地方債を購入するもう1つの理由(前編)

FRBのパウエル議長が市場に対し、FRBによる2024年の数回の利下げ予想について発言して以来、債券市場が騒がしくなっています。

金利の低下は地方債の発行体の財務負担を軽減するはずであり、理論的には投資家は信用リスクの範囲をもう少し広げることをいとわないはずです。そして今のところ、それが起こっているようです。イールドカーブの下向きの動きは、米国債からジャンク債に至るあらゆる債券に対する上げ潮となっています。

この前向きなセンチメントは地方債にも広がり、52週間ぶりの高値付近で取引されています。地方債市場の関係者の中には、地方債を有利にする別の長期要因、つまり連邦債務の悪循環を指摘し始めている者もいます。

CBO(議会予算局)の予測によれば、数兆ドル規模の財政赤字が常態化する可能性があります。それは、遅かれ早かれ、合衆国政府が歳出削減か増税という難しい選択に直面することを意味する可能性があります。

将来、連邦所得税率が引き上げられた場合、連邦税が免除されるため、地方債はさらに魅力的になるでしょう。

それでは、ポートフォリオに追加するのに最適と考えられるクローズドエンド地方債ファンドを1つ見てみましょう。

Nuveen Municipal Credit Income Fund

Nuveen Municipal Credit Income Fund (NZF)のポートフォリオは、あらゆる信用格付けの地方債で構成されています。

NuveenのWebサイトには、このファンドの簡単な説明が記載されています。

このファンドは、アクティブに管理された非課税の地方証券のポートフォリオに投資することにより、通常の連邦所得税が免除される収益を提供することを目指しています。運用資産の最大55%は、購入時にBBB以下の格付けの有価証券、もしくは格付けされていない場合でもファンドのポートフォリオチームによって同等の品質であると判断された有価証券で、ファンドはレバレッジを使用します。

したがって、NZFはポートフォリオに投資適格債券と非投資適格債券の両方を含むファンドですが、所有する債券の大部分は投資適格債券で(A格付け28.2%、BBB格付け21.7%、AA格付け11.3%)、利回りとトータルリターンの可能性を高めるためにレバレッジを活用しています。
 

(後編に続く)