私はすでに永く純粋な体外離脱をしていない。次元で言えば五次元以上の世界だ。そこは純粋な波動のみが存在する何の穢れもない美しい世界である。体外離脱に“純粋”なものとそうでないものがあるかは別にして五次元以上の世界は一元性の純粋な世界だから私はそのように区分している。

私は五次元以上の純粋な体外離脱で人間に出会ったことはなく、その世界を一人、探索者として訪れる(*1)。体外離脱時に人間が存在する世界も訪れるがこちらはパラレルワールドだろう。どちらの世界も非常にクリアである。

私は夢との対比でしばしば“クリア”という言葉を使うが実際にそこでの景色のクリアさには感動する。“クリア”をわかりやすく言うとDVDとブルーレイのような違いである。加えて五次元以上の世界はカメラの極彩色モードを使用した感じでさらに美しい。


体外離脱のほかに私が“意識の移動”(*2)と言っているものがあるがこれも最近は全くない。こうした純粋な体外離脱や意識の移動がなくなってしまったのは寂しい限りである。

そして代わりに現れたのが夢と体外離脱のハイブリッド型の体験である。これは夢と体外離脱の中間的なもので夢の特徴を持った体外離脱である。視野が狭く映像(景色)がクリアではない。セピア色の時もある。その上その時の意識状態でシチュエーションがコロコロと変わる。まさに夢そのものであるが私自身は離脱状態にあることを認識しておりそのように行動している。そしてその世界からの帰還はチャクラの次元のポータルを使う。ポータルから抜け出ると目の前にスクリーンがあって自分がさっきまでいた世界がそこに映し出されているのを見る。そして徐々にその景色(スクリーンの映像)がフェイドアウトしていきこの世界に帰還となる(このことから夢でないことは確かである)。


実はこのハイブリッドタイプに移行する前に夢と体外離脱の両者を行ったり来たりする体験をしている。夢はストーリー性を無視してシチュエーションが次から次へと変化するがこの時に体外離脱へ移行するのである。おそらく夢の目的である感情の浄化が無事完了したからであろうがその後この世界に帰還せず(目覚めず)、夢の中で私が興味を持ったものへ意識の焦点が当たってその中へ入っていくのである(*3)。

これが夢から体外離脱への移行である。だがこの時、訪れた世界が未完成である場合が多々ある。そこが絵画の世界であったり(これも白黒の簡易なデッサン程度のものからちゃんとした写実画までいろいろある)、実物であるが周囲の建物などの詳細部分がまだ完成していなかったりといろいろである。最初に入り込んだ場所では見渡す限り完全な実物の世界であったが移動している途中から絵画になっている(まだ完成していない)というのもある。

美しい大自然を愛でながらその上空を思いのままに飛行しているはずなのに眼下に広がっているのはピントのぼけた絵画の森なのである。

 

そして最近はこうした不完全な体外離脱も減りつつある。その理由は何だろう。そもそも体外離脱はなぜ起こるのだろう。

これについて「ライトボディの目覚め」(大天使アリエル&タシラ・タチ-レン著/ナチュラルスピリット)では次のように言っている。

「体外離脱は本来多次元的且つ広大な存在である人間が物質によって限界づけられた肉体にいる存在というパラドックスを解消したいという思いによって起こる。」

言われてみればその通りである。本書ではこの両方が完全に存在することを受け入れ、両方の極を同時に保つことが必要だという。私はこのことも十分認識しているつもりだ。私はただ、美しい未知の世界を自由に探索したいだけなのだ。本書では物質界にいてもスピリットとつながっているという至福感で体を出たり入ったりする必要はなくなるとも言っているがそうなのか。私は好奇心が特別強いのだろうか。これは私が純粋な体外離脱を何度も体験しているからかもしれない。もしかしたらその世界が本来、私の居るべき世界であり故郷であるから故郷に戻りたいという魂の希求かもしれない。


では今後、私の体外離脱は何処に向かうのであろうか。チャクラのポータルを使っても夢の世界へ送り込まれる可能性が高い。実は先日、夢から体外離脱へ移行した。そこには夢ではないクリアな世界が広がっていた。私の意識が何かに焦点を当てているということもない。視界も広い。周囲も見渡せた。それに私自身も離脱していることを認識していた。明らかに私は離脱状態にあった。目の前には海岸の風景が広がっていた。幾つもの先の尖った岩山が海から突き出ている。何とも美しい景色だった。私はその景色を空から堪能したいと思った。私は飛び立とうと空に向かってジャンプした。私は軽く地面を蹴ったがその時、肉体の足が動いて壁に当たり、その瞬間この世界に戻らされてしまった。離脱した状態でこのように肉体と連動したことはこれまでなかった。どうやら私は肉体とエネルギー体が融合しているらしい。「ライトボディの目覚め」によればチャクラが融合していくと肉体と他のエネルギー体も一体化していくという。体外離脱がなくなったのはこれが原因だろうか。そうであれば今後、純粋な体外離脱体験は難しいかもしれない。

(*1)五次元以上の世界はおそらく私が創造した世界であろう。

(*2)「意識の移動」は体外離脱の一パターンである。通常仰向けに寝た状態で自分(の意識)が頭頂方向に向かってスライドして移動する。少し水平移動するとすぐに下に向かって落下するように移動し、その後再び水平移動に移る。移動速度は感覚的に時速30キロ前後である。落下時は時速100キロ以上に感じる時もある。落下から水平移動になると徐々に速度を落とし着地する。着地場所は様々である。
(*3)これまでに何度か述べているが写真や絵画の中に入ることができる。その中に入るとその写真や絵画の世界が広がっているのである。