不死に限りなく近い存在バンパイア。吸血鬼とも呼ばれる闇側の存在。寿命はとても長いと言われているが人々には明白ではない。そして、その中にも、いくつかの階級があり、数人の頂点に立つ者が伝説に登場している。

「凍りついて・・・終わりだな。不死なる者よ。」

かつては祭壇があったと思われる遺跡は、粉々になって石の塊が転がるだけだ。その近くに氷の結晶に封印されているバンパイア。身動きひとつできない状態で、時期に消滅するだろう。

「砕けろ。」

魔剣士が叫ぶと同時に、長槍を氷に突き立てた。

「ぱりっーん」

勢いよく飛び散る氷、中の不死なる者も同じく、バラバラに崩壊する。

「灰に戻れ。これで再生は不可能だろう。」

周囲の氷はまだ溶けていない。そこだけ冬山のようだ。7人の魔剣士たちも、一箇所に集まり、馬に乗り始めた。

「ひとまず、トロアの治安も落ち着く。」

「さて、戻ろうか。」

その時だった。灰になったと思われるバンパイアの周囲から、煙が立ち込める。煙はひとつになり、人物を象る。

「今日は引き上げます。あなたたちの力、見せてもらいました。」

礼儀正しく、バンパイアは一礼をすると、多数のコウモリになり、飛んでいった。トロアのテンプル騎士団といえど、コウモリを追うことはできなかった。

「逃がしたか。」

呪文を唱える時間もない。ただコウモリが飛ぶ方向を確認している。昼間にもかかわらず、すざましい回復力。夜に遭遇したときには、不利になるだろう。

氷に覆われているからか、やや冷たいと思える風が吹く。空には鳥が楽しそうに飛んでいる。