お題
「私が出会った粗忽な人」
粗葱 アラネギな人? 葱を粗く切る人間のこと?
いいえ,そうではありません。
たとえば・・・,このような人のこと。
私が中学時代の家庭科の先生のこと。
今は男性の家庭科の先生も採用されていますが,
私の知っている粗忽な家庭科の先生は女性です。
もちろん,その当時は男子には家庭科の授業がありませんでした(平成7年から男子も必修となりました)ので,女子のみにご指導して下さっていました。
とても厳しい先生でしたので,私たち生徒は彼女をとても恐れておりました。
一度怒るとなかなか止めが効かないことから,先生にわからないところで「ハリケーン」と呼んでおりました。
時間に厳しい方で,
授業は始まりのチャイムで始まり,終わりのチャイムが鳴るまでみっちりでした。
家庭科は毎週水曜日の4時間目にあって,
その日の授業は,職員会議のため短縮授業で,4時間目はいつもより15分早い,11時30分からの開始はじまりました。
ですから,4時間目の授業の終わりは12時15分なのですが,
毎日街で鳴る,正午の合図の鐘と,授業の終わりのチャイムを間違え,
12時の鐘と共に,「それでは今日はここまで」と言われ日直の生徒に号令を促し,職員室に帰って行かれました。
・・・・・・・・・んっ,今一分からないかもしれませんので,
次は「だ,である」調で。では,
小学生の頃,まだ世間で水洗トイレが十分に普及していなかった時代だったが,自ら大事にしていたブラウスを,洗濯機と間違えてボットン便所に投げ入れた近所に住むさっちゃんを思い出す。
そのさっちゃんは,財布を持たないで買い物に出かけた話を数年前の同窓会で話をしていた。
・・・・
それから,
学校帰りの買い食いは禁止されていた,中学時代の部活動の帰りに,学校の直ぐ近くにある売店でアイスを買って店を出たとたん,ヤンキーの怖い先輩に見つかり,「佐藤!鈴木!(女王様の仮旧姓)」と背後から呼び止められ,友人の佐藤さんがせっかく買った「雪見だいふく」を驚いて落っことしてしまった。
佐藤さんは先輩達が怖いのでそのまま真っ直ぐ同じ歩調で歩いていった。
もちろん後で私も含め連れ戻され,先輩達に囲まれその後ひどく説教された。
あと思い出すのが,
大学時代にあるプロジェクトの件で,
サークルの先輩に迷惑をかけた啓くんが,
部室の黒板に「○○先輩,このたびは大変ご迷惑をおかけしてすみまん。」っと書いてバイトの時間に間に合わないからと急いで部屋を出て行ったところに,字の間違いに気づいた啓君の友人の秀二が,訂正して「せ」を書いて挿入させたところ,「すみせまん」になり,
後日それをみた先輩が,迷惑がかかった上に訳が分からないことを書かれて激怒し,ひざまずかされる啓くん。
その啓君に自らが善意でしたことが間違えてしまったことを打ち明けない秀二。
陰で笑う秀二。
それを見て涙して笑う私。
イギリス留学時代には,
女の先輩のママが日本から来るということで,
予約していた高級ホテルに,
急の用事が入り,来れなくなったので,
皆でお泊まりにいこうと,友人達連れだって6人で向かい,
その部屋にあるお酒を飲み尽くしてちょっとしたパーティーをしていた。
しばらくすると,
それまで見たこともない大人のビデオの鑑賞会を先輩達が始め,
先輩から「鈴木(女王様仮旧姓)は免疫がないし,まだ子供だからダメだ。」と,一人だけ見せてもらえなかったところに,
ドアのノックの音が聞こえ,
先輩がドアの穴を覗くとポーターが立っていたため,
先輩の合図で皆,浴槽兼おトイレに逃げ込んだ。
先輩が英語でポーターに応対している間,
私たち5人は浴室でギュウギュウな中,ポーターに見つからないように息を殺した。
そのような緊迫感の中,丁度ドライヤー近くにいた雅ちゃんが,
ドライヤーを落としてしまい。「ウィ~ン」っと大きなドライヤーの音が浴槽に響いた。
怪しむポーターには,先輩が上手く言い訳を伝え,どうにか乗り切った。
その雅ちゃんは,留学までお米の炊き方を知らず米を炊く前に洗うことを知らなかったし,歯磨きと洗顔料を間違えて口に入れたり,授業の講義室を間違えて出席にならなかったり,いろいろ面白ろかった。
それから,
OL時代には,初めての海外旅行をしたみっちゃんが,
ハワイに住む知り合いを訪ねようとタクシーに乗り込んだのは良いのだが,
タクシー運転手に住所を伝える際,番地だけ日本語で伝えていることに気付かず,運転手が「その場所は分からない」と答えることがしばらく分からなかったこと。
っというような行為を頻繁に無意識にしてしまう人のことが粗忽者です。
これは,内田先生の寺子屋でお題に出たそうで,
「一番の粗忽者を書くこと」と言われていたみたいだけれど,
それは難しい。
それは多分一番身近な人間だから。