歴史は繰り返している,それは英語教育も同じ。 | 女王様のブログ

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ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。


日本人は英語をどう学んできたか
英語教育の社会文化史


第1章 英語教育の歴史から学ぶ

第一節 小学校英語教育のゆくえ

・問題点は明治に出つくしていた
・英語教員の資質問題
・小・中の連携の不備
・まず国語力を

第2節 教え子を戦場に送った英語教育

・すでに日清戦争から
・英作文や文字指導にいたるまで
・まずは「道徳心」の強調から

     ・
     ・
     ・

と目次だけ見ても非常に興味深い本である。

最初に出てきたこの文

全国小学校に英語科を新設
だが,先生からが英語を知らず といって英語教師を雇えば金がいる!
 このたび文部科学省は小学校の教科に英語を加えてもよいと通達したが,英語を教えられる教員がいない。専門の英語教員を雇うにも予算がない。そのため,現行の教員を研修させ,英語の授業を担当させることにした。


これは1884年(明治17)年にその当時の新聞に載ったものらしい。

120年以上も前に,英語教育界は今と同じ問題を抱えていた。

この本は,和歌山大学の江利川春雄先生が書いたもので,

英語教育で頻繁に議論されているものは,実は一世紀以上も前になされていたものと全く同じであることが分かった。

実業系の高等学校では90パーセントが英語を実施。商業・商船は100%の実施でレベルも相当高かったようだ。商業系の学校に英語実務の教科がなぜあるのかが分かる。商業科の先生方は免許もない中,英語を教えねばならなかった理由はここにあるわけだ。しかし,平成20年度より,英語実務という教科はなくなった。商業科の教員の負担になるし,英語の教科が別途にもうある中,わざわざ英語実務として英語を教える必要がなくなったからだと私は思う。

奄美群島の教科書の話は,奄美ご出身の方からお聞きしていたので,この本の中に出てきて非常に興味深かった。教科書を本土から仕入れて,複製して6・3・3制をしいたこと。その当時の現場の教員が,いかに子供達のために必死に働いていたかを知り,感謝・感動せずにいられない。

まだ,途中までしか読めていないのだが,すべて興味深く拝見している。

また書き留めておきたいことがあったときは,書くつもりだ。

この本も寺島先生の著書と合わせて,英語教師の必須の本として,英語の教師,小学校の先生,これから英語教育に携わろうとしている人達も皆読んで欲しい。

何はさておき,このような素晴しい本を書いてくださった江利川先生に感謝。

いつか,先生にお会いしたいと非常に感じました。 





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