47. わからない | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

家へ戻ってとりあえずテレビをつける。

テレビが見られるようになってから、頻繁に繰り返されるのは、福島の

原発の問題だ。

水素爆発、冷却機能喪失、原子炉格納容器の破損、爆発音、避難指示。

恐怖心を煽る言葉ばかりが流れてくる。

しまいには、原子炉の構造の説明を長々とし始めた。

原発による被害が自分自身に及ぶ心配をしている人間にとって、原発の

構造などはっきり言ってどうでもいいのだ。

要するに、どの範囲がどれだけの危険性を孕んでいるのかが知りたい。

構造を教えられても、だからどう解釈しろというのか。

恐怖心を散々煽られた揚句、どの程度危険なのかが知らされない。

まるで蛇の生殺しだ。

仕方ないので、インターネットでチェルノブイリの原発事故を調べてみた。

最悪の場合を想定しての事だ。

地図上に同心円の表示と色分けされた影響範囲が映し出される。

原発から仙台まではせいぜい80kmといったところか。

当てはめてみると、・・・ダメだな。

もし、チェルノブイリのような事故になった場合ここはだめだ。

ここから逃げるための交通手段も断たれている。

ガソリンも、少ししかない。ここから逃げる手段はない。

・・・もう諦めるしかない。

あと自分に出来るのは、風向きがずっと海へ向かって吹き続けるのを

祈る事だけだ。