江利川先生のブログには,
古い昔に出版された興味深い英語の参考書(今ではお目にかかることのできないもの)が紹介されている。
私が高校時代に使っていた参考書も何冊かあって懐かしく思った。
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その中に筆者の経歴も書かれており,
元々モノよりも人に興味がある私は,こういうところに目がとまる。
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河村重治郎は1888(明治21)年に秋田県に生まれ、家庭の事情で中学校を中退。福井市に移り、1907(明治40)年に小学校英語専科教員の検定試験に合格。2年後のには難関の文部省中等教員検定試験英語科に合格、私立聖学院や県立福井中学教諭となり、1919(大正8)年には超難関の文部省高等教員検定試験英語科に合格。この間に、私塾で後進の育成に努め、この参考書の共著者である吉川美夫らを育てた。
1938(昭和13)年には、官立横浜高等商業学校(横浜国立大学の前身)の教授になったが、軍国主義下での英語排撃の風潮に反発して1944(昭和19)年3月に辞職。戦後は明治学院大学や東洋英和女子短大の講師を務め、三省堂の多くの辞書を編纂した。1974(昭和49)年没。
河村の生涯については、田島伸悟の名評伝『英語名人 河村重治郎』(三省堂、1994)をぜひお読みいただきたい。
高等学校の教育などなかなか受けられなかった時代には,
英語教育者の中にも子弟関係みたいなものがあったのだというのを知れて面白い。
このお二人にどのようなドラマがあったのかを想像するのも楽しい。(えっ?変ですか?)
昔は,
小学校を出ただけでもいい師匠につけばそれなりの知識も地位も得られた時代から,
教員になるには高等学校を出てさらに大学まで6年も学ばなければならないような制度では,かえって時代に逆行しているようにしか思えない。
昔の教育制度って言うのは,今よりももしかしたらずっと平等だったのではないかと思わないわけにはいかない。
何でもかんでも縛りつけて押しつければ押しつけるほど,成熟は遅れて学ぶ意欲は削がれ,優秀な人材をもダメにしてしまうような気がする。
小学校を出ただけでも,世間に通用する立派な参考書を書く人物になれるなんて素敵じゃないかしら?
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文部省中等教員検定試験英語科に英語の流暢な小学生が受かって逆に教壇に立ったらどうかしら?
どういった問題が出題されていたか見てみたいなぁー。江利川先生期待してます!