フロイトからの発達心理学(今夏の仕入れネタ①) | 女王様のブログ

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ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

フロイトとピアジェは発達心理学の基礎を作った人物と言われている。

フロイトは心の構造的側面(無意識の世界)を追求し分析した人であり,ピアジェは人の心を構造とエネルギーとに分けた場合,構造の部分のみを取り扱った人物。


フロイトはピアジェよりも古い人物なのだが,ピアジェはフロイトを意識して理論をうちたてている。


この二人の人物は比較的長生きしたので,一度打ち立てた学説を軌道修正して変えている。学説は打ち立てた人物の年代・背景にとても影響されているため,不変ではない場合がある。ある程度ぶれないくらいのもので,そこから足りない部分を補強したり,違ったら大胆に変更したりすることがあるわけ。つまり,彼ら二人の学説を取ってみても,これが確実だというものははっきりいってこの世の中にはないといういい例だなとも思った。


新しい学説の誕生は,すでにある学説の矛盾点を突く形で誕生するものだと感じた次第。


これはこれとして,

まず,この人達(フロイト,ピアジェ,ユングとか)を述べる際(ほとんどが男性),やっぱり一人マドンナ的な存在がいる。それが,ザビーナ・シュピールライン。


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この女性は,もともと潔癖症で神経症を病んでいて,ユングの患者だったらしい。自身の大便を座って足のかかとで抑え堪えるという,変な癖があり(自分の中から汚いものが出てくるのが許せなかったのでしょうか?),精神科医のユングに世話になっていた。


女性にモテモテのハンサムなユング(好色家)が,ザビーナとは別の女性と付き合うようになって彼女の病気は酷くなり,そこへフロイトが彼女の担当医としてつくことになる。どういうわけか,ザビーナは今度はフロイトと付き合うようになるわけ。(こんなことはどうでもいい情報ですが,メモっていたので取りえず)



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(ウンコのことまでメモっている私)


彼女は,魔性の女性となるのでしょうか。

ザビーナは,裕福なユダヤ人で(この時期の著名な学者たちはほとんどがユダヤ人),医学部を卒業して医師になったようだ。

この人は近くにいると厄介そうだけど,人間としては非常に興味深い人。たぶん。


フロイトは,生涯の中で自分の学説を変えていく人だった。

(ここが偉いところだと言われているが,その時の言説を信じた人はバカを見るわけよ。えー,違うんですかーって。)


(フロイトのちょいと話)

彼は愛煙家でり,最後は舌癌で亡くなるのだが,生涯で30回程度のがんの摘出手術を麻酔なしで受け,最後は口と鼻の区別がないくらいだった模様。食事をするときは器具をつけないと噛めなかったそうだ。晩年は寝たきりになり,癌で蝕まれた身体から放たれる異臭で,訪問客を悩ましたそうだ。最後は安楽死で,意識の面で自身をコントロールする印象的な亡くなり方だったらしい。


フロイトの学説は大きく3つの観点に分かれる。

①意識(無意識)

 ヒステリー(神経症)*そのような理論を立てる時代的な背景があった

 トラウマ(無意識のキズ)の抑圧

 (昔に起こった変なことが今の自分をおかしくしている。過去にさかのぼっていくと,大人に変なことをされたとしている。)

 彼は言葉というものに重点を置いた

 *脳性まひは疾病ではないと述べたのはフロイト。


  精神の不調は時代を映す

(誘惑理論)

医師に親や友人にも言えないことを言うことで特別な関係になりやすい。これはカウンセリング室で生じる危険な因子である。

表には出さないけれども,医師が喜ぶ話を患者がでっち上げているのではないかと疑う。カウンセリングする人は徹底的に医師と患者の関係を客観的に学ぶことが要求される)


②発達 

 発達におけるつまずき(障害,神経症)は,特殊ではなくてもっと一般的なものではないか。しかしいったいそれは何か?

 Libido(リビドー)の集中する箇所=性感帯

 快・不快 口唇期→肛門期→男根(学童)期(男女にかかわらずペニスに関心を持つにいたる)→(潜伏期を経て)性器期(性愛二型)へ


③人格

 COMPLEX (劣等感) 

男根期(学童)→この時期に生じるのがエディプスコンプレックス,エクストラコンプレックス

 

 いうまでもなく,説というものはその人自身の生い立ちとかその人自身にとても影響を受けている。例えば,ユングは風貌もよくイケメンだったのだが,アドラーはチビでハゲで足にも障害を持っていたため,性格が歪んでいたらしい。


 (フロイトへの批判)

 ・ヒステリー障害は女性に多くみられるとされ,性的に偏った分析

 ・男を中心に発達過程を述べている(矛盾)

 ・フロイトはあまりにも性を強調しすぎで偏っている。(後にヴィゴツキーのフロイト批判)


 しかし,

フロイトの理論に内在する性的要素の偏中や生物学主義などを批判して有力な弟子が次々と離反し,結果として知起動精神医学・深層心理学の流れに属する多くの学派を生み出すこととなった


 フロイトの説は現代から見てみると,相当偏った,理解しがたい変なものに映りますが,19世紀末のデカダンス(退廃主義)な世相の中では,多くの人が魅かれた(もちろん納得しての)人間の発達段階説だ。


 フロイトは今でいう脳科学者で,大学の教師ではお金儲けできないので,ウィーンで精神科医として開業したそうだ。相当率直な人。大学で研究よりお金が大事だったわけ。でも開業したおかげで,学説を臨床的な裏付けでもって補強できたのではないかしら。本当は金儲けしたかっただけな,ただのおじさんだったのに。


  フロイトの説は,ユダヤ教の影響をとても受けている。

ユダヤの神は非常に厳しく,ユダヤ教自体,とても戒律が厳しい。

また,彼の説は,その当時のウィーンの街の中の様々な出来事を反映している。彼の生きたデカダンス時代では,性愛の異常が現れた時期。(それまで表に出て話題にならなかっただけかもしれないが)