一つ前の記事に,
高校生が参考にする本の著者は,
私の中では野矢茂樹先生だと思ったのでそのように述べましたが,
実際国語科の先生にお聞きしますと,
進学校で,
小論文指導に役立てるために買わせているのは,
論述など,圧倒的に中山元先生だということが判明いたしました。
上記の本は,高校生の日常会話の中にはあまり出てこないような語や概念の説明が載っており,とても役に立ちます。
しかし,知識を身につけるにはこの書は参考になりますが,
実際,良い文章を書くには別に参考となるものが必要です。
文の書き方に関しては,やっぱり野矢茂樹先生です,
私が思うに。
野矢茂樹先生の,
社会の教科書で有名な山川書籍から出ている「大人のための国語ゼミ」っという本は,
高校生が読んでもわかりやすく,
論理的に文章を組み立てていく,
読み手に分かるような言葉の使い方を,
なじみのある文章を題材に演習問題にして,
実践を積むことで国語力を身につけたい大人をターゲットにした本。
国語力が今一な大人向けの本ですが,そういう大人にならないように中高生も手にすべきだ。
この書を通して,わたしは,
野矢先生のお人柄を感じた。前書きから良いところだらけなのだけど,
特に私がいいなぁーと思ったのは,
*以下本書より抜粋
「相手のことを考える」~本当に分かって貰おうとして話していますか?~
会話で大事なのは相互理解でなくリズム
相手にしっかり伝わる話し方や書き方でなければならない
池上彰はなぜニュース解説で定評があるのかの理由
自身の伝えたいことがなかなか伝わらないということに悩むことが自身を鍛える
国語力とは何か?
国語力とは,相手のことを考え,分かってもらえるような言葉に言い換えたり説明を補ったりする力
相手のことを考えて,分かって貰おうとすることが国語力を鍛える。
わかりやすく説明するという国語力には「負」と「正」のスパイラルがある。
負のスパイラル
国語力がない→説明するのが面倒→相手のことを考えなくなる→相手のことを考えないから国語力も向上しない。
正のスパイラル
相手のことを考える+国語力が向上する→相手のことがもっと考えやすくなる→さらに国語力が向上する
負のスパイラルを抜け出し,正のスパイラルへと向かって欲しい。
どうです?
国語力とは何か?ということをわかりやすく丁寧に説明して下さってますよね。
不思議と,先生の言葉の中には一つも脅迫めいた表現がないのです。
言語力・論理力・国語力をつけよ!と自身が言語力が何かもよく分からない人が,
多分,脅迫めいた表現を使うのだと思う。
本当に国語力(言語力)があれば,
相手のことを考えた表現になるから。
言語教師のお悩み解決のキーを,
野矢先生が持っているのではないかと,
私のセンサーが動いてる。
今は,野矢先生に興味を持つに至ってる私。
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楽しみながら学ぶ事が出来る,中高生にも読んで貰いたい良書。

