REITの回復への長い道のりが始まろうとしている

不動産投資信託 (REIT) の価値は金利上昇に反比例します。 FRBが2年前に史上最速の一連の利上げを開始したことにより、REITの価値はこの2年間で約35%下落しました。

金利は長期にわたって高止まりする可能性が高い中、REIT投資の見通しはどのようなものなのでしょうか?

2022年4月から2023年7月にかけて、FRBは目標金利を0.25%から5.25%に引き上げました。昨年7月以来、金利は変わっていません。

最近の金利の変化(つまり変化の無さ)は、商業用不動産とREITにどのような影響を及ぼすのでしょうか?

覚えておくべき重要な点は、商業用不動産に関わる変化は非常にゆっくりと起こるということです。住宅ローンは5年から10年続きます。リースは複数年契約です。不動産の価値は、売却が行われるまで明らかにならないこともあります。

REITが借金や住宅ローンの借り換えを行わなければならない場合、高い金利はREITに打撃を与えます。 REITは満期を段階的に迎えるため、金利上昇による悪影響は時間の経過とともに、つまり数年間にわたって現れます。

リモートワークの流行によって、オフィスに出勤する従業員はどんどん減少しています。長期賃貸契約の期限を迎え、企業は減少したオフィス従業員の数に適したより小さなスペースを探すため、この影響がゆっくりと現れます。オフィス部門のREITは今後数年間でいくつかの深刻な課題に直面することになるでしょう。

先ほども述べたように、FRBは7月に利上げを停止しました。現在の金利は2年前よりもはるかに高くなっており、お伝えできたと思いますが、REITが新しい金利環境に適応するには数年かかるでしょう。

FRBが今年後半にも利下げを開始すると予想されていますが、その利下げは最近の利上げの規模に比べれば小規模なものになるでしょう。金利は年末までに4%程度になる可能性が高いです。これは、数年前に実質的にゼロ付近にあった金利よりもはるかに高い数値です。

REITでは調整が行われるでしょう。借入コストが変わります。賃貸契約(オフィスビル以外)の増加にともない、賃貸料も上昇するでしょう。不動産価値(オフィスビルを除く)が上昇します。今年の残りの期間から来年にかけて、REITの管理チームは過去の利益水準と成長軌道に戻るよう事業運営を調整することになります。

REITの株価が業績回復を牽引するでしょう。株式市場は将来を見据えており、金利が低下するという見通しのもと、投資家の不動産株への関心が再び高まるでしょう。私はREITの価値が今年下半期に上昇し始めると予想しています。もっと早くなるかもしれませんし、もう少し時間がかかるかもしれません。

今、今後のREIT市場の強気に乗ろうとするのはお勧めできません。実際に強気市場が始まるまでの間は、Hoya Capital High Dividend Yield ETF (RIET)の株式から10%の利回りの毎月配当を受け取るのも1つの方法だと考えられます。