広島でインクルーシブ教育の普及活動と
学習・発達支援員を養成している
日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。
さて、今日はラジオ放送日でした。
毎月第2火曜日午後2時~
FMちゅーピーすまいるパフェ
MISAKO先生のVIVA!発達凸凹~s!という番組に
私は出ています。
今日のテーマは「ディスレクシアな人々の苦悩」でした。
ラジオでお話した内容を簡単にまとめてみますね。
まず始めに水田アナにディスレクシアの人が書いた
文章を読んでみてもらいました。
やはり、読みずらいというか
何が書いてあるか分からないということで
どうしたらこんなことになってしまうんだろう?
学校でちゃんと勉強しなかったのかな?等と
たいていの人が思ってしまうんですね。
私が水田アナにお見せしたのは
読み書き困難がある井上智さんが
フェイスブックに投稿されたご自身の手書きの文字です。
井上智さんというと、皆さんもご存知のこちらの著者です↓
私はこの本を始めて読んだとき
涙が止まりませんでした。
そのくらい井上さんの苦しみが私に伝わってきたのです。
皆さんもぜひ、この本を読んでみてください。
子ども達が決して怠けているわけではないことが分かります。
さて、井上さんですが、手書きではなくて
パソコンなどで文字を書くと素晴しい文章を書かれる方です。
以下は井上さんがフェイスブックに投稿された内容です↓
「啓発活動」
見て驚くなかれ!ディスレクシアを理解していない方は、思いっきり引くかもしれない(・_・;
これが、現在53歳の僕の読み書き能力です。
恥ずかしいとは、もう思はない!
こんな人が100万人いるのだ!隠して生きているのだ!
自分の住所でさえ間違える。
レンタルビデオの会員証を作るのも大変な作業なのだ!
「答えを分かっていても、出力するのに時間がかかる」
今までは恥ずかしくて言えなかった事がたくさんある。
子供の場合、問いかけられれば答えられる。
しかし記述出来ないから、分からない事にする!
隠しているんだ。自分の状態を説明、出来ないから!
理解してもらえないから!
やる気が無い様に見えるのは、疲れ果ててるんだ!
その後の人生を想像できる人は少ない。
僕の記述試験の難しさは、ここにある。
音韻操作に大きく問題がある為、
頭の中にある言葉を音に変換する作業、
音と文字を一致させる作業、
とても遠回りな作業が頭の中で起こっている!
言葉・文字(記述する)を並べる為に「PC入力」する為、
漢字に変換する為「ひらがなを正確に思い浮かべる必要がある。」
小ちゃい「ゅ」小ちゃい「っ」など、どこに入れたら正確に変換するんだ!
僕にはアラビア文字なんだ!
問題・回答の意味が分かる以前の問題です。
だから、選択式や⭕️❌は分かりやすく、
読むのに時間はかかるが、
ほとんどの資格試験は受かる。
口頭だと、もっと楽^_^
楽をしようと考える訳では無い。
50を過ぎても方法が有れば、
学習能力は、識字能力は、確実に上がる!
ましてや子供だと、もっとだ!
特別支援学校に僕の様なタイプは少ない!
通常学校に多くいるんです。
とても見つけにくいと思います。
高学年になる頃には隠す術を二次障害として身に付けています。
どうかどうか、その子のサインを見つけてあげて下さいm(__)m
「隠して学校生活を送っている子供を1日も早く見つけて、
その子に合った学習方法を!その機会を与えて下さい。」
教室で友達と並んで勉強がしたいんだ!お願いしますm(__)m
僕もADHDを重ね合わせています。
ADHDが更にディスレクシアを引っ張る結果になります。
ほとんどの発達障害児はアスペルガーやディスレクシア、
ADHDを重ね合わせて持っています。
何が主障害で、どの程度の割合なのかも学習方法を探す上で
知ることが大切なのかもしれない。
努力の問題では無いんです!
理解の問題です!
方法の問題です!
昔の様な根性論は発達障害児を潰してしまいます。
社会に役立つ才能を潰してしまいます。
専門家・研究者の方々に耳を傾けて下さいm(__)m
先生方にお願いしたい。
何の方法もなしに社会へ放り出さないで欲しいm(__)m
どうか方法を一緒に探して下さいm(__)m
将来その子が生きていく為の方法をm(__)m
↑ここまでが井上智さんが書かれた文章です。
どうですか?素晴しい文を書かれる方でしょ。
そして、この文章を読むと、井上智さんが学校で
どれだけ苦悩してこられたか分かりますね。
実は井上智さんのような子ども達が
通常学級にはたくさんいるのです。
文部科学省は、学習面または行動面で著しい困難を示す
子ども達は6.5%いるという推定値を出しています。
この調査は教員への聞き取り調査から出た数字なので、
もし専門家が調査したら、、、
私の勝手な憶測ですが、
もっと高いパーセンテージが出るのではないかと思っています。
つまり、1クラスに2人くらいは
知的障害がないにもかかわらず、
学習面で困っている子ども達がいるということですよね。
だから、通常学級の先生方や非常勤講師、
特別支援教育アシスタント等にはとにかく現状を知って頂きたいのです。
まずはインターネットで学んでみてはいかがでしょう?ということで
【国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育情報センター】を
今日はご紹介しました。
こちらは学校関係者向けに「支援の方法」や「子どもへの関わり方」を
無料で学べるようになっています。
また、私が運営している日本インクルーシブ教育研究所でも
来月10月2日から第2期学習・発達支援員養成講座を開始しますので、
広島でも勉強できる場を設けています。
この養成講座は
インターネット上で受講する入門コースを修了していることが条件で、
10月~6月の計9回、東京や大阪、広島等から講師をお呼びして、
DVDを使った座学のほか、疑似体験やワークショップ等を通じ、
子どもへの関わり方を学びます。
いずれも日曜もしくは祝日の午前10時15分~午後5時で、
受講料は会員が68,000円で、非会員は88,000円。
1コマ3,000円(会員)、6,000円(非会員)で聴講もできます。
それで、開講前に発達障害の支援をテーマにした説明会を、
9月19日(月・祝)に広島市中区地域福祉センターで開きます。
先着60人で、申込は9月15日まで、参加費は無料です。
お申込はこちらからです↓
日本インクルーシブ教育研究所
視力の弱い人がメガネをかけるのは当たり前ですね。
そのように発達障害のある子どもには、
特性への理解と適切な支援が必須ですから
日本インクルーシブ教育研究所では
全ての子どもが学びやすい環境を整えていく活動をしています。
応援を頂けると嬉しいです。
とまあ、こんな話をラジオでしました。
では、学習・発達支援員養成講座の無料説明会のお申込は
9月15日に締め切りますので、ご希望の方はお申込はお早めに↓
学習・発達支援員養成講座 無料説明会 9月19日(月・祝)開催