不登校児童生徒への支援の在り方について(通知) | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

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主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

広島でインクルーシブ教育と発達障害への正しい理解をすすめている

日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。

 

さて、先日(9月14日)に文部科学省から

不登校児童生徒への支援の在り方についての通知が出ていたのですが

なかなかブログに書く時間がなく、今頃になってしまいました。

 

冒頭に

「不登校については,取り巻く環境によっては,

どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要がある」

「不登校は『問題行動』ではない」とはっきりと謳われています。

 

画期的な文言です。

 

そして、学校外の学び(フリースクールも含む)も

かなり触れられています。

 

時代の変化に対応した内容です。

 

なんだか私が言いたいことを全部言ってくれている内容で

これから日本の教育も多様になっていくのではないかと

ちょっと期待してしまいます。

 

しかし、期待するだけではいけません。

各々が自ら動いて、みんなでより良い学校をつくっていくことが必要です。

 

じゃ、どうしたらいいのか?

 

まずは、ちょっと見方を変えてみるといいです。

 

先生の話を聞かずよくしゃべるうるさい→発言力がある

すぐに席を立つ→行動力がある

忘れ物が多い→おおらか

 

などと見方を変えて、

そこを活かせるような言葉がけと

代替行動を一緒に考えていくことから始めると

きっと、いい事がたくさん起こると思います。

 

ここからは、

不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)の一部抜粋です↓

 

報告においては,不登校児童生徒を支援する上での基本的な姿勢として,
(1)不登校については,取り巻く環境によっては,

どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要がある。

また,不登校という状況が継続し,

結果として十分な支援が受けられない状況が継続することは,

自己肯定感の低下を招くなど,

本人の進路や社会的支援のために望ましいことではないことから,

支援を行う重要性について十分に認識する必要がある。

 

(2)不登校については,その要因や背景が多様・複雑であることから,

教育の観点のみで捉えて対応することが困難な場合があるが,

一方で,児童生徒に対して教育が果たす役割が大きいことから,

学校や教育関係者が一層充実した指導や家庭への働き掛け等を行うとともに,

学校への支援体制や関係機関との連携協力等のネットワークによる支援等を

図ることが必要である。

 

(3)不登校とは,多様な要因・背景により,

結果として不登校状態になっているということであり,

その行為を「問題行動」と判断してはならない。

不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し,

学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い

共感的理解と受容の姿勢を持つことが,

児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要 であり,

周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が社会性や人間性の伸長につながり,

結果として児童生徒の社会的自立につながることが期待される。

という観点が示されたところです。
 

1  不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方

(1)支援の視点

不登校児童生徒への支援は,

「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,

児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,

社会的に自立することを目指す必要があること。

また,児童生徒によっては,

不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,

学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが

存在することに留意すること。

 

(2)学校教育の意義・役割

特に義務教育段階の学校は,

各個人の有する能力を伸ばしつつ,

社会において自立的に生きる基礎を養うとともに,

国家・社会の形成者として必要とされる基本的な資質を培うことを目的としており,

その役割は極めて大きいことから,

学校教育の一層の充実を図るための取組が重要であること。

 

また,不登校児童生徒への支援については

児童生徒が不登校となった要因を的確に把握し,

学校関係者や家庭,必要に応じて関係機関が情報共有し,

組織的・計画的な,個々の児童生徒に応じたきめ細やかな支援策を策定することや,

社会的自立へ向けて進路の選択肢を広げる支援をすることが重要であること。

さらに,既存の学校教育になじめない児童生徒については,

学校としてどのように受け入れていくかを検討し,

なじめない要因の解消に努める必要があること。

 

また,児童生徒の才能や能力に応じて,それぞれの可能性を伸ばせるよう,

本人の希望を尊重した上で,

場合によっては,教育支援センターや不登校特例校,

ICTを活用した学習支援,フリースクール,夜間中学での受入れなど,

様々な関係機関等を活用し社会的自立への支援を行うこと。

 

その際,フリースクールなどの民間施設やNPO等と積極的に連携し,

相互に協力・補完することの意義は大きいこと。
      
(3)不登校の理由に応じた働き掛けや関わりの重要性 

不登校児童生徒が,主体的に社会的自立や学校復帰に向かうよう,

生徒自身を見守りつつ,不登校のきっかけや継続理由に応じて,

その環境づくりのために適切な支援や働き掛けを行う必要があること。

 

(4)家庭への支援

家庭教育は全ての教育の出発点であり,

不登校児童生徒の保護者の個々の状況に応じた働き掛けを行うことが重要であること。

また,不登校の要因・背景によっては,福祉や医療機関等と連携し,

家庭の状況を正確に把握した上で適切な支援や働き掛けを行う必要があるため,

家庭と学校,関係機関の連携を図ることが不可欠であること。

その際,保護者と課題意識を共有して一緒に取り組むという信頼関係をつくることや,

訪問型支援による保護者への支援等,

保護者が気軽に相談できる体制を整えることが重要であること。 

 

詳細はこちらから読んでみてください↓

不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1375981.htm
 

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NPO法人日本インクルーシブ教育研究所