*相互理解への道* 気をきかせる編 | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

先日、ある人から職場でのことについて
相談を受けました。

以下、相談者からは了承を得ている
内容のみ書きます。

会社の研修で、その日は外部から
ストレスマネージメントの
講師を招いていたのだそうです。

それで、予め研修会の担当決めをしていて
ご相談くださった方の担当は
講師の先生を控室へご案内して
お茶だしの係だったのですが、、、
(ここがポイントです!)

(講師の先生の荷物運び担当になっていた)同僚を見ると、
目の前に重い荷物をえっちゃらおっちら運んでいる人を
ぼーっと見つめていたのだそうです。

彼はすぐにその人が講師の先生だと気づいて
「先生、荷物をお持ちしましょう」と言って
先生の荷物を持ったのだそうです。

そうしたら、その横で、
(講師の先生の荷物運び担当になっていた)同僚が
即座に「◯◯さんは、部長の指示(担当)に従って下さい」と
言ってきたのだとか。

それで、気を効かした彼は頭にきたらしく
私に相談というか、こういった場合の対応の仕方を
教えて欲しいと言ってこられたのですね。

これは自閉症の人達と平均的な発達をしている人達の間で
よく起こる典型的な例です。

自閉症の人は気づいたり察したりすることが困難なため
頑なに決められたことを守ろうとします。
同時に他者にもその決まりを守らせようとする場合が多いようです。

一方、平均的な発達をしている人達は
察することや気づくことができますから
決められたこと以外のことも
臨機応変に対応することができます。

この両者の違いから、自閉症の人達の一言が
平均的な発達をしている人達を怒らせてしまうのですね。

互いに「気を効かせることができる」人と
「決まりを頑なに守りたい」人がいるということを
まずは理解することが必要です。

こういった違いがあることを知っていれば
おのずと両者がどのように理解し合えばいいか分かりますね。

そう、自閉症の人は、こういった違いがあるのだと気づけば
「気を効かせてくれてありがとう」と言って
他者に感謝できます。

そして、平均的な発達をしている人は
「自閉症の人達は、気づくことへの困難さがあるのだな」と思って、
その人の障害特性に腹を立ててもしかたないと
自分に言い聞かせながら、
自閉症の人達の一言を受け流せる修行を
積み重ねていくことが必要かもしれませんね