AEROSMITH
「DRAW THE LINE」 1977
Draw the Line
I Wanna Know Why
Critical Mass
Get It Up
Bright Light Fright
Kings and Queens
Hand That Feeds
Sight for Sore Eyes
Milk Cow Blues
前作『ロックス』は倉庫で録音されたものだったが、
1977年発表のこちらは城(修道院)でレコーディング。
ロック版ウォール・オブ・サウンドともいうべき趣きを有している。
表題曲の”ドロー・ザ・ライン”がヒット。
”ブライト~”ではジョー・ペリーが初のリード・ヴォーカルをとっている。
本作は77年度作品。5thアルバム。
全米最高位11位/200万枚突破。
77年1~2月の待望の初来日公演の直後にレコーディング開始。
しかしドラッグやアルコールなど最悪の状況の中、半年以上もの長い制作期間を経て完成。
シングルカットされた「Draw The Line」(最高位42位)はジョーのスライドが唸る
今もなおライヴでのジョーの見せ場になっているエアロの代表曲の一つ。
とはいえ「Kings And Queens」(最高位70位)はジョー抜きで録音されるなど、
確実にバンドは悪い方向へ向かっていき、危機感と緊張感が全編を漂う作品。
エアロ曰く”NY州アーモンクの修道院で収録した。
このアルバムがなぜこんなにファンクっぽくなったのか・・・。
勿論宗教とはなんの関係もない。
前作までの成功で手に入れた巨万の富を全部鼻から吸う「クスリ」に換え、
その勢いで作ったアルバム。
前作を超えなければならないプレッシャーから、メンバーが正常な精神状態ではなかった。
「Kings And Queens」の壮大な構想は、
それまでのただ荒削りなだけの音ではなく、計算されつくした音であるように思われる。
タイトルトラックの「Draw The Line」のリフはある童謡の歌い出しに似ている(各自で想像して下さい)と、
当時の一部の音楽評論家に酷評されたりもしたが、アルバム全体としては完成度が高い。
ジョー・ペリーは、次作の「Night In The Rats」に数曲参加しただけで一旦脱退してしまったが、
結果的にはクスリ漬けのエアロがそこで終わったことで、現在のエアロが存在することになる。
このアルバムはもっと評価されていい。
前作「ロックス」を経て、音楽的なアーティストパワーにおいて正に、
限界ギリギリまで彼らが当時来ていた事が、今聞き直してみてよく分る。
スティーブンの歌声は、時に地面を這い回り、時に天を突き抜ける。
その粘り強くかつ破壊力のある歌声は、エアロの全アルバムの中で、断トツの凄さである。
ジャック・ダグラス・プロデュースのサウンドは、ニューヨーク近郊の古城で録られ、
自然のエコーが生かされたその神秘的な響きと共に、
ジョーのギターを中心とした灼熱のグルーブに、当時のエアロの凄さが、はっきりと刻まれている。
全曲、ヴォルテージが高く、
音の塊りがスピーカーからどっと迸り出る。
そんな話
アルバム・タイトル、
限界ギリギリ=DRAW THE LINE
ノリやテンション、ボルテージが半端ない・・・って意味ではない
正気の維持の限界
或いは、バンドの存続維持の限界
そんなDRAW THE LINE。
(ま、結局はその一線を越えてしまって、タイラーとペリーは一線を越えてしまって、
一旦、喧嘩別れする事になるのでした。)
そんな、怨念じみた執念が込められた名盤中の名盤。
この作品に関しては、レゲエ盤紹介するよりテンション上がってしまうわ、俺。
