伊奈利短歌 短歌集① 「トンカツ未来」 75歳デビュー記念短歌10首など30選
2023年3月、75歳短歌デビューすることになった。その12月に大腸がんが肝臓に転移してがん宣告を受けた。2024年3月から化学療法、抗がん剤治療を受けたが、その副作用の口内炎、味覚障害は何も口にできないぼどの痛みがあり、この1年で約8㌔の激痩せになった。この時に頭に浮かんだのがせめて「トンカツ」を食べてから死にたいとの願いがこの短歌集のタイトルになった。
デビュー短歌10首〜題材 ボケ防止
散歩でも目的持てば一万歩
当てなき旅は苦行の春
その歳で運転止めと言うけれど
聞く耳持たぬ頑固老人
また一人知人友人ボケていく
もう何を言っても無駄になる春
仲間うち最近あいつボケている
そういうお前も笑われへんで
混んでます年金支給日ATMに
並んだ老人小さな笑顔
年取れば食細くなりアイスクリーム
一個食べれば昼飯食えぬ
著名人亡くなるニュース年下やん
あゝ、忙しない忙しない春
老人会お誘いあるも断わった
老人よりは若い人好き
老人は枯れているだと誰が決めた
わし生乾きまだ青春
楽しみは美人人妻ウォッチング
妄想だけで若返る春
題材…深い悲しみ (631~632)11~12
看取られて死ぬのは一人さようなら
深い悲しみ遺族に残し
せめてならトンカツ食べて極楽へ
この世に未練残さないため
題材…星の輝き (634)13
流れ星願いは一つがん退治
負けるな伊奈利老人の星
題材…陶酔 (635~636)14〜15
陶酔し我を忘れて喜ぶ姿
感性豊か人生楽し
感動も人にとっては違うもの
数多いほど陶酔もある
題材…青い薔薇 (599)16
好きなこと研究して金になる
そんな理想の仕事がしたい
題材…陶酔 (636~637)17~18
感動も人にとっては違うもの
数多いほど陶酔もある
陶酔し我を忘れて喜ぶ姿
感性豊か人生楽し
題材…鎮静 (535)19
叫びたいそんな気持ちを鎮さえたら
心静かに春を待てます
題材…友情 (637~638)20~21
同世代逝く時期までも同じかな
喪服出番も忙しくなり
友情もたまにおせっかい困りもの
座禅は一人静かにやるの
題材…猛毒(639~640)22~23
猛毒を一番恐れ怯えてる
プーチン金さん習近平
毒殺は世界の歴史花盛り
実行するは裏切り者よ
題材…居酒屋 24~25
安い酒愚痴まで安く酔いつぶれ
嫁と娘に愛想つかれる
居酒屋は男の涙捨てどころ
同志募って乾杯の夜
題材…病院 26~27
同じなら綺麗で親切優しい
そんな病院見つけてやる
看護師に車椅子押され手術室
まな板の上の鯉の心境
題材…花の一生 28~29
薹が立つそれから花が咲くのです
色気忘れたらただの爺婆
さくら散る後に残るは濡れ落ち葉
妻に迷惑金魚の糞
題材…戦争 30
戦争を憎み平和を待ち望む
地球救うはも〜愛しかない
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