五感じゃなくて、七感なの知ってた? Radio on air! | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

左から水田薫アナ、石田チーフディレクター、わたくし

 

こんにちは。広島で多様性が認められる社会をつくろうと

インクルーシブ教育の普及活動をしている中谷美佐子です。

 

さて、私は毎月第2火曜日午後2時からラジオで

特別支援教育やインクルーシブ教育、発達障害等について

あれこれしゃべっています。

 

この番組の名前はMISAKO先生のVIVA!発達凸凹~s!

FMちゅーピーで放送されています。

 

気づけば、私は約5年、FMちゅーピーでしゃべっていて、

少しは広島も多様性が認められる社会に変わったかな?と問ってみるのですが

学校の先生達が口々に「全然、変わっていない。

子どもの行動の背景や理由が分からず怒って何とかしようと思っている人がいっぱい」

とおっしゃいます。とほほ~ですね。

 

地道な努力は、継続するからこそ意味がありますから

小さな積み重ねを続けていきたいと思います。

 

昨日のラジオでは感覚について、

五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)だけでなく
固有覚と前庭覚というのもあり、
それぞれの特徴についてお話してみました。


触覚が鈍麻だと、物をぎゅっと掴んだり、

重たい毛布などを好む人が多いということ。


触覚が過敏だと、人にちょっと触れられるだけで痛みや

不快感を感じる人もいるということ。
皆さんは知っていましたか?

 

「うちのお父さん、重ったい布団が好きでね。

せんべい布団いっぱいかけて寝るんよ~。

変わっとるよね~。私なんかふかふかの軽い布団がいいけどね」

なんて話している奥様方がいらっしゃいますね。

ひょっとすると、お父さんの触覚には鈍麻があるのかもしれませんよ。

 
そして、触覚過敏の子どもは
頭をなでられるのを嫌がったり、
手を握られるのを嫌がる、抱かれるのを嫌がる、
服を着るのを嫌がる、お風呂で体を洗われるのを嫌がる等あります。


反対に触覚が鈍麻で起こる行動としては
きついシャツを着たがるとか、手や腕をかむとか
頭突きをする子もいますね。


つまり、触覚に鈍麻があると自傷行為が多くなるのかもしれません。
一般的には自傷行為は自虐行為で、
情緒的に不安定なときに起こる行為と考えられているのですが、
自閉症の子はうれしいときにする子もいます。
 

次に味覚が鈍麻の人はとにかく辛くてスパイシーな食べ物が大好きです。

塩辛が食べられるお子さんもいますね。

ソースを瓶からごくごく飲む子どもだっています。

「うちの子、濃い味でないと食べないんです」というお母さんに

ときどき出会いますが、ひょっとすると味覚に鈍麻があるのかもしれません。

味覚に過敏がある場合は偏食になりがちです。
だから厳しい給食指導をされると不登校になってしまうことも。

 

でも、いいこともあって、
味の違いがよく分かるのでおいしい料理がつくれますよ。


そして、前庭覚という感覚。

「動きを感じる」感覚のことです。

前庭覚が鈍感だと、体が刺激を要求しますから

お子さんがぐるぐる回ったり、
「ぶらんぶらんして〜」とよくお願いされると思います。


一方、前庭覚が過敏だと、車酔いが激しくなりますね。
ボタンかけや靴ひもを結ぶのが困難だったり、
動いているときにすぐに止まれなかったり、
動作にコントロールが必要なスポーツが難しくなります。

次に固有覚という感覚ですが、
筋肉とか関節の動きを脳に伝えてくれる
目をつぶっていても分かるという感覚です。

固有覚が鈍感の場合は、物の扱いが雑になって
よく物を壊すことになってしまいます。

 

私の夫は小さい頃「しょっちゅう物をめぐんよ。自転車は3台めいだ」と

義母が話していましたから、固有覚に鈍麻があったのでしょう。

今はそんなに物を壊すことはないので

54歳になるまでに感覚が統合されてきたのだと思います。

※「めぐ」というのは広島弁で「壊す」という意味です。


あと、固有覚に鈍麻があると

高い所から飛び降りるのが好きな子が多いです。


物にぶつかって刺激を体に入れようともしますから、

結構、そこらじゅうでタックルしていると思います。

 

どうですか?

皆さんの周りにいるいろんな人達が思い浮かんだのではないでしょうか?

そして、自分にもあるなと思われた方も多いと思います。

 

人の行動には必ず背景や理由がありますから

一概に「おかしい」とか「変だ」等とは言えないのですね。

みんなそれぞれいろんな感覚があっていいのです。

 

昨日のラジオ放送では下記の本を紹介しました。

とても分かりやすくて楽しい本ですよ。

表紙をクリックすると詳細を見ることができます↓

 

もっと深く感覚について知りたい方は6月2日(土)3日(日)に

講習会を開きますので参加してみて頂ければと思います↓

学校や家庭で活かす感覚統合入門講習会基礎コース2018広島


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