ボーイングは忘れて、この株式と飛び立とう(前編)

Boeing (BA)が1960年代と1970年代に民間航空業界で一見支配的な地位を築いていたとき、同社の品質への徹底したこだわりに対する乗客の信頼が、「ボーイングでないなら、私は行かない」というスローガンを生み出しました。

しかし、ここ数十年間でボーイング製品の品質は低下したと言っても過言ではありません。だからこそ、今日、乗客の中には「ボーイングなら行かない」と言う人もいます。

投資の観点から見ると、ボーイング社がかつての栄光を取り戻すには、企業としてやるべきことがたくさんあります。つまり、私にとって、ボーイングは投資対象の銘柄ではありません。私であれば、世界的な航空宇宙産業を複占しているもう一つの企業、ヨーロッパのAirbus SE (EADSY)への投資を考えます。ボーイング社の最近の事故以前から、エアバス社の方が明らかに優れていました。その理由を説明しましょう。

エアバスはボーイングより高く飛ぶ 

ボーイングとエアバスという2つの航空機メーカーの運命の分岐は、クリス・ブライアント氏によるブルームバーグの記事で明確に指摘されました。

パンデミックとそれにともなうサプライチェーン問題により、エアバスの躍進は確かに鈍化しました。それにもかかわらず、現在、エアバスはほぼすべての指標でボーイングを上回っています。

  • 納入数: 623 対 461 でエアバスが有利。
  • 受注残: 8,000 対 5,300 エアバス有利。
  • 営業利益 (単位:10億ドル) :エアバス +6、ボーイング -2。
  • 純現金/負債 (単位:10 億ドル) :エアバス +7、ボーイング – 39。

(このデータはBloomberg の記事から引用しています。)

エアバスの納入数が更新されました。Aviation Flights Groupの暫定データによると、同社は昨年733機の航空機を顧客に納入したようです。そのうち579機はベストセラーの単通路型ジェット機A320neoファミリーでした。アビエーション・フライト・グループによると、ワイドボディのA350型機が57機を占めました。同社は、この年、年間720機の納入を目標としていました。

米国の投資家達はボーイングの経済的成功に目がくらんでいました。しかし、エアバスはコツコツと努力を重ね、ボーイングのような金融工学ではなく、実際のエンジニアリングに集中しました。

2010年にエアバスが「neo」として知られる単通路型A320のより燃料効率の高いバージョンを発売したことをきっかけに、ボーイングは対応を急ぎました。それが737Maxです。そこで設計上の妥協が生じ、それが2018年と2019年の2度の737 Max墜落事故の一因となった可能性があります。

(後編に続く)