【はじめに】
嗚呼、1年も放置しちゃった。
まあ、現場感想ブログみたいになってたので去年2月のバレイベ参戦のみだったから結果ネタが無く放置と化した訳で。
そもそもここを開設したのはTwitterだと(長すぎて)書きにくいネタとか自分の好きなモノについてダラダラ書き記したいと思ったのがキッカケなので、昨年末から温めていたネタ(単に書くのが遅かった)を投下します。
アレのネタとかコレのネタを期待されていた方にはホンマすんません。
原点回帰します。
でも
推測·憶測·妄想
の三原則は大事にいきたいと思います。
あと今回のネタはどうしても何かの形にして自分の気持ちを残しておきたいなと思ってはや2ヶ月なんですが、なかなか上手く纏まらず何書けば良いのかすら分からなくなって彷徨ってしまいました。
悩みに悩んで辿り着いたのが今までと同じ、ライブレポート方式。
いつもは現場に来られなかった人(主に遠方の友人達)に向けて、覚えている限り現場であった事、観た事、それに伴って感じた事などを書いてちょっとでも補完して貰えたら嬉しいなと思っていました。
なので、今回に関しては内容を知っている方には退屈かも知れません。ストーリーを追いながら横からちゃちゃを入れます。
だから『読書感想文』だと思っていただいた方が適切かも知れないです。
はじめましての方にも一応分かるように、でもネタバレ満載でお送りします。
さらに原作小説を読み終えたばかり(書き始めはそうでした)なので分かりやすく影響を受けていると思います。
その辺を踏まえてお読み頂ければ幸いです。
それでは始まり始まり。
-------✂︎----キリトリセン----✂︎-------
今回俎上に上げるのはとある映画について。
そもそもが映画なんて年に1回観れば良い方で劇場に足を運ぶ事自体が稀でした。
まあ色々あって劇場にもちょくちょく行くようになったんです。
ある時「この世界の片隅に」という映画にどハマリし、それをとある友人に勧めたのが事の始まり。
ただ、勧めた張本人は大変に面倒くさい人間で、
超熱しにくく超冷めにくい
という性質を持っている上に、
(趣味の範囲において)人には勧めるが、勧められる事に全くと言っていい程興味を持たない
………分かっています。
ただのワガママな野郎ですね。
あ、石とか投げないで下さい〜。
で、上記作品を全力で勧めたのです。
実際に素晴らしい作品ですし、続編というか完全版というか「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」においてクラウドファンディングに参加し、映画を観て2ヶ月後に作品の舞台である呉へ旅に出たぐらい自身の何かを大きく揺さぶられました。
ああっ、話が逸れてしまいましたね。
その友人に勧めてから2年後、突然友人からの提案がありました。
「必ずこのせか観るから、交換条件として劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを観て欲しい」
(※これはやたら長い割にただの感想文です。優れた考察などをお求めの方はブラウザの新しいタブを開いて「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 考察」でご検索下さいませ)
「お前は何を言ってるんだ」(画像略)
………目が点になりました。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは京都アニメーション製作でTV版はさほど話題にもならんかった作品じゃなかったっけ?
(当時の認識、色々とアレでアレなのはスルーして下さい)
そもそも普段からアニメとかコミック、全くといっていい程に見てないんです。情報としては薄〜く拾っていますが。
人間、不思議なものでファーストインプレッションが悪いほど、どハマリした時の爆発力って凄いんですよね。
自分の人生に影響を与えたアイドル、ももいろクローバーZとの出会いもそうでした。
歌もすんごい下手くそで、さほど揃っていないダンス、当時勧めてくれたアイドル好きな友人(に「こんなん何がええの?」なんて言ってたかしら。
はい、『勧められるのがとても苦手(嫌といっても過言じゃないかも)』なこの性格なので真っ先に拒否反応が出ています。
…閑話休題。
交換条件を出されて、売り言葉に買い言葉で二つ返事をしました。(なんせ相手は2年経っても観てないんだし、まあええかの精神)
それから間もなく友人から「観たよ〜凄く良かったし感動した。子供と一緒にまた観たい」(意訳)とのメッセージが。
想定以上の好感触で本人、大変に喜んだのですが観てくれたという事は観ないといけないという事。
観る気もない映画を観に行かねばならんのです。
約束は約束です。
“指切り”をした以上、約束はちゃんと守らないと男が廃ります。
あとは観に行くタイミングだけ…と思ってた矢先にドルビーシネマでの上映決定の情報が。
どうせ観るなら良き環境で、と思いましたので友人には必ず観に行くよと約束したのです。
そして「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」との初遭遇。
あえて事前情報は0で。タイトルと製作会社以外何も知らずに観ました。
結果、大号泣。自分でも驚く程劇場で泣きました。
嗚咽を堪えたぐらい泣いたのは「ボヘミアン・ラプソディ」以来かなあ。
でも1回目の号泣はヴァイオレット・エヴァーガーデンの世界を知らずにいわゆる『人の生き死に』に見事に落とされた感が強かったんですね。ユリスとリュカ(その名でMother3を思い出したよ)の美しい友情にと父母、そして弟への手紙に感動した事が大きかった。
まだこの時彼はヴァイオレット・エヴァーガーデンの奥深さに全く気付いていませんでした。
なんせ、花火の時に横にヴァイオレットちゃんが居ない事に寂しがった社長は失恋したのかな?って勘違いするぐらいですからw
それでも何か引っかかる事があったらしく、彼はその後にWikipediaで情報を漁ります。
主題歌のTRUEって何や?→は? 唐沢美帆? 元グラドルの? へえ〜驚いた〜
劇伴担当は日本人じゃないの? へえ〜驚いた〜
みちしるべ→茅原実里だったの? なるほどなあ〜
↑これ、上記のファーストインプレッションが悪かった例になります。なんせあの感動的なシーンで突然声優っぽい妙な歌声(ごめんなさい、でも本当です)が聴こえてきて実は拍子抜けしたんです。なんでここで雰囲気ぶち壊しちゃうんだよって。
そして約束を果たし、それなりの感想を伝えた事で役目を終えた……はずでした。
(この日の本命はその後に観た「魔女見習いをさがして」でした。本当に本当に素晴らしい映画です)
後にあんな気まぐれを起こさなければ……。
最近時間があるとつべ(Youtube)漁りをするのが日課になっていて、たまたま何か面白え映像とかねえかなあと適当に検索していた所、「5分で分かるヴァイオレット・エヴァーガーデン」なる公式動画を見つけました。
まあ劇場版観た事だしちょっとぐらい話の流れを知っておくか、ぐらいの軽い気持ちでした。
多分本人の中に消化しきれない何かモヤモヤしたものが残っていたようです。
それが何かは今も分かりませんが。
そしてわずか5分で終わる映像×3本を観終わった時に、例の10話の存在を知ってしまったのです。
そうです、劇場版でもその10話には少し触れられており、友人からも話が繋がっていると聞かされていました。
何だよ、その10話そんなすげえのか? 食えるのか? 美味いのか?
遂に好奇心がグツグツと熱せられ始めました。
聞けばNetflixで全話とさらに外伝が公開中と教えて貰うも、サブスクの月額料金はなあと抵抗もあったんですが、とある日に暇を持て余してしまい「1ヶ月無料だよ」という悪魔の囁きにも抵抗できず気付けばアカウントを作成してしまったのです。
しかもそのタイミングと前後して個人的に縁のある京都の新風館(一度無くなったが再建された)という商業施設に出来た劇場で本作の上映、しかも特別音響でとの情報を入手しており、新風館に行く理由を作ってしまうのでした。
と、ここまでお膳立てしてしまったので1週間で13話+EXTRA1話+外伝を観て、本編を理解した上で再度劇場版を見直そうという計画を立て、そして実行に移しました。
Wikipediaを参考に記載しますので一応ソースの明示を
→
そもそも「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」って何やねん、という根本的な所からなんですが、劇場版を観るまでこれが人名だとは思いませんでした。
もうそういうレベルです。
(一応ね、一応)知らない方の為にめちゃくちゃ掻い摘んで書きますと、
幼い頃から『人を殺める』為だけに訓練されてきた記憶も言葉も感情も名も無い少女が、やがて1人の軍人と出会い、『軍人の武器』として育てられ、やがて戦場で彼を喪い、そこから『獣から人間へ』成長しながら『愛』を知っていく過程を描いた物語です。
この過程が非常に丁寧に描かれているので、彼女の成長が手に取るように伝わって来ます。
それに加えて映像は歴代の京アニ作品の中でも屈指のクオリティ。
いわゆる深夜アニメなのに劇場版のような美しい映像が毎話観られるのです。
そして劇伴、これが本当に素晴らしい。
作曲者のEvan Call氏も本作を知った上で曲を手掛けられたそうです。そりゃあ外さんわ。
さらに主題歌が出色の出来。
これも本作に寄り添うように歌詞が紡がれており、作品のそのものを引き立てています。
昨今、いわゆる作品とは関係ないタイアップ曲こそ減っては来ましたが、作品の為に書かれたとはいえここまで寄り添った歌詞になっている曲は本当に貴重です。
アニメが総合芸術である事を改めて“分からされた”気持ちでいっぱいになりました。
《第1話》いきなりOP映像も曲もありません。アバンタイトルのみが表示されるだけ。しかしホンマに映像が美しいし、この手紙が舞う映像は似たのを劇場版でも観たぞ。
なるほど、ホッジンズが身元引受人なのね。少しずつ関係性を理解していくアタシ。
車の中でぬいぐるみを渡すんですが、感情のない彼女にとって無用の長物。それを無理やりでも選ばせて渡したのに結局彼女の部屋に転がったままなのが切ない。
あとファーストネームは本来の後見人から頂いたのね。なるほど納得。
しかし軍人気質の上に、人との会話もまともに成り立たない。
あ〜あ、エヴァーガーデン家で預かって貰えなくなったw
郵便の手伝いを言われるがままにやらされるけど、彼女は戦場でなくてもめちゃくちゃ優秀なのね。
火傷の話…なんとなーく分かる。
カトレアさん、やっぱり凄い美人だし声がいいしエロいw
あ、遂にキーワード『愛してる』が出てきた。
ってスタッフロール…え? ED映像も無しなの?
うおっサブタイトルがラストに出てきたぞ!!
…この演出は鳥肌が立ちました。
シティーハンターのGet Wildや、ガンダムXのHuman Touchに連なる演出だ…。
まだこの時は、その後の話で幾度もこの演出にボロボロに泣かされる事も知らないのでした。
《第2話》またOP映像ありません。この作品はそういう感じ?
ヴァイオレットとギルベルトの初遭遇シーン。
でもちょっとだけ…。この時からずーっとヴァイオレットの髪ってボサボサなのよね。劇場版で気になってたんですよ。
少なくとも良いとこの坊っちゃんの所に居たのになんで髪の手入れしてないのって。
まあ、この疑問は8話までお預けになります。
自動手記人形(ドール)として働き始めるが、手紙じゃなくて完璧な報告書ですねw
博物館の案内をやってたネリネさんだ。この人があのおばあちゃんになるんだねえ。
後に理解するのですが、登場するアニメオリジナルキャラがやたら多い。でも配置が完璧です。無駄がありません。
その1人、エリカさんが今回の語り部のようです。
代筆で大失敗するんですが、その時にカトレアさんに大切な事を教わっています。
「言葉には裏と表があるの。口に出した事が全てじゃないのよ。」
このセリフを劇場版ではヴァイオレット自ら、ユリスに発してましたねえ。
しかし、この感情のない人形相手にカトレアさんもエリカさんもアイリスさんも根気よく相手してるなあ。
自動手記人形の由来をここで学ぶ。
やっとヴァイオレットがいつもの服装になった。
っておお〜EDテーマが流れてきた。
劇場版でひっくり返りそうになったあの曲だ。
1ヶ月分の社長の給料と引き換えに『形見のブローチ』(形見である事はまだ彼女は知らないのが悲痛なんだけど)が帰ってきた。
これも細かい演出ですが、ヴァイオレットちゃんはギルベルト少佐に関する事にだけ感情をあらわにするんだよね。
もうね、それだけで愛おしくなる。
あと、サブタイトルをキャラに言わせるのマジでカッコ良すぎやしないかね。
「私の愛馬は凶暴です。」じゃないんだから。
《第3話》自動手記人形の学校…しかも短期間で詰め込むヤツ。免許合宿みたいだな。
でも戦後の女性の社会進出というテーマにも取り組んでるのは凄いなあ。
それからヴァイオレットの顔付きが少し変わってるんですね。
2話までは年齢相応かそれ以下の少女の顔付きなんですが、本格的に自動手記人形として人前に出るからか、少しお化粧をした表情に。これまた後に気付くんですが、劇場版だとちょっとだけ顔の大きさも顔付きも大人っぽく変わってるんですね。
アニメでそこまで表現してしまうのって京アニにしか出来んだろ…。なんだこの会社。(絶賛)
手紙の内容以外はそりゃ完璧だよねえ。
で、ですよ。
自分に良くしてくれたルクリアの為に手紙を書こうとするシーン。一瞬、これまでのようにエヴァーガーデン夫人から貰った手袋を口で引っ張り外そうとして手で手袋を外すヴァイオレット。いやあ、素晴らしいねこの演出。自動手記人形として大事な事に気付けた彼女の気持ちが伝わって来る。
手紙渡す時に『任務』→『課題』→『手紙』2度も言い直した。
それだけで彼女の成長が分かる。
ヴァイオレットが初めて誰かの為に書いた手紙。
この手紙を読むシーンで号泣ですわ。
短いけど、ちゃんと伝えたい事が伝わる素敵な手紙。
後に手紙を読むシーンで毎回泣かされるとも知らずに…。
そしてようやくED映像を観る。最後のカットがとてもいいなあ。
これも後から思ったんですけど、ルクリアはアニメ版における重要キャラだと思うのですが、ヴァイオレットちゃん側からするといわゆる『親友』キャラの扱いでは無いですよね。確実に『友人』ではあるのですが。
少なくともヴァイオレットちゃんがそういう反応を示した所を観た事だがありません。気のせいかしらね。
いつもルクリアから声をかけてくれて「ルクリア…」って反応が多い気がするんです。
でも、ルクリアが教えてくれた大切な場所はヴァイオレットちゃんにとってもいつしか大切な場所になってたり、この3話のように彼女が成長するキッカケを(結果的に)与えてくれたり、自分が貰った手紙をローダンセ先生に報告して、卒業出来るように取り計らってくれたり、事ある毎に気さくに話しかけてくれたり…めちゃくちゃいい友人じゃないかしら。
【ということで】
まずは前編として1話〜3話の感想です。
そうです、今回長過ぎるのです。
なので区切って公開していきます。
良ければ続きもご覧頂けると幸いです。
それでは。
[2/17更新 リンクがちゃんと貼れてなかったので修正]