たったひとつとなりの駅に行けば
そこにはあまり馴染みのない構築物や風景が広がり
顔も名前も知らない人が足早に行き交う。
どうしようもなく息苦しくなって閉塞感の中に閉じ込められるとき
最近はいつのまにか電車に飛び乗っている。
そして自分の街ではない見慣れない駅に降り立って
すっかり見知らぬ人になれたとき僕は心から安堵する。
ひたすら宛てもなく歩きながら
次々にすれ違う人々のざわめきの中に身を任せていると
少し狂いかけていた世界との距離感が次第に整っていくのが分かる。
ひとり山に入ったときの静けさ
見知らぬ人々のざわめきと街のノイズ
そのちょうど中間あたりに心のバランスはあるのかもしれない。
歩き疲れてとりあえず最初に目に入ったお店に入る。
今の時代を象徴するような両側をパーテションで仕切ったひとり掛けの席
1人飲みなら返ってその方が落ち着く。
通りを交差する人々をどれだけ見ていても飽きることはなく
ちゃんと夕暮れの街に紛れ込めたんだという安心感が胸にひろがる。
人の心はまるでピラミッドの頂点でバランスを保つ球体のようなもの。
だから子供達にもいつも心を配っていたい。
最近は中学校(授業、生徒会、部活)にお勉強や模試ばかりだった次女を
日曜に僕の近隣都市へのふらり旅に誘ってみた。
すると「いきたい!いきたい!」と言うのでさっそく出かけた。
駅ナカのイタリアン&クラフトビールのお店で昼食を済ませたあと
近くのショッピングモールをぶらついた。
いつの間に次女は女の子に脱皮していたんだろう。
とても洋服に興味がある様子だったので
「クリスマスプレゼントに買ってあげるよ」というと
中学生らしいのかどうか知らないがかわいい袋みたいなコートを選んでいた。
「モンスターコート!」とか言ってたけどいったいいつそんなの調べてるんだろう。
ツイードみたいな生地のスカートも一緒に買ってやると
なんとも嬉しそうな表情を浮かべていた。
長女の時もそうだったが女の子のストレス解消はやはり洋服だな!
最後は甘いもので締めていい日曜日だった。


