しばらくブログを更新していないため,
わたしが5月病にかかっているのではないかと心配されている方がいましたら,ご心配なく。(でもぶっちゃけ4月当初は以前の男子校に少し帰りたかった。)
8年ぶりの女子学生のいる華やかな学園生活を満喫中で,
あたくし,毎日楽しく日々を過ごしております。おほっほっほっほっ・・・・・。
4月の遠足では,ある女学生からこんなものをもらい感動した。
手前にある紫色の紙のテープで作ったお星さま,ざます。
女子学生:「はいっ,先生これ差し上げます。紙で作った星です。こうやってこうやって折って作るんですよ。空気を抜いて折りたたみ,持ち歩くこともできるんです!」っと。
語っても歩いても何をしていても,女子学生に目を奪われ,日々感動し,「どうしてそんなふうなしゃべり方ができるのかしら。」と不思議に感じている私をよそ目に皆さん淡々と仕事をこなしておられるのが本当にもったいない次第。
こんなふうに「きのこの山」ともの合うかしらと,
写真を撮ってみたり,
息子の車とガンダムと記念撮影してみたり,
坊主の趣味に,あたくし達親はどんだけ金銭をつぎ込んだかしれないと,こんふうに眺め,そうこうしているいちに,
世間では大変なことが起こってしまっていて,ふと我に返る。夢から覚めたうさぎとでももうしましょうか。
自民党の教育再生実行本部(本部長・遠藤利明衆院議員)が取りまとめた教育改革の第1次提言案に大学入試にTOEFLを導入しようという流れがあったことをはじめ,英語教育に対する政策が次々と急激に推し進められることに危機感を感じ,一方に偏りがちで,言葉を軽んじる日本の国民性がよく現れていると嫌気がさす。大学入試のTOEFL導入は議論の余地があると今のところ下火になっているようだが,大学入試をいじることができないと分かるや否や,あっという間に小学生のところにその矛先が向かう。
5月に入ると,小学校英語の必修化・低年齢化の動きが見られ,
今まで児童英語で飯を食おうと躍起になってきた団体や,小学校英語推進・容認派の大学の先生方や現職教員。自分が苦手なために子供には早い段階から英語をさせたいと願う親たちの餌食に,子供がされてしまいそうになるのを知り,以前からその危険性を感じていたのでわたしは居てもたってもいられなくなった。
5・6年からの導入ですら,今まで何年も議論をされてきたことが,簡単に前倒しされようとしていることに,政治の恐ろしさと事態はなにもしなければ悪い方向に動きかねないということを実感する。
英語教育関連の方々よりも,言語の専門家の方々や,それこそ国語研究やその他の分野の方々の声を上げてもらった方が,まともな話ができるのではないかと私は思う。
先日,国語科のある先生が,「国語力は小学生の時にもう出来上がっているから,高校でどうにかできるものでない。」とおっしゃられた。英語教育の低年齢化を危惧しているのはむしろその他の教科の先生方である。
アメリカの名門,チョート校のカリキュラムには,母語より多い時間を費やす教科はない。まずは母語で考え表現する方法を教えていくことが大事なのではないだろうか。今,日本の普通高校は,どの教科の授業より英語の授業のほうが圧倒的に多い。これはむしろエリートを育てたくない,母語で考える力を奪うということにはなりえないだろうか?
先ほどの先生の話の中に,以前,中学校であまり学力が身についていない子供たちが進学してきた農業高校で指導した時に,とにかく漢字・言葉を書かせることに重きを置いたと述べられた。
というのは,その子供たちはあまりにも言葉を知らなすぎて,語彙が極端に少なかったからだと言われた。
語彙が少なく限られいているということは,知らない言葉に対する概念はそもそも頭になく考えられないため話は通じない。それに自己表現に制限がかかる。つまり,狭い範囲でしかものを考えられなくなるということだ。
そのことは,相手の気持ちを解する力も乏しくなるし,差別やいじめの問題も,家庭環境が原因になりうる以上に,言葉の運用能力ににあるような気がする。
例えば,焦り・怒り・憎しみ・羨ましさなどのマイナスの感情やそれに伴うイライラを解消するには暴力で訴えるようになる。
自己の欲求だけを通そうとして,他人を出し抜き自分以外は誰も信じられないような社会になり不信が横行すれば,社会生活は今よりずっと不安定で危険になりうる。
世の中,他人のことを優先に考え,お互いが不快な思いをしなくて済み,プラスなことばかりが起こるのであればよいが,そうでない場合は,言葉で表現するより力(暴力)で表現することが横行してしまう。
暴力が横行し,人間社会は破滅。
言葉は社会的な営みを送るうえで大事なものだ。
言葉を抜いた方法では,平和的な解決方法はなくなる。
学校で習うくらいの簡単な英語の表現程度では,難しい概念までは理解できない。
まだ小学校からの英語で害されていない子供達である今の高校生ですら,自己表現ができない限られた自分言葉ワールドでしか過ごせないティーンエイジャーがいるのにもかかわらず,本格的に教科として導入されたら相当ガタガタになる。
だから,英語能力を評価するばかりで,そういう人材ばかりを集めた結果,英語ができても仕事ができない人間が会社で問題になっている。
この結果は,導入以前には予知しなかったことだ。
専門家の先生方は,もちろんその危険性は分かっていて,散々警告をしているのにもかかわらずだ。
奄美大島には猛毒のハブが生息している。このハブを駆除するためにマングースを外国から持ち込んだ。するとマングースはハブを食べるのではなく,天然記念物のアマミノクロウサギを食べてしまうため,アマミノクロウサギは絶滅危惧種になってしまっている。一部専門家達や住人の思惑通りにはならない。人間の勝手が,第3の問題を引き起こす良い例だ。
大研究 なぜ日本の企業はこんな採用をしているのか ユニクロ・楽天・グーグルほか 急増中!「英語ができて、仕事ができない」若手社員たちhttp://gendai.ismedia.jp/articles/-/35580
どうにかできないものかと気持ちの悪い感覚に襲われているところ,
早速大津先生が声を大にしてあげてくださった。
「英語教育,迫り来る破綻」
7月14日(日)に,大津先生や斎藤先生,鳥飼先生,江利川先生が緊急の講演会をする。
本当はもうすでに十分なお立場があり,このようなことで声を上げない方がきっと楽に過ごしていけるのでしょうが,有名な先生方が自身の信念をしっかりと持って発信してくださることにとても感謝している。
有名な先生方だからこそ,メディアも取り上げてくれる。
田舎の一教員が大声を出して拡声器で街頭演説しても何の効果もない。
先生方に感謝を申し上げる。
甘えてばかりで力がない私を許していただきたい。
何か緊急に用ができない限りは参加させていただきたいと考えている。


