破壊したり、大量虐殺を感情にまかせて
やってしまう項羽はどうなるんだと、言いたいところですが、
あんまり宮城谷さん触れていません。
その中でも、劉邦のブレーンだった張良、内政の天才、蕭何あたりは、
ぎりぎり宮城谷史観にあわせて至高を求める人として描かれています。
やはり、劉邦サイドの漢のほうが、名臣かどうか議論があるにせよ、
人材が多いですね。
また、歴史の分岐点だった、鴻門の会も何度も再度を変えて描かれていて
面白かったです。
なんでもありの乱世、戦場(いくさば)での価値観があまり宮城谷さんに
あわないということが、わかり、
違う意味で、歴史好きとして読んでいて楽しかったです。
本書、春秋時代あたりからシリーズで出ているのですが、
宮城谷さんの歴史観に合う合わないにかかわらず書いてほしいです。
「新三河物語」の記事へ
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侵略!イカ娘

¥420
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「侵略!イカ娘」
安部真弘・著
秋田書店・出版
『おもしろいじゃなイカ?』
私、マンガでも、マイナーな方ばかり行ってしまうので
本書、アニメから入りました。
これ、おもしろいじゃなイカ!!。
アニメ化されるぐらい、超有名作品なので説明は省きますが、
基本的構造は、私たちの日常に
海からやってきたなぞの生命体、イカ娘が、騒動を巻き起こす形式。
その意味では、少年コミックの王道中王道。
イカ娘によって、私たちの平凡な日常が実は、素晴らしいものだと、
改めて再確認されるという形は、「よつばと」なんかに
近い感じがします。
イカ娘が、可愛いキャラだというあたりも、似ている。
どこか、尊大なわりに打たれ弱く、
(ハルヒ)変に攻撃的なところ、
また、可愛いキャラのアイコンでありながら、自分のことは、
あんまり把握していなかったりとキャラとしても可愛いです。
キャラ造詣がサイコーです。
アニメからコミックに入るなんて、メディア戦略に
丸々乗っちゃったわけですが、
まぁ、いいか。
ミステリーの書き方

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「ミステリーの書き方」
日本推理作家協会・著
幻冬舎・出版
『作家はこれだけ、努力している!』
すごい面白かったので超特急で読めました。
元々、幻冬舎の雑誌で連載されていたそうです。
ざっくり言うと、早川から出た、「ヒーローの作り方」の日本人作家版。
有名推理小説作家たちが、各々の得意分野について
書き方のコツといいますか、こうやって実力をつけて、
こうやって書いているんだよと 教えてくれます。
はっきり言って、作家の皆様、ネタばらしといいますか、
手の内あかしすぎ!!。
同業者や、これから競争相手になる人(作家修行の方)
に対してこんなにばらしちゃっていいのかと
こっちが、心配したくなるぐらいです。
「ヒーローの作り方」と同じ、完全な楽屋落ちで
似たような、楽しみ方ができるのですが、
キャラクター造詣に特化した「ヒーローの作り方」に比べて、
本書は、作品そのもの、作家になるためみたいな、視点でも書かれていまして、
内容が多岐にわたっています。
それと、書いている内容も、各人の得意分野でして、
(時々、なぜこの人が、これをというのもありましたが)
宮部みゆきさんは、プロット。柴田よしきさんは、人物描写、、。
五十嵐貴久さんは、クラシックについて(過去の名作が、
いかに最近の作品に応用できるか)などなど、、、。
本書、帯で大沢さんが、"誇りに思う"と書いているんですが、
まさにそのとおりでして、ある意味"楽屋落ち"や、
ミステリー作家になるためのハウツー本というより、
作家の皆さんの努力の結晶そのものが、ぎっしり書き込まれているのです。
みんな俺の真似できないから、俺は、作家として喰えているだ、
と宣言しているかのようです。
読んだ一番の感想は、"マジ、すげーっ!"です。
作家を目指している方だけでなく、
ミステリを一度でも読んだことのある人は、十分に楽しめる作品だと思います。
このミステリーがすごい! 2011年版

¥500
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ちょっと遅くなりましたが、「このミステリーがすごい! 2011年版」
が売り出されました。
一位国内は、
「悪の教典」 上 貴志 祐介
こっちは、まぁ、予想の範囲ですが、
で、海外は、マジでノーマークでした、
「愛おしい骨」キャロル・オコンネル (著), 務台 夏子 (翻訳)
ジョン・ハートかなぁなんて思っていたのですが、、、。
ちなみに、本作は、マロリー・シリーズではありません。
オコンネルは、マロリー・シリーズ一作しか読んでないのですが、
けっこう、天然系の作家というか、
あんまりウェルプロデュースなタイプじゃないので、
けっこう好みが分かれる作家だと思う。
私自身も、癖が強いなぁ、と思ったのを記憶しています。
追跡する数学者

¥900
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「追跡する数学者」
デイヴィッド・ベイジョー・著/鈴木恵・訳
新潮社・出版/新潮文庫
『知的エンタ&失踪もの』
主人公のフィリップは、数学者。
かつての恋人アーマは、フィリップに351冊の本を残して
失踪します。
本と彼女との記憶を手がかりにアーマを追跡するフィリップ。
本と知的好奇心をかきたてる数学をミックスさせ、
失踪ものとしてミステリの要素を付け加えたような作品。
プロットからは入念に作りこまれた、知的ミステリみたいなのを
予想していましたが、なんとなくこの作りこまれた感も今ひとつ。
351冊の本が贈られたのに、主に出てくるのは、二冊(だったけ)だったし、
失踪ものとしてのミステリ的要素でどうにか、
読み続けられますが、ラストに一応サプライズがあるもののミステリと呼ぶには
ちと弱いです。
同じ、恋人失踪ものとしてゴダードの「蒼穹のかなたへ」などが、
ありますが、はるかに「蒼穹のかなたへ」のほうが、上。
たびたび描かれる濃厚なセックスシーンもこの手の作品には、
どこか合致していないような、、。
愚痴いっぱいになりましたね、、全体として今ひとつでした。
ファー・アウトと宇宙から見た日本
- ファー・アウト―銀河系から130億光年のかなたへ/マイケル ベンソン
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- 宇宙から見た日本―地球観測衛星の魅力/新井田 秀一
- ¥1,050
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最近、理工系の本読めていないんだけど、
理工系のところで、平積みになっていた写真集。
「ファー・アウト」のマイケル・ベンソンはですね、
雑誌「本の雑誌」でも、一時取り上げられていた「ビヨンド」の人ですね。
「ビヨンド」も、超絶写真集だったんだけど、(ついでに、価格も超絶)
本書「ファー・アウト」もすごい。
どんどん扱う世界が、遠くなっています。
よく言われることだけだけど、宇宙というか、お星様の世界って
夜しか見えない。、(ww2中のパイロットは、目視がすべてだったので、
昼でも星が見えたそうです)
大気中のチリや、水蒸気なんかで、光がさえぎられていて
あんまり星が見えない状態なのです。
が、宇宙は、私たちが、思っているよりはるかに明るくて、光に満ちている。
この写真集を見るとそれが、よくわかる。
宇宙はブラックホールはあるかもしれないが、決して、真っ暗闇なんかじゃない。
SFでは宇宙開発や、進出って宗教だといわれるけど、
宇宙に踏み出すことにちょっと希望がもてます。
「宇宙から見た日本」も面白い写真集で、
第一印象は、伊能忠敬じゃないけど、高いところからみても地図とおんなじだ。
でした。
日本って狭い国土とかって言われるけど、山が多いですね、、。
山の稜線、尾根のつながりとか、よくわかります。
峠とか、地理的区切り、地球の一部、地球物理としての日本が
視覚的に実感できる写真集で面白いと思います。
ヒーローの作り方 ミステリ作家21人が明かす人気キャラクター誕生秘話
- ヒーローの作り方―ミステリ作家21人が明かす人気キャラクター誕生秘話/著者不明
- ¥2,835
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「ヒーローの作り方 ミステリ作家21人が明かす人気キャラクター誕生秘話」
オットー・ペンズラー・編/コリン・デクスターその他・著/ 小林宏明・訳
早川書房・出版
『海外ミステリ作家の作品の書き方』
超有名どころの、海外ミステリ作家たちが、
どんな風にキャラクターを造形し、作品を執筆しているか、
作家本人たちが書いた、エッセイ集です。
というか、元々、この本、編集者のオットー・ペンズラーが営む、
本屋さんのお客さん用に配布されるために作られた本(というか、冊子)だそうで
企画力といい実行力といいすごいです。
(でも、この方、編集者、アンソロジストとして有名な人で
一市井の本屋さん店主ではありません)
ラインナップは、若干日本ではそれほど有名でない人もいますが、
一流どころでして
( 一応、紹介しておきますと
ジャック・テイラー ケン・ブルーウン/著
ジャック・リーチャー リー・チャイルド/著
ヒエロニムス・ボッシュ マイクル・コナリー/著
チャーリー・パーカー ジョン・コナリー/著
エルヴィス・コール&ジョー・パイク ロバート・クレイス/著
リンカーン・ライム ジェフリー・ディーヴァー/著
モース警部 コリン・デクスター/著
チャーリー・レズニック ジョン・ハーヴェイ/著
ボブ・リー・スワガー スティーヴン・ハンター/著
ピーター・デッカー&リナ・ラザラス フェイ・ケラーマン/著
アレックス・デラウェア ジョナサン・ケラーマン/著
ディズマス・ハーディ ジョン・T.レスクワ/著
テス・モナハン ローラ・リップマン/著
ランボー デイヴィッド・マレル/著
マロリー キャロル・オコンネル/著
スペンサー ロバート・B.パーカー/著
ルー・ボールト リドリー・ピアスン/著
シャーロット&トーマス・ピット アン・ペリー/著
アロイシアス・X・L・ペンダーガスト ダグラス・プレストン/著
ジョン・リーバス イアン・ランキン/著
プレシャス・ラモツエ アレグザンダー・マコール・スミス/著 )
こんな企画に快く賛同する作家さんたちもさすがです。
早い話し、作家さんたちの楽屋落ちです。
みなさん、各種さまざまなスタイルで書いているのですが、
やっぱりジェフリー・ディーヴァーは、ハイパー作家バカです。
このエッセイを完全な短編にしてしまいました。しかもオチもきっちりつけて、、。
ジョン・ハーヴェイのチャーリー・レズニックは
本書を読んで、読んだこと思い出しましたよ、、。
試行錯誤の上で完成されたキャラもいれば、
小説の神様からの啓示を受けたように
ぱっとひらめいて、完成したり、いろんなタイプがあるみたいです。
面白いのは、ネタバレになっちゃうので詳述しませんが、
帯にもあったけど超有名キャラ、ランボーの名前の由来と
モース警部の名前の由来ですかね、。
スワガー・サーガも、最初から、設定として親父さんのアルの運命は
決まっていたみたいですね。
結局は自分が少しでも読んだことのある作品の作家さんのは、
圧倒的に面白かったです。
ミステリが読みたい! 2011年版
- ミステリが読みたい! 2011年版/著者不明

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先日、本屋さんに行くともう売り出されていました。
各種、年末ミステリ・ランキング本の中で、
ハヤカワ一番のりです。
一位だけ、書くと、
国内は、
「another」
綾辻行人
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で、海外は、
「ラストチャイルド」
ジョン・ハートでした。
- ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ジョン・ハート

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ラスト・チャイルド(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ジョン・ハート
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各社、一応2010年のランキングってことで出ているわけですが、
出る時期の若干の差によって、
年末に出ているものは、入る年度にずれがあるみたいです。
ハヤカワでは、相変わらず、各種ジャンルわけして
ランキングを出しています。
一年間に出た、ミステリ全部網羅して(多分)紹介している記事が
本探しには、いいかな?。
