武器としての決断思考  瀧本哲史 | 女王様のブログ

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ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

所用で市内でも最大手の書店に立ち寄ってみると,今週の売れ筋ランキング2位のところに,瀧本さんのこの本があった。


ツィッターで彼の存在は存じ上げていた。しかし,まさか本まで出版されている有名人だとは知らなかった。




昨年度より,つぶやきの内容から右翼思想の強い方だという印象があったのだが,実際はそんなこともないのだと言うことが,書籍を拝見して分った。

ツイッターというものは,その人の一部であって全体像としてフォロワーには映りにくい。



この瀧本さんは京都大学の講師で,彼の授業は人気があり,いつもたくさんの生徒が彼の講義を聴きにやってくる。



本の帯には,「京都大学最強授業」と書かれていて,京大の学生が魅かれる授業ってどんなものなのかしらと少し興味を持ったのも,この書籍を手にした理由だ。



彼は,ディベート甲子園を主催するディベート連盟の事務局長なのだそうだ。英語でディベートをする大会はもう何年も前から,英語科の先生方には浸透しているけれども,こちらの教育環境では母語でディベートをすることはあまり盛んでない。むしろ,母語できちんとした議論の仕方を学ぶべきでないかと私は思う。




「答えがない時代」を生き抜くための決断力


というラインナップも,私が常日頃から大事だと考えている部分と合致していた。



京都大学の20歳前後の若者たちに,インスパイアさせることのできる授業は,もちろん女王様のクラスの僕たちにも関係があり,出来るだけ武装して世の中に有利な働きが出来るとしたら知らないのは損だ。




瀧本さんの言葉で印象的なものを書き留めておく。




・自分の人生を自分で切り開いていくには?

知識ではなく考え方を学ぶ。答えではなく,答えを出す方法を学ぶ。





・結論が出ないものは雑談であって議論でない。



「朝生」はダメな議論の典型

テレビの討論番組や,ツイッター,2ちゃんねるなどのインターネット上の議論では,参加者が議論やディベートに関する基本的な考えを共有していないため,上手くいかない。基本的に混乱するようにできている。

問題がテレビやインターネットの世界だけならまだしも,現実に政策を決めたり,皆で話し合ってものごとを決めたりする場面でも,「朝生」と同じような現象が起きているのが実情。



 ディベートは準備が8割,根拠が2割



 論題は

①二者択一になるくらい具体的なものを選ぶ

②議論に値するものを選ぶ

③明確に結論が出るものを選ぶ。


一番良いのは,「具体的な行動を取るべきか,否か」といったタイプの議論


 質の低いファンはスタンドプレーを好み,喝采する。選手は基本的にファンが喜ぶことをしたがるので,チームの勝利よりも目立つことを優先するようになります。やたらにドリブルしたり,時間稼ぎが必要なシーンで果敢に攻めてみたり・・・。一方,ファンのレベルが高いチームは,試合の面白さだけでなく,チームの勝利を最優先するので,やはり強くなります。



 リンクマップ「全体的に大きな影響を与える要素を見つけよう」p.94参照


 議論の題材を何に重きをおくかは,質や量そして確率で考える


質×量×確率



黒板にするかホワイトボードにするかなどの,ほんの数万円の費用しかかからない議論には何十時間,何日もかけて慎重に諮るのに,何百億もかかるプロジェクトの遂行はすんなりと何の意見もなく通ってしまう場合がある。後者の方の議論にもっと時間をかけるべきであった。


世間ではブレない生き方がやたらと賞賛されていますが,「ブレないこと」自体に価値はありません。

瀧本さんは自分の講義を聴きに来る若い学生達を「ゲリラ」と呼ぶ。

ゲリラは目の合図だけで作戦を変更できる。




ブレない生き方は,ヘタをすれば思考停止の生き方になります。




一.ゲリラとして最前線で戦うことを選ぶなら,「ブレる生き方」を目指せ!

一.正解ではなく最善解を導き出そう!

一.結論を出す。

一.「知識・判断・行動」に加えて「修正」の考え方を身につけよう!





その他にも,多くの大事な部分があって付箋を付けたけれども,全てを紹介はできないので,是非一読をお勧めする。これからの時代に武器を持って荒波を乗り越えていけるように!





最後に

自分の人生は自分で考えて,自分で決めていこう!





この言葉ありがたく頂戴したいなら,慎重に最善解を知り主観で決断しなければならない。自分で決めるとは,自己責任も伴う重大なこと


他人任せの無責任な生き方でない。

今の自分は自分の意思で切り開き,形成してきたのだ!という強い自覚と意志で,幸せになって欲しいと切に思う。



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下の書籍も評判が良いようだ。

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