★~自己破産・衝撃の告白…9話
三人の間に隙間風が通り抜けたが、それよりことを大きくしたら取り返しがつかなる事態になるとまず美雪が、
「もうー二人ともここで仲間割れしたら三人とも地獄よ、とりあえず冬のボーナスがもうすぐ入るし、私はこのボーナス
を使わず当面の利息に当てるは、そうすればまた六ヶ月先には夏のボーナスが入るし」
「そうね、私たち二人もアルバイトをしているし、ここ半年位はつつましく暮らして先のことを考えよう」とまとまったが、生活の派手さは抜け切れず明日は明日だとタクシーで祇園まで飲みに行くことになった。
あや子が会社に黙って毎夜アルバイトをしている祇園のクラブ「志ず」に理恵と美雪はあや子の客としてボーナス
払いの付けで高級ブランデーをキープしている。酔うにつれ考えがグチになる性格か美雪は、フラワーに入社して二年半、この二人に会わなかったらクレジッカードに手を出すことはなかったし、竜一に処女をささげることもなかったし、裕一に貢こともなかった。ましてや二十三歳で淫乱呼ばわりされることもなかったと頭の隅で後悔してはいたが、酔えば酔うほどそんな事どうでも良くなり、また身体の芯がジン
ジン
イライラしてくる。極度のストレスのはけ口を男に、いや裕一の口での愛撫と特大フランクフルトのサービスを受けている間だけは「カード地獄の恐怖」を忘れるからで美雪は決して自分の身体は淫乱だとは思っていなかった。
それは理恵もそうでいくら金になろうともソープ
やヘルス、ピンク
サロンは拒否していた。それはいわゆる風俗産業では男を客として濃厚なサービスをしなければならないからストレスが発生する。このストレスの発散のためにホスト、ドラッグにはまってさらなる生き地獄になるのは目に見えているからだ!、援助交際では電話であらかじめ男性の欲望の種類が判断できる、いくら金を積まれてもサービスしてほしい受身を希望の男には近づかなかった。いつもの条件としては一回三万円以上でセックスに自信があって私をメタメタにしてくれる条件を示してそれでその男の腕の中であえいで「カード地獄」のストレスを解消していた。
あや子は美雪、理恵に比べれば身体が大きい分、大人びていて顔スタイルを含めて男からの目ではこの二人よりはランクが一つ下になっている。あや子のストレス解消方法はとにかく人と話しをしていることで、マンションで寝る以外は常に外に出て人と話をしている間だけ頭の中にいつもある「カード地獄」から逃避でき、やむなく一人になればその瞬間からカード地獄のお化けが音を立てながらあや子の頭の中をグルグル回り始めそれが怖くて店の休みの日でも誰か男を誘っていた。
フラワーの退社が五時半で店の開店が八時の間にも怖くて客と同伴、当然のごとく客はホテルに誘ってくる。その分売り上げが増えて収入になるかといえばそうではなく、あや子の客が溜めた付けは合計三百五十万円以上になっている。それを入れるとあや子の借金は七百万円にもなり頭はパニックになっていた。その付けをママは急に清算しろと言ってきている。もし清算できないならママの弟と称している、大田勝彦の店で働けといってはいるがその店とは売春専門の店で大田はやくざと紹介されなくても一目でわかる面構えで、その大田があや子に、
「あや子、お前のしていることは売春と同じや、売り上げを伸ばすために毎日毎日客と同伴して東山安井のホテルに行っていることは知っている。お前調べたらクレジットや街金で三百万円以上はある、お前これどうして返すのや、あや子」
「………」
「あや子、お前もう二十六歳やろ、二十歳そこそこの若い娘ならいざしらずソープもヘルスも雇ってくれるのか?この「志ず」でもお前が一番おばはんやそのおばはんが客となんぼ寝ても客はすぐ飽きよる。そんなことわからず誰とでもホテルに行ってあげくのはてに客に三百五十万円も貸して、その金は店の金やから返すのが人間の道というものやあや子」
「………」
「わしはでっきとした消費者金融の許可ももうとる、返せなかったら借用証を書くのがこれまた人間の道で常識や、わしの店で働くのが嫌やったら借用証を今すぐここで書いてもらいまっせ!金利は四十%や、月々利息だけで十一万六千円、それに三十六回払いで合計二十一万六千円になるが、どやあや子毎月払ってくれるか?」
「そんなん無理です」
「そや、無理な話や、ならどうするあや子」
「………」
「うちの店はよう繁盛している。お前でも一晩に客は三人付きよる。観光シーズンにもなるとテン
テコ舞になる、うちは良心的な店で女と完全折半で一回一万五千円や、一晩で最低平均三人でも月二十日働いても九十万円になる。サラ金の借金三百五十万円なんて四ヶ月もあれば返せて自由の身やあや子」
「………」
「それだけやあらへん、あや子の「志ず」の借金の返済も利息なしで一年待ったる。これも身体を張って集金したらすぐできる、こっちも借金がパアになる。もしあや子がそれで足を洗ってもわしは一言の文句もいわへん、どやあや子たった一年だけ身体を張ってガンバッテ借金なしの普通のOLに戻ったらどうや、わしもママもこんな商売をしているけど結局は人助けやと思っている。一体サラ金地獄で何人の人間が追い詰められて死んでいる、お前のやっていることは元々売春や、今度はカード地獄から抜け出す夢を持って正々堂々と開き直ったら良い。もし借金を返せたらパラダイスで恋愛して結婚も夢やない、その意味ではあや子はまだ二十六歳やなんぼでもやり直しは出来る!」
「………」
★★★~この小説は長編ですからなかなか読むのも大変でしょう。そこで3分ほどで読めるショートショート小説を掲載しますから…よろしくお願いします。
★~コラム①~女狐の誘惑★
全身シャネルで着飾った二十歳前後のホステスさんが、私のタクシーに乗車された。この女性はいつもこの時間この場所から乗るから「毎度おおきに」と言ってタクシーを走らせた。桂東口から南へ、コンビニの上にある四階建てのマンションに車を着けるとそのホステスさん、
「運転手さん、すいません、財布をお店に忘れてきました、四階の一番北の部屋ですから取ってきます」
酒に酔っているのかフラフラしながらエレベーターに乗ったのは確認した、やがて女の指さした四階の部屋に灯りが点いた。それから二十分ほど待っても降りてこない。また寝込んでいるなと思いメモにタクシー会社に2800円送れと書いて、もしチャイムを鳴らして起きれば釣銭がいると7200円をポケットにいれてエレベーターに乗った。
四階のドンツキの部屋には鍵が差し込まれたままでドアが閉まっている。念のためチャイムを鳴らすが返事はなくドアを開けるとス~と開いた。部屋は1DKで窓際のベッドに女はミニのスカートを捲り上げ、白い長い足を45度開き仰向けで軽い鼾をかいて寝ている。たしかバンティストッキングは粗い網模様だったが、寝ている女の足は素足になっている。私はピンクのビキニバンティに隠されたビーナスの丘を人差し指と中指でそ~と頂上から下に擦りたい欲望をグッと抑えて目に焼き付けるだけにした、五分後ドアの外から鍵を取り中からロックして帰った。
次の日、会社にその女から電話があった。お金を払うから日曜日の夕方取りにきてほしい、夕食を準備して待っていると言うので私は喜んで高級ワインを奮発してマンションを訪れた。
その女は「花梨」で22歳。最近不景気で時給も安くて帰りのタクシー代と家賃を払うといくらも残らないとグチを言っている。酒がほどよくまわった頃、花梨が「運転手さん、明日から毎日ここまで送ってくれません」と魅力ある目でウインクをしている。私はベッドのピンクの蒲団と花梨の顔を交互に見てから深くうなずいていた。
朝、花梨にもしあの晩、私が襲っていればどうなった?と聞くと、花梨は笑って、
「それは同じこと、結局、明日から伊奈利さんに毎日タダで送っていただけるのですから」
しまった。牝狐に騙されたとは思ったが頬がゆるみ花梨のオッパイをまた甘噛みしていた。
★~この↓には、ブログ小説「恋のブランコ…シリーズ」7話があります。これもぜひお読みください~♪
★~タクシーの諸問題は「京都タクシーブログ」に!(大塚伊奈利)
http://www.mypress.jp/v2_writers/ansin/