喧嘩ばかりしている子ども達への支援 | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

毎日毎日、殴り合いの喧嘩にはなってはいないものの、激しい口喧嘩などを繰り返している子ども達がいます。平均的な子ども達は喧嘩をすることで「人はどうやって生きればいいか」ということを自分で考えて学ぶことができます。それが難しいのが発達凸凹の子ども達です。だから、支援がいるんですね。

この支援がないままに育つから、発達凸凹の子ども達は、衝動性を押さえられなかったり、周りからの理解が乏しいためにエネルギーを発散させる場所がなかったりして、傷害事件を起こしたりすることさえあります。

社会全体でこの子達をどのように育てるかを、しっかり勉強することは(法律もできていることですし)必須です。私達大人はこの子達の育て方が「分からない」では済まされないのですね。あたたかいまなざしを持って、見て分かりやすい具体的支援をすれば、この子達はちゃんと成長していきます。

さて、私達大人はよく子ども達に「反省」をさせようとします。一般的な子どもなら記憶がしっかりしているので反省することができます。しかし、発達凸凹の子ども達は短期記憶が弱いため、反省しようにも何を反省したらいいのかさえも覚えていることができません。

そのため、親や先生に叱られないようにするために上手に「反省したふりをすること」を覚えていきます。「反省したふりをすること」を覚えると、周りの大人はこの子達が理解していると勘違いします。

でも、彼らは、叱られただけでは何が悪かったのか?どうすればよかったのか?を理解できないのです。どういった理由で叱られて、これからどうすべきかを具体的に教えられていないと、また、同じ過ちを繰り返すことになります。そして、また怒られます。その繰り返しによって、発達凸凹の子ども達は自己肯定感を失っていきます。

自己肯定感のない子ども達は「どうせオレなんか、何をやってもダメだ」と言うようになり、次第に自分の困難さを隠すために人を批判したり、バカにしたり、反社会的行為をしたりするようになる可能性が高くなります。こういった流れを食い止める方法をしっかり勉強することは私達大人の使命だと、私は思っています。

例えば、ルールを見て分かりやすく明確にする方法があります。

[いい行動]
・喧嘩になる人の近くへ行かない        
(愛を持って見て見ぬふり)             
・腹が立ったら深呼吸10回する        
・ストレス発散させる(マットをパンチ等)    

[悪い行動]
・人を殴る、蹴る
・喧嘩する

① 
まず、このルールを守って欲しいことを伝えます。

② どうしてこのルールを守って欲しいかの理由を伝えます。
「理由は、人を殴ったり蹴ったりするのは犯罪です。犯罪は絶対してはいけないことです。だから、このルールを守ってください。工夫をすれば大丈夫です」

③ ○の部分をちょっとでもしようとしたら即座に褒めてやります。これを私達大人が繰り返すことで、子どもに良い行動が定着していきます。私達大人はどんなささいなことでも子ども達の良い行動を見逃してはなりません。どんなささいなことであっても私達大人が子ども達を褒めてやることで、子ども達は「ぼくを(私を)先生は(親は)見てくれている」という喜びを感じることができます。そこから信頼感が生まれてきます。

④ 
一方、×の「殴る・蹴る・喧嘩する」は無視してはいけません。速攻、止めに入ってください。そして、「喧嘩はダメ!」と強い口調で短く叱ります。
※ 注意!○の部分を常日頃からたくさん褒めていれば、たまに叱ることが効果をあげます。日頃から悪いところばかりに目を向け叱ってばかりいると悪い行動が定着していきますので、私達大人はいつ何時も心して彼らの良い行動に目を向けることが大切です。私達大人ができて当たり前と思うことであっても、彼らにとっては大変な思いで、その良い行いをしているということを知っておいてください。

こうやって、私達大人が彼らのがんばりを認めてやることで、ちょっとずつ、彼らは衝動性を抑えることを学んでいきます。また、それに代わる方法(深呼吸、個々に必要なストレス発散法、物事の捉え方を変える等)で自分をコントロールすることを覚えていきます。

発達に偏りがあっても、幼少時から適切な支援をして(障害特性に配慮しながら)訓練すれば、着実に成長します。平均的な子ども達よりも遥かに高い精神性を持つことができるまで成長する発達凸凹の子もいます。

親や教師が「この子はダメだ」と思っていれば、その子はダメなままになります。「この子はすごい才能を持っている。きっと、すばらしい成長をするに違いない」と信じていれば、その子はそのように成長していきます。