高校時代も勉強一筋。全国的に有名な進学塾にもほとんど休まずに通った。高校は男子校だったので、予備校に通う女子学生が目映かった。浪人中で年上の子もいて、何故か年上の女子に惹かれた。女子と廊下などですれ違う瞬間、独特の若い女の子の匂いがした。当然ながら、香水をつけて予備校に通うのは禁止されていたと思うので、その匂いは若い女子が発する独特の匂いだったようだ。男は女性の臭いにはやたら気がつくし、年齢も臭いで分かることが、年を経るにつれ、分かって来た。とにかく、若い女の匂いは爽やかそのもので、その子の近くを通るだけで、オーラみたいに「…ぐッ」っとなる。その匂いを漂わせる女子がすごく優しく感じ、自分も何か身がやせ細るような思いになる。大学入学後、一年生の夏に、僕の物心がついた頃から父の医院に勤めていた当時43歳になっていた藤崎さんという女性看護師とカルテの整理をするよう母に命じられた。その中年の看護師さんは体を激しく動かして、カルテを棚から出し入れしていたので、暑い季節であったせいかも知れないが、脂というか汗というか、ゴミや雑巾というか、 動物の息っていうか、僕ら二人いた距離の範囲以内だけかも知れないが、なんとも生臭い臭いが鼻についた。若い女の匂いには癒される、女の匂いは年をとると共に不愉快なものに劣化して行くのだと勝手に結論してしまった。しかし、僕の女の匂いに関する認識は間違っていたのだ。この一年後には年上女の匂いに酔いしれ、欲情し、何度も激しく射精をしたことを後で書く。