一切のスピリチュアリティを排除して単に自己の望みを叶えることだけに特化した時、我われは如何に思考すべきなのだろうか。


私は四次元、五次元、六次元といった世界を幾度となく旅してきた。その世界に居る時の私を思い出せば自ずと「思考」をどう扱うべきかがわかってくるはずだった。

だが実際はそう簡単ではなかった。訪れる次元が高ければ高いほどこの三次元物質界の私とはかけ離れた意識状態になっているからだった。

 

当然ながら何をするにしてもマインドが瞬時に具現化する。これは四次元アストラル界でも同じであるがその質は全く違う。創造にあたって対象物を改めて意識することはない。すべてが呼吸のように自然になされる。しかも創造に限界はない(ここで言う“限界”は自分が思う限界である)。これは次元(意識状態)が上がれば上がるほどそうだ。


次元が上がるということは意識がよりピュアになることを意味する。だからその世界からこの物質界に帰還してもそこでの体験をこの物質界でどう活かしたらよいか? それが具体的に全くわからないのである。三次元的思考が全く通じないのだ。ただ素晴らしい体験をしたという感覚しか残らない。


だが最近、私は四次元アストラル界を訪れることができるようになった(*1)。これについては何度かお話ししているが体外離脱ではなく自己の意識を分離してそこへ飛ばすという方法を用いる。

 

四次元アストラル界は一言で言えば感情の世界である。この物質界とよく似ている。だが時間は存在しない。時間が存在しないのは高次の世界と同じで我われ(意識体としての)の本来の状態である。

そしてこの世界も高次元同様、すべてがマインドで瞬時に具現化する。四次元アストラル界は時間の存在しない物質界と言ってもよいだろう。俗人的な思考と感情を保ちながらもマインドですべてが具現化する。そこには俗人が望む最高の世界がある。


さて本題に戻ろう。四次元アストラル界が物質界と酷似していることから三次元物質界に帰還した後、両者の違いが明確にわかる。ここで重要になるのが両世界における「思考」の違いである。三次元物質界と同様の思考と感情を持った世界(四次元アストラル界)でどのように思考がなされ創造に至るのか。これを理解しそれをそのままこの物質界で実践すればよいのである。


私は四次元アストラルで創造行為を行う時、それができるかどうか考えることはなかった。考えてみれば当然である。アストラル界には時間が存在しないのだから。そのような思考自体が存在しない。だがそれを実際に体験してみることは極めて重要なことであった。言葉ではわかっていても実際に体験すると私の(創造のための)思考に対する意識状態は大きく変わった。波動が変わったのである。これこそが信念と体験の違いであり、“知る”ことの意味であった(*2)。


私は何であってもまずやってみた。結果など考えない(結果を考えるのも時間軸上の思考である)。その時、私の意識にあるのは“やってみる”という思考だけ。それ以外何もない。


では具体的に具現化はどうすればよいのか。

具現化(創造)のために絶対に有ってはいけないものが願望である。願望がある時点で具現化は不可能である。願望と具現化は対極に位置するものだ。

基本的に“願望”は将来、こうありたいと願うことである。

その思考のベースにあるのは時間軸である。我われの“意識”にとって時間という概念は存在しない。この時間という概念に基づいて生まれた思考は意識にとって非常に厄介である。だから何もできずにその状態、つまり願望を抱いている状態を維持してしまう。結果、ネガティブな思考を生んでしまう。

 

次は執着である。執着は欲と言ってもよい。これらは持つべきではない。これらがあっても具現化は可能であるが概してそれは不完全である。自分の求めているものではない。


執着や欲があるという状態は求めるものが望んだように手に入らないことを意味する。すべてのことが水道の蛇口をひねるように手に入る状態にあれば執着する理由はないだろう。執着はコンビニで水を買うようなものだ。

 

よって具現化は単に意識だけすればよいのである。蛇口をひねって水を飲むようにあるべき状態を意識する。これで終わりである。後はそれが具現化されるのを待てばよい。意識した時に創造は終わっているのである。物質界では具現化にタイムラグがある。この間に具現化を否定するような思考をしてはいけない。これが多くの人が失敗する理由であろう。

 

私はかつて願望実現の方法として次のようなことを申し上げた。それは、

「“こうありたい”という願望があったならその望みの対象を心に植え付ける。そしてそれを忘れる。すると早晩、結果が現れる。結果が現れることによって “そういえばこういう願望を持っていたなあ” と思い出す。」これは私が昔から何度も経験してきたことであった。当時は理由がわからなかったが実際、その通りなのである。

できれば四次元アストラルで実際に創造体験をして欲しいが知識として“知って”いれば必ず役に立つ時がくる。


(*1)自己の意識を保った状態で四次元アストラル界へ入るには凸レンズ状物体にプラーナ粒子の渦巻(ヴォルテックス)を発生させてそこに孔を開け、その中に入っていく。孔を完全に通り抜けてしまうとパラレルワールドへ出てしまう。パラレルワールドへ入ると人格が入れ替わってしまうので孔を途中下車する。孔の途中で壁の中に入るのである。そして砂色の何もない壁の中を前へ前へと進んでいく。そうすると目的の四次元アストラル界へ出られるようである。

(*2)体験によって“信じる”から“知っている”に変わる。対象物に対する信頼度は100%である。“信じる”ことは決して100%にならない。たとえそれが99.9999%であっても同じだ。マインドの力は雲泥の差である。